2012年9月8日土曜日

舞子・明石海峡大橋 w/ DC240iZOOM

雨がどんぐらい降るかいまいち読めなかったが、別に屋内施設に篭るほどの雰囲気ではなかったので、地図眺めていて行きたくなった舞子にいってみることに。
明石海峡大橋の本土側付け根であるが、かつてはブルジョアシチーとして洋館などが立ち並んでいたとか。

持ちだしたカメラは、KodakのDC240iZOOM。
DC240ZOOMは、まあ発売当時の1999年として普通な3倍ズーム130万画素機。

しかしそのカラーバリエーションモデルのDC240iZOOMはというと、当時流行りまくった初代ブラウン管iMacにあやかった、半透明&ボンダイもどきブルーという、今になっては実に恥ずかしいデザイン。
当時としても、日本製よりうすらでかいぼってりしたデザインの筺体で、あのオシャレ気取りのiMacの色をパクったら、相当にB級っぽいことになったであろう。
まあそもそも初代iMacだって……


阪神から直通特急で山陽電鉄の舞子公園駅まで。
駅前のTio舞子というショッピングセンターを一周りしてみて、軽く昼食をとる。


阪神の舞子公園駅とTio舞子、そしてJRの舞子駅とは、ペデストリアンデッキでずっとつながっている。明石海峡大橋への高速バスのりばもつながっているようなので、かなり立体的な駅前だ。


で、その高架の上に舞子公園とある。
確かに植樹などされていて、紛れもなく公園風に整備されてはいるのだけど、ペデストリアンデッキが公園というのはあまり聞かない気がする。

舞子公園自体は、このまま海側を東へずっと広がっている。


とりあえず海手へ。
それから東へいくのがおおまかな予定だが、ちょっとだけ西に戻る。


明石藩舞子台場跡、という史跡がある。
外国船打ち払いのために、文久3年に勝海舟が作った砲台場の跡。対岸にも徳島藩松帆台場というところがあって、両岸から挟み撃ちにするつもりだったそう。


すべて石積みで作った台場は珍しくて、国内では他に例がないそう。
現在では護岸のようになってる石垣は当時のもので、もともとは今より4メートルほど高かったらしい。


このかわいいのはもちろん当時の砲ではなく、ベンチ。


ここから西側の景色。
見えてるのは明石の街。


東へ歩いて行くと、程なく橋の科学館へ着く。


館前にあるのはミサイルランチャーではなく、明石海峡大橋に渡されているケーブルの一部。
直径5.23mmの素線を127本束ねたストランドを290本束ね、直径112cmのケーブルにする。


ところで、この素線は橋の科学館で買える。
5ミリの鉄棒なんて買ってどうするのか、といわれそうではあるが、200円で数量限定といわれるとこれは男子なれば外せないところ。
橋の科学館の展示が、この明石海峡大橋にいかに高度で、しかも巨大で大規模なテクノロジーが注ぎ込まれているかを見せつける内容なので、あれを見てからだと買いたくもなる。

展示内容は、パネル展示が中心ではある。
建設機械の模型があるものの、縮尺1/300だったりして、しばらく大きさを実感できない。
だけれど、パネルの解説を読みつつ、たまに現れる原寸大物品を見たりするうちに巨大さが伝わってくる。
現在もなお、補修・点検などにロボット技術まで導入され続けていて、大きい方のテクノロジーの粋が見える。



橋の科学館を出て、目の前に舞子海上プロムナードの案内が見える。


橋の真下に回りこんでみる。
ちょっとずれちゃったが、光学ファインダーのパララックスのせいにしておこう。

この背面、橋桁の根本に海上プロムナードの入り口がある。入場料は150円也。
私は知らずにひとつひとつ入場料を払ってしまっているが、割引のあるセット入場券がいくつかあるようなので、調べて利用するとよかろうと思う。


上がって東側。


西側。
この時点ではまだ空気がモヤっぽかったが、このあともう少し晴れてくる。
西側には小豆島なども見えていたのだが、空気のモヤで霞んでしまっていた。


橋の中。これが一番海側の端。
上を大型トラックでも通ったりすると、結構な音とともに揺れるので、高いところが苦手な人を連れてくると面白いかもしれない。抵抗されるとは思うけれど。

展望台にちょっとしたレストランもあり、どうせならここで昼食とればよかったかな。



さて、橋の上から見えていた、この風変わりな建物に向かう。


もともと呉錦堂という、神戸で活躍した華僑の実業家の別荘だった。
孫文の革命を応援するべく、孫文来日のときにここで神戸の中国人や実業家が集まって昼食会を開いたのが関わりで、現在は孫文と呉錦堂についての歴史を解説する展示館になっている。

世界的には孫文の記念館はいくつもあるそうだけど、日本ではここだけ。
日本最古のコンクリートブロック造の建物で、国の重要文化財に指定されている。


移情閣の窓から。


移情閣with大橋。



移情閣から北東側、洋館が見えているが、これは旧武藤家別邸洋館。
その後、鐘紡に譲られて厚生施設になったため、旧鐘紡舞子倶楽部ともいわれる。

武藤山治という、三井財閥に頼まれて鐘淵紡績の再建にあたって、鐘紡を日本屈指の大企業に育て上げた人物があり、その人の別荘。
温情主義、家族経営主義を打ち出して、従業員にも大層人気があったそうで、一度投機家に鐘紡が買収されかけて辞職したときにも、従業員がストを起こしてまで復帰を要求したとか。

たまたまタイミングよく、洋館通のボランティアの方に解説してもらえて、しかもなんだか私が息子さんに似てるとかでちょっと気に入ってもらえたようで、隅々まで色々教えてもらえた。
この建物の面白いところも、洋館一般の見所も教えてもらえたので、また洋館に行き当たった時には多少見方がわかるかも。

明石海峡大橋建造や国道二号線の拡幅で、2度ばかり場所は移動しているので、新しく作りなおしてあるらしい部分(上写真左手側はかつてビリヤード場だったそうだけど、このへんはなんとなく、色々新しい感じ)もあるが、当時の調度品なども色々残っている。
天井の漆喰細工も、当時のものと最近作りなおしたものがあるそうで、見る人が見れば昔のほうがより優れているとわかるそう。


ここが玄関。
右手から上がって玄関に入るようになっていて、そこにステンドグラスを配置してある。
写真ではちょっとわかりにくいが、1階左手は応接室で、窓はすりガラスになっている。昔はこちら側が国道2号に面していて、あんまりいい眺めでもないからと目隠ししちゃったそう。

ここを出てから、また東へぶらぶら。


Ninjaと大橋。
つい橋の写真ばかり撮ってしまうが、まあ仕方ない。


海水浴場になっているが、もうシーズンオフで、「監視員いないから泳ぐなよ」と看板が立っていた。
見てだいたいわかるが人工海岸で、1メートルくらい掘ったら石が出てきてしまう、というような解説もあった。


遠目から大橋。


垂水の三井アウトレットパーク・マリンピア神戸にたどり着いた。
正直あんまりアウトレット来ても買う物がない方だけれど、そんな奴ではない人達が大勢ごった返している。アウトレットもいい加減いくつもいくつもできすぎてる気がするけれど、それでもこんな調子か。


アウトレットを通過して、もうちょっとだけ東へ。


すると、海神社の大鳥居がある。また立派なもんやで。
巨大だからだろうけれど、額束の上に屋根が張り出してるのはちょっと異形かな。


その参道をまっすぐ上がると、神社にたどり着く。
式内社で、名神大社。旧社格は官幣中社だった。
海神社という名前の神社はいくつもあって、たいていはワタツミ神社と読むのだけど、どうもここの場合はアマ神社じゃないかともいう。海直(あまのあたい)の氏神だから、と。

神功皇后が三韓征伐の帰りに、暴風雨避けに海神を祀ったことが始まり……という、瀬戸内海北岸によくある縁起を持つ。

ここから、JRの垂水駅がすぐ。そのまま大阪方面へ帰った。



今日のDC240iZOOMは、使ってみると意外によく写るカメラだなという印象。
Kodak Ektanarなどとブランド名を名乗る、39-117mmF2.8-4.5の、ごくありふれたスペックの3倍ズームレンズをつけている。

1999年というと、世間的には新製品が200万画素に移ってきている頃だが、まあ中級以下のモデルなら130万画素でも、という頃。
CANONならPowershot A50、オリンパスならC-900Z、リコーならDC-4Uあたりが、130万画素3倍くらいズームで似たような性能か。
ただ、Powershot A50ははるかに小さいし、C-900Zも小さくてカメラらしいデザインだし、DC-4Uはスイバル機。
DC240は異形にも程があるし巨大し機能的には普通。三洋DSC-SX1Zが同じようなキャラかな。
130万画素機で機能的に普通で、しかも3倍ズームレンズ、というのは、思ったより少ない。単焦点レンズ機はいっぱいあるのだけど。

130万画素ならそこまで解像度がカリカリに高いレンズでなくていいせいもあってか、それほど解像度が甘いような感じはなかった。
厳しく行けば、望遠で少し甘いかなあ、というのと、暗い時に開放だとちょっと甘い目かな、というくらい。
画素数の少なさもあって、ダイナミックレンジが狭いとかノイズが多いといった感じもない。
ぶっちゃけDC-4Uみたいな写りかと心配していたのだけど、あんなに悪くはなかった。

Kodakのデジカメは発色がいいとファンがいたが、確かに晴れたときに撮ると、富士フイルムの派手さともちょっと違う色乗りが出てくる。曇ってるとふつーに地味に写るんだけど。
マリンピア神戸の写真なんか、それらしい色が出ていると思う。富士よりも濃いめの色合いというか。まあアンダー気味なだけかもだけど。

多分実売価格は安かったカメラだと思うけど、大きさとデザインを我慢すれば、お買い得品だったんじゃないかな。


ただ、気になるのはバッテリー持ちの悪さ。
まあ、今更わざわざEnergyzerの1700mAhなんてレトロなスペックのニッケル水素電池を使っているせいもあるのだけど、4本使うカメラで、たった80枚ほど、ほとんど光学ファインダーで撮ってから、再生モードで画像を10分ほど見てたら電池が切れた。

感覚的なものだけど、液晶の消費電力が馬鹿でかい気がする。
なんかこう、バックライトの調整ボリュームがあるとか、どうも古い世代のものに感じる。日本のなら、三洋がもう低温ポリシリコンTFTを出してる時代なのだけど。
明るいとバックライトの輝度上げまくらないと見えないし、TFTじゃなくTFDで、あまりいいものではない。
光学ファインダー撮影が基本のようで、液晶ファインダーはOFFでしか起動しない。
その分、光学ファインダーは大きめで、かなりよく見える。


メディアはコンパクトフラッシュだが、多分128MBが上限。
2GBをカメラでフォーマットすると、128MB扱いで初期化されてしまった。問題なく撮影できるし、最高画質・最高解像度で300枚は撮れると出たから、不足ではないけれど。
今まで、三洋でもカシオでもキヤノンでも、相当古いカメラを使っても、2GBのCFが扱えないカメラはあたったことがないのだけど、Kodakはできれば小容量のものを使ったほうがいいかも。


起動時間は、公称2秒というけど、もうちょっとかかると思う。
撮影後の記録時間が長いのだけど、実は連写バッファがあるようで、記録が終わるまでに次の撮影ができた。何枚いけるかは確認しなかったけれど。
記録終わらないと終了できないのはちょっと減点か。終了自体は、起動より早く感じる。

右キーで露出補正をすぐ呼び出せる仕様なのだけど、光学ファインダーで撮ってると使う気せず。


使い終わってみれば、見た目以外は普通で、拍子抜けといえば拍子抜け、しかし当時買っていたなら喜んでただろうな、とも思うカメラ。
そういえば、iMacもどきのDC240iは、通常カラーのDC240に比べて、ISO感度が140から100に下げられていると公式サイトにあるのだが、手元の240iのExifは、ISO140となっている。
外装違いで感度下げるというのも不思議だが、もしかして少しだけシースルーボディから光が漏れ込むんだろうか。