貝塚を飛ばしてるけれども、貝塚御坊願泉寺が改築中だから、今行くのはちょっと間が悪い。平成22年中に終了するはず。
カメラはOLYMPUS CAMEDIA C-21。
ちょっと変わったデザインに明るい単焦点レンズ、どんなもんかなと気になってたもの。
しかしまさかストロボモードを電源切ったら忘れるとは思わんかった……
南海本線泉大津駅で降りて、まず海手の方へ。
駅からすぐの大津神社に参拝。
由緒書きは見当たらなかったが、祭神をずらっと書き並べているのがあった。
曰く、品陀別命・天太玉命・事代主命・天児屋根命・素戔嗚尊・菅原道真公・船玉命・天照皇大神・他八祭神、とある。
なんでもありに見えるのだが、もともと小さな祠だったところに八幡大神を勧進して若宮八幡宮といわれ、明治になってあれこれ合祀していくうちに十七柱も集まってしまってから、このあたりの総鎮守として大津神社と改称したもの。
境内摂社の事代主神社と稲荷社。
摂社というものの、事代主神社はかなり立派。合祀したといっても、力関係に大きな差があったわけではなかったのかな。
遥拝所と、騎馬武者の像があるが、柵があって近くには行けなかった。誰の像だろう?
神社からすぐ、中央商店街というアーケードが見えたが、あいにく流行っている感じはなかった。日曜だから休んでるのかもだけど、泉大津は駅の東側に商業施設があるからなあ……
そしてこれが東側。
この超高層マンションと、それに繋がる商業施設が固まっていて、かなり都会的な駅前の姿に見える。
しかし、正直、他所から来てここに入ってみても、あるのは婦人服売り場と食品スーパーくらいのもので、特に面白いものはなかった。
高層マンションの住人が生活するためのものであって、集客施設というわけではないのかもしれない。なんばまで電車で30分足らずだから、生活に便利なもの以外はここで売られている必要もないのだろな。
ちょっと東に行くと、テクスピア大阪という建物がある。
大阪繊維リソースセンターというところが運営する、イベントホールや商業テナントを集める施設。
ここに、泉大津市立織編館というのがある。
泉州地方は繊維業が盛んだったところだが、泉佐野市はタオルで有名だったのに対し、泉大津市では毛布の生産が盛んだった。
泉大津で起こった初めての会社も繊維業だった。しかし牛毛で布を織って売ろうとしたものの、臭いといわれて売れずにすぐ頓挫。その後、その会社の人達がまたそれぞれ起業して、毛布の製造で成功を収めていった歴史があるとのこと。
また、江戸時代には真田紐の生産で有名だったとか。
そういうわけで、毛布製造についての展示が行われている。毛を取る動物から織り方、織機などの展示があった。
特別展として、明治から昭和中期くらいまでの古道具の展示もやっていた。
ナショナルの電気アイロンと、三洋電機の電気火熨斗(昔の炭火を入れる柄付き鍋みたいなやつの電熱版みたいなの)が並んで置かれていたりしたのが印象深い。
博物館というものの、会議室を借りきりで使っているような感じの間取りで、あんまり広くもないし、凝った展示設備があるわけでもない。ちょっと客を呼び込むには力弱いかな……
さらに西へ行くと、穴師公園というところに。
ここは児童公園と、夏には市立プールが開かれる、市民憩いの場。別に史跡があったりはしないようだ。
こういう地蔵尊とお社はあった。
大峰山上龍王講社、というと、修験道がらみかな。
公園を通り抜けてちょっと北上すると、泉穴師神社。
鳥居のまわりに小学生の女の子が溜まっていてカメラを向けられなかったのだが、この鳥居のすぐ向こうに小さな太鼓橋があった。何か曰くがあるのだろうか。
天忍穂耳命と栲幡千々姫命を祀る。
どちらもそうポピュラーではないが、前者は稲穂の、後者は織物の神様とのこと。
江戸時代に真田紐が有名だったということは、その頃から繊維業が盛んだったとはいえるだろうけれど、しかしそれ以前はどうだったんだろう?
延喜式にある泉穴師神社がここだろうと比定されているが、比定ということははっきりはわかってないかな。
聖武天皇に社領を賜ったとか、楠公が石灯籠を寄進したとか、古い話が残るから、かなり古い神社であるのは確からしい。
摂社は一列にずらり。
写っているよりもっとたくさん、7~8社はあっただろうか。石灯籠の縁で楠公社もある。
大阪みどりの百選にも選ばれている鎮守の森が、聖域には珍しく立ち入りできる。
季節が違えば花も咲いてるのかな。
泉穴師神社から北の方へ行くと、弥生時代の遺跡として有名な池上曽根遺跡がある。
その途中で昭和の遺跡を発見。
公園に直行せず、ちょいと東にいって国道26号線沿いにある弥生文化博物館に立ち寄る。
池上曽根遺跡にちなんで、弥生時代に絞って様々な発掘品とともに農耕文化やムラについて解説している。
模型というかジオラマがかなり充実していて、人間まで作りこんだなかなか気合の入ったモノがいくつもある。左は農業の様子、右は卑弥呼の館と周りの集落とのこと。
大型のものも頑張っていて、人間はモダンアート調のマネキンだったりもする。
歴史系の博物館なのに、アート的に頑張ってるというのは面白い。淡々と土器置いて真面目に解説だけしてるよりよほどいいと思うし、客入りもかなり良かった。
特別展で、作家100人が作品を持ち寄ったとんぼ玉展をやっていた。
やっぱりアート志向のある博物館なのかな。
博物館から北へすぐ、池上曽根史跡公園。
何やら人が多いと思ったら、フリーマーケットをやっていた。
久しくこういうの来てないな、と一回り。残念ながら惜しい所で、私が買うようなものはなかった。もうちょっと早く来てたら、私が好むような古道具などあったかもしれない。
史跡公園、というので、あくまで公園。
弥生っぽい建物がいくつもあるが、あたりを子供が走りまわって凧などあげたりしている。
申しこめば展示解説などもあるようだった。大きな高床式の建物も、解説を申しこめば中までみれるのかな。
これで一回りとして(うっかり直ぐ側に池上曽根神社があるのを見落として)、近くのJR信太山駅から帰路へ。
CAMEDIA C-21は、これなんでストロボモードがオートに強制リセットなんだろう。
もともと高級機として、C-2000Zと同じ補色系1/2型200万画素CCDを搭載しつつ、ぐっとサイズをコンパクトにして、当時の200万画素として最小サイズにまとめた、というモノなのに、ストロボオートはどういうことだろう。それは超初心者向けの設定じゃないか。
それから、バッテリーインジケーターが怪しい。
どうも、CR-V3で使って欲しいカメラらしく、ニッケル水素電池だとすぐにバッテリー切れ直前のアラートが出る。減少じゃなく、切れそうだと出る。
そのくせ、その状態のまま何十枚も撮れる。
今日は、金曜日にCybershot W7で130枚撮った後のエネループをそのまま突っ込む、という意図的に意地悪な使い方をしたが、電池切れる切れるといいながら50枚撮れた。
液晶はほぼ常時OFF、撮影後確認もオフ、フラッシュも基本的に焚かないという省エネ使用ではあったが、ストロボオフがリセットされるのを嫌って長時間電源オンで持ち歩いたりもした。
ボディ左端のスライドバリアを、下方向にスライドさせるとスイッチが入るのだが、これも適切な操作手順を頭で考えようとすると、思いつかない。
実際的には、取り出して左手でバリアを下げ、それからホールドしなおして光学ファインダーを覗く、という感じで、それほど異様な操作をしてたわけじゃないけれど。
左手親指でボディ下を、人差し指で上をつまんで、中指で開閉、というのがアリかもしれない。私の普段の持ち方ではないけれども。
ただ、スライドがちょっと固い。多分これ、劣化して渋くなってるというより、誤って開くのを止めるべくロックを固めにしてる。
シャッターボタンの感触がなんかイマイチで、半押しはいいけど押し込みがかなり重い。
また、ちょっとボディ中央に寄り気味で、力がかけづらい感じ。相当大柄な私の手でそうだから、小柄な人は大丈夫だろうか。
シャッター以外のボタンも相当ひどくて、誤操作防止のためにフラットにされており、しかも幅2ミリ長さ6ミリくらいの爪先で押すしかないようなボタン。
十字キーは多少出てるから押しやすいのだけども、これも誤操作防止のせいか、液晶を表示するかメニューを出さない限り押しても反応しない。
で、液晶ON/OFF・メニュー・INFO・十字キーしかボタンがない。
ストロボモード強制オンのくせに、ストロボモード切替ボタンが存在しない。
液晶をオンにすると、AFモードやストロボモード・露出補正などが表示されており、それを十字キーで操作できる。
ちょっとフレーミングに邪魔ではあるけれど、その状態ならしかるべき操作をすぐ行える。
だが、起動時は液晶オフ固定。そして押しづらい液晶ON/OFFボタン。
上部モノクロ液晶に、画質モード・ストロボモード・測光モードは表示されているので、それらは液晶オフでも変更できる。
メニューボタンを押してから、十字キー上下で選んで左右で設定変更というフィルムカメラみたいな操作。やりやすくはないけど、わからなくはない。
しかし露出補正できない。
単にメニュー構成が下手くそだとかで操作性が悪いカメラは、KD-400Zとかいくつもあるのだが、このカメラはなんだろう。
誤操作させたくないということばかり過剰に気にして、最悪に押しづらい最小限の数しかないボタンと、ストロボオート固定起動などという、ハードソフト両面の酷い設計になっちゃってる感じ。
一応、このボタンの数としては合理的な操作系で、ボタン押しにくくなければそこまで酷くなさそうなあたり、「わかる人間が作ったのに、そもそも狙いが間違ってる」というような印象を受ける。
と、まあ、ボロクソなのだけど、ストロボオートを諦めて、シャッターしか押さないような使い方してると、別にそんな悪くない。
長らくプラ製だと思ってたら、手に取ると金属外装で、ちょっとコンタックスTとかそのへん意識してるのかな、というデザイン。前から見るとレンズ周りが異形だけど、横や後ろが結構格好よい。
感度の高い補色系CCDに、F2.4と明るめのレンズだから、どのシーンでも予想より速いシャッターが切られている。シャッター押しづらい割に、手ぶれも全然なかった。
ただ、F2.4から絞るといきなりF8になるようなので、ちょうど切り替わるところでは急に遅めのシャッター速度にもなる。
博物館内でISO400を使っても、多少ざらつく程度で大した問題なし。
同じCCDのC-2000Zと比べると、コントラストは高めになってる感じ。
どう考えても素人向けのハード設計といい、このハイコントラストで派手な絵作りといい、ターゲットは初心者だったんだろうか。
でも、だったらズームレンズつけるよなー、とも思う。このへんわからないな。
サイズと画質を両立させるなら、38mmF2.4は良い選択とは思うのだが、それは玄人受けだ。
時代もあって、ホワイトバランスはちょっとやりすぎるくらい効いてる。
よく水色っぽく転ぶのも、これはC-2000Zでも起こるから、当時としてはこんなものかな。
正直まあ、このカメラにはレンズと外見から過剰気味に期待してたところがあり、まさかストロボモードなんぞで足払い食わされると思ってなかったから、点が辛くなってしまった。
コダックのカメラがこんなんでも、「こんなもんやろな」で済ませてると思うのだけどw