2013年8月3日土曜日

VersaPro UltraLite Type-VG VK19S/G-F 使い始めインプレ

新しいPCをですね。
買っちゃったわけですよ。

一時期、どうもパソコンというのがあまり面白く見えない商品ばかりだった時期もあったけれど、最近なんだかそうでもない。
気合の入った面白いPC製品が出てきてるな、と、様子を見ていたのだけど。

いろいろ条件を付けて、Ultrabookで特に1キログラムを切るやつがほしいな、と思っていた。
そうすると、NECのLavie Zか、SONYのVAIO Pro 11/13くらいになってくる。

そこに、リファービッシュのVersaPro UltraLite VGが、思ったよりだいぶリーズナブルな価格で出ているのを発見。
内容的には、Lavie Zの12年秋モデル、LZ750/HSあたりと同等品と思う。
CPUはCore i7-3517U (Ivy Bridge 1.9GHz)、メモリ4GB、128GB SSD、Windows 8 Pro 64bit、Office Personal 2010も入って、10万円切っていた。

Lavie Zも今夏にはモデルチェンジしていているけど、CPUはHaswellには変わってなくて、Ivy Bridgeのまま(クロックが少し上がった)。
今夏の現行モデルも、それほど大きな違いはないだろうと思う。



買い替え前のPCは、VAIO Z VGN-Z90NS。
2009年モデルで、当時の技術でUltrabookをやろうとした感じの製品。
Core 2 Duo P9500 (2.53GHz)、メモリ4GB、HDD 200GB、13.1型1600x900の液晶、DVDマルチドライブ内蔵で、1.4キロってところ。
GeForce 9300Mを外部搭載していて、動作中でも任意に切り替えができる。3DパワーがほしいときはGeForceを、バッテリーライフがほしいときはチップセット内蔵グラフィックに。


以前はデスクトップPC + モバイルノート + ファイルサーバ + 枕元用デスクノート、とか散漫にPCを増やしていたんだけど、それにAndroidタブレットやらWindows 7ケータイやらが加わって、データの同期が面倒で用途の分配も散漫になった。
そこに震災が来て節電節電となり、「じゃあもうファイルサーバと、モバイル・主力兼用のノートPC一台でいいや」となった。

PCを増やさないためには、モバイルも主力もこなせるようなノートPCでないとダメ。
で、VAIO Zを持ち出してた経験から、1.4kgというのはあまり気軽にひょいっと持ち歩く重さではない。近くの喫茶店までとかの単距離か、もともと荷物が多い旅行とかでないと。
しかし最近のUltrabookも、多くは1.3kgくらいある。

1kg切ってるのがほしいというのは、そういう事情による。
1kgだったら、昔持ってたLet's Noteの経験から、まあ大丈夫そう。

主力機にもならなきゃいけないから、Androidタブレットは論外。
Windows 8タブレットも、Atom Z2760搭載モデルなんかモバイルとしてはすごく良さそうだけど、主力が務まる馬力はない。

となると、VAIO ProかLavie Zだな、と。



で、やっとインプレに入る。

まー、持った瞬間にまず感動的に軽い。
見るからに薄型だとはいえ、13型のパソコンと思って想像される重さより明らかに軽い。
これは期待以上。


とりあえずセットアップを始めてみると、さすがに新しい世代の上位モデルのCPUだけあって、かなり体感的にきびきび動く。
まあ前のCore 2 Duo P9500もハイエンドに近いものだったけど、中古で買ったものだしモバイル用だから、十分だけど速いってイメージのものではなかった。
その前はデスクトップでPhenom II X3だったから、単純に馬力比べるとちょっと落ちてたし。

クロックはたった1.9GHzとはいえ、4コアのCore i7はさすがのパワー。
あまりほかのところで使われない基準でなんだけど、distributed.netのベンチマークデータを比較してみた。(私の手元に幅広いCPUのデータがあるので)


白バックの分が、計算方式ごとのシングルスレッドのベンチマークデータ。
赤バックは、最高値(CPUによって適した計算方法が異なるので)と、それの1GHzあたり値、コア数を掛けた値。

経験的にはOGRのシングルコア値が1.5倍ほど違えば、操作中の体感に差が出てくるかな、という印象がある。
Pentium MとNanoに体感的な差はなかったし、Phenom II X3とC2Dにも時々しか感じられなかった。
C2Dから今回のCore i7は、あ、早いな、という感覚があった。SSDのせいかもしれないけれど。

動画エンコードなどのマルチコア対応処理は、distributed.netのマルチコアは非常に効率がいい(ほとんど各コアのキャッシュ内で処理できるらしく、単純にコア数倍の効率が出る)から数字がよく出すぎ。
前のC2Dから今回のCore i7で、by Coresの数字は3倍違うけど、実測はまあ1.5~2倍程度。
比率の平方根倍くらいの実力差、と思っていいかな。


OSがWindows 8、ストレージがSSDということもあってか、起動が実に速い。
終了状態から起動して、5秒もかかってないんじゃないかなあ。
Windows 7だと、いくらSSDにしたってこんな速さでは来ないと思う。
モバイルでは起動時間やサスペンドからの復帰はすばやくあってほしいから、ここはうれしい。


Windows 8は今回初めて。
なんだか、中途半端にタッチ操作を意識してて、マウス操作だと使いづらい、と聞いていた。

触ってみると、まあ多少違和感はあるけれど、単にスタートメニューが全画面化しただけ、くらいのことに思えた。
私はもともと、スタートメニューを呼び出すためにWindowsキーやらCTRL+ESCを押すことに抵抗がなかった。
また、よく使うアプリをどんどんタスクバーに並べる使い方も前からしていたから、もともとスタートメニューの階層から呼び出すような操作はあまりしてなかった。
まあ、終了の仕方はちょっと探したけれど。「スタート」から終了も変っちゃそうだけど、「設定」から終了も不思議っちゃ不思議。

マウス操作でスタート画面を呼び出すには、画面左下隅にカーソルを置く操作になる。
これ、マルチモニタで画面左側にサブモニタを置いてたら、かなりやりにくくなるような。
画面右下隅で検索やら設定のアイコンが出るのも同じだけど。

細かい違和感はあるけど思ったほどでもなく、そのうち慣れるんじゃないかな。

ただまあ、全画面使用前提みたいな、Windows 8向けアプリにはかなり違和感はある。
LINEの8版を試しに入れたけど、メッセンジャーツールを13型のPCで全画面で使うとかちょっとありえない。ので、すぐ消して従来のWindows版にしちゃった。
Androidタブレットにも思うことだけど、片手デバイスと10型以上のとは理想的使い方は相当違うよねえ。

全画面アプリの終了の仕方も、ちょっとよくわからなかった。
いや、ALT + F4はわかるんだけども。マウスだとさっぱり。



ちょっと不満点も挙げれば、キーボードが良くない。かなり良くない。
電球色LEDライトのスタンドが当たってるところを無理やりHDR撮影したら、まるで汚れたかのような見栄えになっちゃったけど、それはおいといて。まだまだ新品だからきれいよ。

すごくストロークの浅いキーボードだというのは、まあ、これだけの薄さと軽さのためだから仕方ない。それは呑める。
押す場所悪いと反応しないことがあるっぽいけど、それもまあ許容する。

けれど、カーソルキーの上下と左右でキーの幅が違う、というのは、かなりひどい操作ミス要因になっている。これはひどいと思うわ。

中途半端に長いスペースバーと、変に小さい変換キーも良くない。
私は変換かけるのを変換キーでやるタイプで、できれば変換キーはホームポジションで自然に親指をやれる位置にあってほしかった。
まあ、たいていの人はスペースバーで変換してるんかもしれんけどさ。

また、キーボード左下隅がCTRLじゃなくてFnというのも、私の好みと違う。大きさも小さい。
小指丸めて第一関節でCTRL押す、というちょっと変な癖があるから、どうにもミスが出てしまう。
手の移動量が小さくなるのはこの配置のほうだから、慣れれば解決するかもだけど。

前のVAIO Zは実にいいキーボードで使ってて気持ちよかったんだけど、こっちは軽さのためにいろいろ犠牲にされたもの、って感じ。


それとタッチパッド。
なんか、全面クリックできるようになっていて、その気もないのにミスってしまう。

また、マルチタッチ対応のタッチパッドって初めてで、端っこなぞったらスクロールかと思ったらスクロールしない。
どうするかと思ったら、2本指でやれば上下左右スクロールだと。
右クリックも、2本指でクリックすればいいらしい。

多機能なのはいいけれど、なんか、今一つ操作した感じが気持ちよくないかなあ。



液晶モニターも、解像度は1600x900とちょうどよく、文句ない。
フルHDだと、従来通りにドットバイドットな使い方では細かすぎると思うし。

しかし、これもまたVAIO ZはTNパネルながらかなり発色のいい液晶なのに、こっちはもうひとつ。
照明が黄色っぽいこともあるけど、それにしてもかなり青白い感じのモニター。色も浅いし、上下視野角もいまどきにしては狭い。

ただ、これはコンシューマ向けのLavie Zと、ビジネス向けのVersaProでは同じ仕様ではないかもしれない。一般に、コンシューマ向けのほうが鮮やかな液晶を入れる。
VAIO Zものちにビジネスモデルだけになったけど、Z90NS当時はコンシューマ用もあった。



あとは……まあ、これはわかってたことだけど、やっぱ有線LANはほしい。
無線LANだと、ファイルサーバからGB単位でコピーするのは苦痛。

この点については、USB 3.0のGigabit有線LANアダプタ・Logitec LAN-GTJU3H3を追加した。
USB 2.0だとGigabitは無理だけど、3.0だと捌いてくれる。



自宅で使っている間は、マウス・USBヘッドホンアンプが常時つながり、ScanSnapやSONY Readerなどが時々つながる。
USBが2口しかないのはわかってるからハブ使うんだけど、右側だけに2ポートというのがちとつらい。VAIO Zは左側にもあって、一時的なものは左、常時のものは右と振り分けられて都合がよかった。



まー、キーボードがよくないのは不満ではあるけれど、しかしこれだけのマシンパワーとここまでの軽さを得られるなら十分OK、と現時点では思える。
SSDが飛んだら交換用のものが少し特殊だとか、バッテリーは取り外し不能なので寿命に気を使うとか、長期使用においては気になる点もあり。

バッテリーについては、前のVAIO Zと同様に、80%までしか充電しないモードがあったので、それは有効にしてある。
最近はリチウムイオン電池も寿命がかなり延びてきてるし、8割充電でやってればまあ、1年2年で終わりってこともないと思う。

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