いくつか候補はあったけれど、まだ世間的に平日のうちから一週間早く休める身分を活かして、休みに入ると閉まってしまいそうな企業博物館参りに。
面白そうなメーカーが多い土地といえば、やはり静岡。
模型メーカーはタミヤ・アオシマ・ハセガワ・バンダイと揃っていて、バイクはカワサキ以外はみな静岡だ。
いくつか検討して、タミヤ模型とスズキの予約がすぐ取れたので、その2箇所を目指して行程を決定。
例によって乗ったことのない鉄道路線を使って移動してみるとして、名古屋から名鉄名古屋本線で豊橋まで。
豊橋駅で降りて食事。
そして駅構内で「あん巻き」なるものを売っていたのだけど、ちょっと食べたいと思ったら、なんかわずか160円(カスタード入りなどは190円)というプライスの割に、なんか妙にでっかい。片手にどーんと乗っかるようなサイズ。
食後すぐには手が伸びず、一旦パス。
ここから東海道本線で2駅。
新所原駅で下車。
渋い造りの駅。
そして天浜線側では、駅の中にうなぎ屋が。
テイクアウトの弁当もあれば、中で食べていくこともできる。
豊橋でスシ食っちゃったのは失敗だったか?
駅前の奥浜名湖ウォーキング案内看板を見ると、「あるいてめぐろう奥浜名湖」というフレーズとともに、実に片道39キロのハードコアなコースを案内していた。
天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線は、新所原から浜名湖を北回りでぐるっと周り、天竜二俣を経由して掛川までまた下がってくる。
国鉄時代、東海道線がトラブルで使えなくなった時には、迂回路として使えるようにとこのルートで引かれた。実際に地震や戦災で使われたこともあるそう。
阪神淡路大震災のときも、山陽本線を福知山線から加古川線で迂回したことがあったもんだけど、あまり大災害は起きてほしくないもんだ。
意外に、というとなんだけど、新しくてきれいな車両。
中身も新しく、コンピューターによる制御・自動化が進められた電脳車両だそう。
駅側からうなぎ屋。いい。
入線してきた車両から降りてきたお客さんも購入していた。まずまず人気なんかな。
ボックスシートの、もちろん進行方向右手の浜名湖側に陣取り、車両が出発。
天浜線は国の登録有形文化財だ、と車内放送。
実に31件も登録有形文化財があるそうで、駅につくと「この駅の本屋は登録有形文化財です」なんてアナウンスされる。
右手にプライムアースEVエナジーの本社を見かけて注目し、そして程なく浜名湖が見えた。
これが浜名湖ファーストカットで、松見ヶ浦というあたり。
多分三ヶ日駅を過ぎた直後。
観光的には三ヶ日で一度降りてもよかったかなあ。
(実はこの車窓からの眺め以外で、この後浜名湖をしっかり見る機会を得損ねた)
浜名湖佐久米駅はほとんど湖上に駅がある気がするようなくらい浜名湖に近いのだけど、目の前を東名高速が横切ってしまう立地。
戦時中くらいまではいい眺めの駅だったんだろな。
その代わり、ゆりかもめが集まってくる駅だそうで、写真の通り何羽も飛び交っていた。
ちょっと窓が綺麗だとよかったのだけど、開けられないから自分で拭くわけにもいかず。
西気賀駅の、登録有形文化財たる駅舎だが、内側からだとあまりパッとはしないな。
グリル八雲、という飲食店の看板が見える。駅としては無人駅なのにレストランは営業しているという状態だそう。
金指駅。
プラットホームと上屋が有形文化財。
かつて浜松軽便鉄道というのがあって、浜松からここを通ってさらに奥山というところまで行ってたそう。
近くに竜ヶ岩洞という鍾乳洞があるそうで……って地図みたら5キロくらい離れてるな。
東海地方としては一番大きい鍾乳洞だ、と看板があったと思うんだけど記憶違いかも。
金指まで来ると、もう浜名湖を離れて内陸に入っている。
しばらく田園風景が続き、常葉大学という大学があり。
そして天竜川を渡る。
橋の上、鉄骨がじゃまにならないところで一旦速度をゆるめてくれるサービス。
といいつつこの写真は橋を通過中、鉄骨の隙間を縫って撮ったものだけれど。
二俣の町は天竜二俣駅より二俣本町駅の方が中心に近いというので、一旦ここで下車。
実際はそれほどでもないけど、なんか山奥の秘境駅みたいに見える駅プラットホーム。
しかしさっきから何度も「にのまた」で変換しようとしてしまうが、ここは「ふたまた」が正しい。
さてここからどこ見に行くんだっけな、と思って駅前を見ると、秋野不矩美術館への案内があったのでついふらっとそっちに歩いて行ってしまう。
後から思えば二俣城址を見に行けばよかったのに、すっかり忘れていた。秋野不矩美術館とは逆方向。
それから、本田宗一郎ものづくり伝承館というのもあるんだけど、事前に見落として気付きもしていなかった。なんという……
駅前の観光案内看板にも書いてなかったのよね。
他には内山真籠資料館というのもある。
賀茂真淵に学んだ国学者らしいんだけど、ちょっと私は知らない。
ともかくもぷらぷら歩いて行くと、二俣川に。
天竜川と合流するところだから二俣という地名なのだと思ったのだが、そうなると川自体も二俣川という名前となると、どことなくねじれを感じなくもない。
このへんは川沿いに降りることもできる。
しかしK-01特有の、たまにサイケなほど彩度が強くなるカットにPLフィルターまで入ってえらいギンギンになってしまったな。
どうもカラーモードを「鮮やか」にすると起こりやすい感じ。リバーサルフィルムとかMIYABIではあんまりこんなことならんような……
川向うに見えていたJAの「天竜川の市」に入ってみると、道の駅とかによくある現地の産物の販売店。
ここで天竜茶を一袋求めた。
静岡のお茶と言っても、もちろん県内に多数の山地がある。
土産物屋なんかでは大雑把に「静岡茶」と売られていたりするけれど、当然産地によって味わいも違うのだろう。
特に、天竜のような山手のものと、掛川などの平野部のものでは、日照時間などの関係でかなりモノがかわる。
この話は後に「しずおかO-CHAプラザ」というところで聞いたのだけど、そういうわけで、天竜茶と比べてみるべく掛川茶も買って帰ってしまい、まあ見事に静岡県に乗せられている。
自動販売機で購入。
これは「遠州中央深蒸し茶」とあるけど、深蒸しは平野部のお茶に対して行う蒸しだそう。
日射がよいと葉が厚く育つから、蒸し時間伸ばさなくちゃいけなくなって深蒸しになるんだと。
販売者は磐田の会社になってたので、あのへんのお茶なのだろう。
もうちょっと山手にいくと、秋野不矩美術館。結構急坂を登る。
秋野不矩は、日本画に飽きたらずインドに飛んでいってあちらの画材とモチーフであれこれ描いてきた女流画家だそう。
まあ絵画の審美眼が400年遅れてる私には、あまりよくわからない絵だというのが正直なところではあるのだけれど……
ふもとに栄林寺という、古刹っぽいお寺。
山の麓に建っているんだけど、山がどんどんお墓に侵食されていて、二俣の方は長年ここに眠ってきたんだろう。
岩盤をくりぬいてお地蔵さんが納められていたりする。
二俣層上部礫岩、と解説板があり、2000万年くらい前の新生代第三紀ごろ、浅い海に砂や石が堆積してできた地層。
1500万年前に日本海ができたころ、赤石裂線という断層が活動して地殻変動が起きて、このへんに現れた、というような説明がなされていた。
お寺の脇に、なにやらトンネルがある。
詳細はわからないが、かつて天竜二俣駅から飯田線の中部天竜駅まで、多分天竜川沿いに走らせるつもりだったんであろう、佐久間線という国鉄路線が計画されていたそう。
で、実際工事が進められてトンネルもいくつも掘られたけど、国鉄再建法で工事中止になった。
そのトンネルのひとつかもしれない。
天竜二俣駅の線路に、キハ20型とナハネ20型寝台客車を展示してあった。
天竜二俣駅。
これも確か文化財だったはず。
そしてちょうど3両入線中の駅。
ここからは、車窓から景色を眺めながらのんびり掛川へ。
車窓の写真撮ったりはしたのだけど、外がちょっと暗くなってきてたから、窓の反射であんまりよく映らず。
掛川まで到着。
掛川駅はなにやら改装中っぽく、左手の建物は囲ってあった。
ここからJRで、清水駅まで行って旅館に投宿。
駅前商店街にこのようなのぼりが。
晩飯どうするかなー、と商店街を歩くと、なんとなくピンときた弁当屋に入って色々買い込んで宿に。
着いた時間も遅いし、今日は宿に入っておしまい。
天竜で買い込んだ、花の舞酒造の「本醸造 花の舞」で一杯。
これがまたずいぶん飲みやすくて美味かった。
清水の町には宿泊しただけで、翌日も観光はする時間取れない。
まあ、また縁があれば清水を目的に見に来ることもあろう。
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