2014年1月23日木曜日

環境計量士(濃度関係) 過去問チャレンジ H25-環濃

インフルエンザも治って、また勉強しなければいけません。
「化学分析概論および濃度の計量」の過去問に当たりましょう。




問1 「JIS B 7981 排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器」に準拠した溶液導電率式の濃度計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


JISは無数にあるから、内容まで全部覚えろと言われても無理そうなので、選択肢を見ておかしそうなのを抜くしかないか。

1は、SO2の吸収に「塩酸酸性過酸化水素水」というのもなんか異様なような。
2は、タンクから吸収液を送り出すんじゃないか。
3は、これはもっともらしい。
4は、なんだろ。露点って、それより低いと結露する温度だから、結露は不味いとは思うが。
5は、まあそんな都合のいい装置もそんなになかろうと思う。

それで3かな、と思ったが、4の方だった。

3は書き方に順番とかの指定もないし、「などから」なんて他の装置があることも含んでるから、あってはいけない装置が書かれてるのか。
あれかな、フィルター通さずにそのまま吸収部に入れるものか。


問2 天秤で水の質量を測定した。空のフラスコのひょう量値が25.124 gであり、20 ml 用の全量ピペットで水を入れたフラスコのひょう量値が45.116 gのとき、浮力補正後の質量として次の中から、最も近いものを一つ選べ。ただし、水の密度は1.0 g/cm^3、分銅の密度は8.4 g/cm^3、空気の密度は0.0012 g/cm^3とする。


とりあえず空の時点で釣り合っているので、そこをゼロとすれば、フラスコの比重とか浮力は考えなくていい。
水 20 cm^3が、45.116 - 25.124 = 19.992 g の分銅と釣り合っているとかんがえる。

水の密度 1.0 g/cm^3から、空気の密度 0.0012 g/cm^3を浮力として差っ引くと、0.9988 g/cm^3。
分銅の密度 8.4 g/cm^3から同じく浮力を差っ引くと、8.3988 g/cm^3。

分銅の表示値は19.992 gだけど、浮力が働いて密度が下がっているので、8.3988/8.4 倍する。19.9891 g。

水の質量は、空気の浮力を受けて19.9891 gとなるので、浮力を加味しない値に戻すため、1.0/0.9988 倍する。
そうすると、20.01316という値が得られる。

すると選択肢4に近い値になる。


天秤の分銅の表示値というのは、もしかして元々浮力を加味した値じゃないか、という気もする。

そうすると、水は浮力を受けてる状態で19.992 gで、1.0/0.9988倍すると、20.01602、と出た。
どっちつかずな数字で、選択肢4とも5とも選べない。
やっぱり分銅側にも浮力の計算は必要だ。


問3 以下の表はイオン電極の種類の一例を示している。表中のア~ウに入る内容の組合せとして、正しいものを一つ選べ。

電極の形式 / 電極の種類 / 応答勾配 / 測定pH範囲 /妨害を与える主なイオン
ガラス膜電極 / (ア) / 50~60 / 6~11 / Ag(+),H(+)
固体膜電極 / S(2-) / (イ) / 13~14 / -
固体膜電極 / CN(-) / -50~-60 / (ウ) / S(2-),I(-)
*応答勾配は、(mV/10倍濃度変化)で表した値である。


とりあえず(ウ)について。
シアン化水素は弱酸だから、アルカリ性側でないとCN(-)がイオン化せずにHCNになっちゃいそうな感じ。
よって、CN(-)の測定pH範囲は、強アルカリ性側の11~13と想像した。
これで選択肢1か4に絞れる。

(ア)については、1か4ならNa(+)かNH4(-)。
同じ理屈で行くと、Na(+)なんて簡単にイオン化するだろうから、それほど測定範囲にこだわらなくて良さそう。
……と思いきや、測定pH範囲が6~11とあるけれど、妨害イオンに水素イオンがあるせいだろうから、イオン化とは別件と思われる。
陽イオンなのにpH=11なんてアルカリ性側でも測れる、というのはやはりナトリウムの強いイオン化傾向あってこそではないか。少なくともアンモニアがpH=11で電離できるか?

ということで、(ア)にナトリウムイオン、(ウ)に11~13が入る選択肢1が正解と観た。
答えを見ても1となってるので、よしとしよう。


問4 「JIS Z 8401 数値の丸め方」にしたがって、15.305 及び7.475 の2 つの数値をそれぞれ有効数字4 桁及び3 桁に丸めよ。その上で、両者の積を計算して、適切な桁数に丸めた答えとして次の中から、正しいものを一つ選べ。


15.305を4桁に丸めれば、15.31。
7.474を3桁に丸めれば、7.47
掛けると114.3657になるけど、適切な桁数ってなんだろ。まあ桁数の小さい方に合わせりゃいいのかな。3桁に丸めると114。

なので選択肢は1になるけど、答えもそうなってる。


……と、特に考えなしに計算したけど、これは途中経過が間違いになる。
JISを確認すると、丸めの幅の中間点の値が与えられた時は、丸めた結果を偶数にする、という規則があった。(この方が複数の値を丸めていく時に誤差が小さくなるらしい)
すると、15.305は、15.31ではなく15.30と丸められるべき。

15.30 * 7.47 = 114.291。
3桁に丸めると、やっぱり114。


問5 ガスクロマトグラフ法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。スプリット注入法って確か、試料の一部分しか導入されないので、全部入れるスプリット注入法よりはピーク小さくなるだろう。正しい。
選択肢2。カラムの全長が全然違うし、同じにはならんような……。自信ない。
選択肢3。別に保持時間が変わったりとかしないだろうから、量と分離度は関係なしか。
選択肢4。わからん。
選択肢5。わからん。

で、正答は3とのこと。

加熱脱着装置は、固体とか液体の試料を加熱して、ガス成分を揮発させるものだそう。それを導入して分析する。なんでそういうもんを「脱着」というのかわからんけれど。

4が何のことかさっぱりわからんけれど、検索するとそれらしい話があった
2は、保持比なら同じでいいのか。


問6 (90)Sr は放射性物質であり、その半減期は29 年である。現在の(90)Sr の放射線量が1/10 量になるまでの期間を年で表したとき、次の中から、最も近いものを選べ。ただし、log 2=0.30 とする。


半減すなわち1/2倍なので、n回繰り返せば1/10になる。
試験会場にはルート付きの四則電卓しか持ち込めないので、関数電卓でピっとはいかない。

要は2^n = 10を解けばいいのよね。
n = log2(10)
n = log(10) / log(2) *底の変換公式 
n = 1 / 0.30 = 3.33...

半減期の3.33...倍で1/10になるので、半減期29年を掛けると、96.666年。
答えは選択肢3の97年。正解ともあってた。


問7 ICP発光分光分析における物理干渉に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ICPって、プラズマ炎で対象元素を励起させて、それが基底状態に戻るときに起こす発光を計る装置ね。
分析装置はまとめて何がどういうものか覚えておかないと……

選択肢1。これが正しくないわけがないので正しい。
選択肢2。検量線に干渉の状態ごと再現してしまえ、ということになるから正しそう。
選択肢3。試料そのものに標準物質を加えて検量線も作ってしまえ、ということなので、正しそう。
選択肢4。わからん。蠕動ポンプというものらしいんだけど。
選択肢5。分解能高かったら紛らわしい波長でもちゃんと分けられるので、これは正しい。

答え見たら5だという。わけがわからない。

ペリスタルティックポンプで物理干渉を軽減できる、というのも何のことかわからんので、検索してると、堀場製作所のサイトでICPの干渉についての文書があった
これによると、私は物理干渉というのを、物理現象として起こる干渉全般を指すものと思っていて、「目的元素と似たような波長で発光する共存元素が妨害する」というのも、物理干渉だと思っていたのだけど、これは分光干渉というらしい。

物理干渉は、試料導入時に起こる。
例えば試料の粘度が高くなると、ネブライザーでの霧化がうまくいかなくなって試料がうまく導入できなくなる。
そこでネブライザーで圧送してやれば、多少粘度があっても霧化不良を抑えることができる。
そういう場合が選択肢4のようになるそうだ。

選択肢5は、物理干渉なのに分光干渉の話をしているから、間違い。


問8 「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」で規定されていない器具、又は装置はどれか、次の中から一つ選べ。


この手の記憶問題はどうしようかな。
正解は2というけれど。

選択肢1~3が捕集器具。
1が吸収瓶、3が採取用カートリッジと、どちらも捕集液に吸収させて集めるもの。
2の捕集バッグはそのまま集める。
ここに違う点があるか。


問9 原子吸光分析における原子化の方式と調節すべき装置操作条件の例との組合せとして、次の中から正しいものを一つ選べ。


1は、アセチレンガスとかで炎を上げてるものだから、発熱体は関係ない。
2は、電気加熱方式にバーナーはない。
3は、あんまり冷蒸気方式よくしらないのだけど、冷蒸気といって助燃ガスも変なような。化学的にイオン化させるやつよね。
4は、イオン化はフレーム中で一瞬にして行われるだろうから、その時間気にしなくてもいいような。
5は、別にシースガス流したりしないと思うんだけど……

あれ?と思うと、5が正しいそう。
ものによっては、試料の酸化防止とかでアルゴンなどのシースガスを流すものがある、とJIS K0121に書いてあった。


問10 排ガスの分析法に関する日本工業規格(JIS)において、吸光光度法が適用されていないものを以下の中から一つ選べ。


吸光しなさそうなもんに吸光光度法もないだろー、と思っても、発色剤と反応させて吸光光度法、なんての死ぬほどあるしなあ。
どうにか見抜く方法があるのかな。リストアップして眺めてりゃ見えるだろうか。

まあ、答えは3とのこと。


問11 「JIS K 0151 赤外線ガス分析計」について、次の構成要素と部材の例との組合せの中から、正しいものを一つ選べ。


赤外線ガス分析計って、一酸化炭素とか二酸化炭素が測定対象のはずだけど、水質の公害防止管理者じゃ聞かれるようなもんじゃないからなあ。
仕組みまで聞いたことないし、ちょっと想像もつかない。

途方に暮れて答えを見ると、1が正しいそう。


JIS K0151を確認した。

まず光源がある。
光源は、ニクロム線や炭化ケイ素など、抵抗体に電流を流して加熱したものとする、と明記されていた。

次に回転セクタというのを通る。プロペラみたいなもんが光を一定間隔で遮断して、変調させるものらしい。

それが光学フィルタを通る。いらない波長の赤外線をカットする。
これは特に何を使えという指示はなかった。ベリリウム板、なんて書いてない。

そして光束が試料セルに入る。
セルの両端にはもちろん、「両端の窓から試料光束が通過する構造のものとする」と記載はあるが、窓を何にしろとは書いていない
プラモデルの成分ってポリスチレンだけど、あれで窓作っても、透明度も耐久性も全然ダメな気がする。赤外線ならガラスでいいと思うけどな。

試料セルとは別に光束を作って、比較セルを通すものもある。
これにはアルゴンまたは窒素を封入するとのこと。
純水だと大気中からどんどん二酸化炭素を吸収するから、具合悪そうね。

通り抜けた光束が検出器に入る。
検出器の信号が増幅器で増幅され、指示針なりに出力される。
検出器については、選択的なものとして、特定成分(または代用の)ガスを封入したコンデンサマイクロホンまたは熱式流量計。あるいは光学フィルタで波長を選択した上で、非選択的な検出器、サーミスタボロメータ、焦電系などの熱検出素子、硫化鉛・セレン化鉛などの半導体検出器を使う。
チャンネルトロンは、電子やイオンや中性子なんかを検出するものだそうで、全然関係ない。


問12 「JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析方法」に関する以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。別にそんなややこしいことせんでも良さそうな気がするけれど……
選択肢2。これはまあ影響しそう。
選択肢3。還元性だといけないなら、酸化性の雰囲気におかんといけないわけかな。
選択肢4。まあ硫酸バリウムの沈殿はできそう。
選択肢5。知らんけど現代の科学力をもってすればSO2以外も測れないか。

正解は1とのこと。
やっぱりイオンクロでそんな余計なことしなくてよかった。


JIS K0103を確認。
分析方法は、イオンクロか沈殿滴定が主。
附属書には、沈殿滴定法(トリン法)、比濁法、中和滴定法、またイオンクロによるSOxと塩化水素同時、SOx・塩化水素・NOx同時滴定法も規定されている。

採取時は過酸化水素水に吸収させることで、酸化して硫酸になった状態にしておくよう。
採ったものは水でメスアップして試料とする。固形物が入っていれば濾過。

イオンクロは、還元性ガスが高濃度に共存しているときは使えない、とは選択肢の通り。
硫酸イオンが酸化性があるからかな。

沈殿滴定法では、アルセナゾIIIを指示薬として酢酸バリウムで滴定。選択肢通り。

自動計測法については、「JIS B 7981に規定する方法による」と丸投げになってるけど、「自動計測法(対象成分: SO2)」とか、二酸化硫黄のみが対象だと明記してあった。


問13 「JIS K 0095 排ガス試料採取方法」に規定されている、排ガス試料の連続分析のための前処理部の除湿に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。変なことは書いてなさそう。
選択肢2。あるでしょう。
選択肢3。ちょっとわからない。
選択肢4。露点を保って冷却する、ってそんなことできるのだろうか。
選択肢5。これはまあ正しいんじゃないか。

3が正解とのこと。
アタリマエのことだけど、JISに除湿機の理屈まで書いてるわけじゃないからなあ。

半透膜気相除湿方式、となると、試料ガスと乾燥ガスを、水は通過する半透膜を隔ててる状態にして、乾燥ガスは当然水分が少ないから、試料ガス側から浸透圧みたいなもんが働いて水が移動する、といったもんか。
そうすると、乾燥ガス側が冷却されてると、含むことができる水蒸気の量が減ってしまうから、浸透圧が小さくなってしまう。むしろ加温するほうがいいのか。

電子冷却式って、ペルチェクーラーで冷却除湿をするものっぽい。
露点を一定に保つって、「露点を変えずに冷却する」なんてウルトラかつ除湿ができなくなるようなことじゃなくて、温度をコントロールして露点をふらふらさせないってことか。


問14 「JIS K 0085 排ガス中の臭素分析方法」のうち、滴定を用いる定量法に関する次の記述について、(ア)~(ウ)に入る語の組合せの中から、正しいものを一つ選べ。

排ガス中の臭素化合物を(ア)溶液に吸収し、(イ)溶液で(ウ)として滴定する。

さっぱりわからん。
3が正解か。

臭素化合物は、「臭素・臭化水素などのガス状無機臭素化合物中の全臭素を分析する」そう。JIS K0085がそのための規格。

方法は、「チオ硫酸滴定法」と、「チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法」がある。
この問題は、チオ硫酸滴定法の話のよう。

臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
次亜塩素酸ナトリウム溶液で酸化し、臭素酸イオンBrO3(-)にする。
余剰の次亜塩素酸ナトリウムをギ酸ナトリウムで還元する。
そして臭素酸イオンをチオ硫酸塩で滴定する。

チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法は以下。
臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
これを酸性にし、過マンガン酸カリウムで酸化し、四塩化炭素で抽出する。
四塩化炭素層に水と硫酸鉄(Ⅲ)アンモニウム溶液・チオシアン酸水銀(Ⅱ)溶液を加える。
臭素が含まれれば水層が発色するので、吸光を計る。


問15 「JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則」に規定されている装置校正用ガスに関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


さっぱり。
選択肢1はまあ正しそうとして。
選択肢2は、真空捕集瓶に試料入れて希釈ガス入れて、みたいな作業かな。
選択肢3。まあ調整弁つきのY字管みたいなんで混合して調製、みたいなことか。
選択肢4。ちょっとぐぐった
パーミエーションチューブって、恒温で保持するとチューブ内の液化ガスが一定のペースで浸透拡散するので、そこに希釈ガスを一定流量で送ってやると、一定濃度のガスを含んだ試料が取れる、というものだそう。まさに校正用のガス調整装置みたい。
ディフュージョンチューブ、というのも、ガスが揮発拡散することで同じことを実現するものだそう。

じゃあこの選択肢が正しいのかというと、ステンレス管じゃなくてフッ素樹脂管。
まあ、確かにステンレスだと微妙に影響与えたりしそうな気はする。

選択肢5。よくわからんけど正しいのね。


問16 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている、よう素滴定法による溶存酸素の分析において、必要のない試薬を以下の中から一つ選べ。


ヨウ素滴定はやったことがあるのだけど、ヨウ素滴定を含む複数の実験で亜硫酸ナトリウムを使った記憶がないような……
というズルはさておき。

よう素滴定法、ウィンクラー法とかウィンクラー・アジ化ナトリウム変法とかの別名もある。

ウィンクラー瓶という独特の瓶を使う。
そこに試料水をいっぱいに入れ、硫酸マンガン(Ⅱ)とアルカリ性ヨウ化カリウム-アジ化ナトリウム溶液を加えると沈殿ができる。
よく振ってから静置して沈殿を底に沈め、硫酸を加えて振ってやると沈殿が溶ける。
これに指示薬としてデンプンを入れてやると青くなる。
チオ硫酸ナトリウムで滴定していって、青が消えたら終点。

しかし、このへんもちゃんと思い出さないと答えられないな。うーん。一度は覚えたはずなのだが……


問17 「JIS R 3505 ガラス製体積計」に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


1。時間なんか決まってなかったと思うんだけど、単に私がその水準で操作したことないだけかしら。
2。ピペットならわかるけど、ビュレットは都度乾かして使うもんじゃない。
3。温度意味あるのかな。
4。±0.05 mLとか、数字で示してある。
5。そんなことないと思うけれど。

正解見たら1だって。
私の取り扱い能力云々じゃなくて、ピペットを排水したらこれくらいの時間をかけて出るように、というのが規格で決まってるという話だった。あんまり豪快にじゃーっと出たり、ぽたぽたとしか出ないようなのはNGになる。
ホールピペット・メスピペットには決められてるけど、ビュレットには決められてなかった。ちょっと意外。

目盛りは、20℃の水を測定した時の体積で打ってあるそう。
水の体積に拠るんだねえ。

材質は、ほうけい酸ガラスでなければならない。線膨張係数が55×10^7/℃以下であること。


問18 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されているイオンクロマトグラフ法による工場排水中の硫酸イオンの分析において、以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は標準添加法のこといってるんだろうから、誤ってはいないだろう。
2は、サプレッサーについて、島津製作所が情報を出してくれていた
溶離液を電気伝導度の低い組成に変換して、ベースラインを下げてピークを高める仕掛け。
そうするとより微量でも検出できるようになって、定量範囲が広がる。
3は、特に変なことなし。
4はちょっとよくわからんけれど、イオン交換体を使う以上、高濃度の陰イオンなんか入ってたら不味い感じはする。
5もわからんかった。

JISを確認すると。
5については、硫化物イオンをろ別するためには酢酸鉛じゃなくて酢酸亜鉛溶液を使って沈殿させるとのこと。
4についても、特によう素がというより、何かの陰イオン濃度だけが飛び抜けて高いような場合は、不完全分離による交差感度妨害というのを起こすそう。


問19 「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は正しい。
2はちょっと知らない。
3は、むしろ燃焼するようなものが混在したまま高熱のジルコニア素子に触れると、酸素が消費されてしまって測定値が代わる。炭化水素入りなんてNGのはず。
4は、酸素計は素子が物理的に動くのを検出したりするので、振動があると使えないはず。
5も正しい。

3が明らかに間違ってるので。


問20 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている工場排水中のほう素の分析法について、次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ホウ素は公害防止管理者の水質四種でも出る範囲なのだけど……

1は、ホウ珪酸ガラスのものを使うなって話だろうから正しい。
2と5、吸光光度法なんか物質ごとに違う発色剤使って規定されてて、どうやって覚えりゃいいもんかなあ。
3はわからん。
4はそんな話は聞いたことある気がするけど、なぜそうなのかわからない。


ホウ素は、メチレンブルー吸光光度法、アゾメチンH吸光光度法、ICP発光分析法とICP-質量分析法でやる、とのこと。

メチレンブルー吸光光度法は、ホウ素化合物入り試料に硫酸とフッ化水素酸を加え、テトラフルオロホウ酸イオンにする。それにメチレンブルーを加えるとイオン会合体ができるので、1,2-ジクロロエタンに抽出して吸光を計る。
多量の硝酸イオンが妨害する。クロム酸イオンも妨害するが、過酸化水素で酸化処理する。フッ化物イオンや多量の有機物も、事前処理で除去する。

アゾメチンH吸光光度法は、ホウ酸がpH6で、アゾメチンHと反応してできる黄色の錯体を吸光光度法で計る。
汚濁の少ない試料に適用する、と条件がついている。
鉄、マンガン、アルミニウム、銅、クロム、ベリリウム、チタン、バナジウム、ジルコニウムが正の誤差を与えるとのこと。アルカリ金属やアルカリ土類金属、亜鉛、りん酸・硝酸・硫酸イオンは妨害しない。

ICP発光分析は装置に突っ込んで249.773nmで発光を計る。
イットリウムで内標準法を使ってよい。
ホウ素のメモリー効果が大きいことも記載あり。

ICP-MSでも、イットリウムかインジウムで内標準法を使える。

そういうことで、内標準法にビスマスを用いる、という選択肢3が間違い。


問21 液体クロマトグラフィーで使う略号と対応する用語の次の組合せの中から、誤っているものを一つ選べ。


全部はわからんけど、RPLCだとReverse Phase Liquid-Chromatographyだろうから、逆相液体クロマトグラフィー。選択肢2が違う。

LC/MSはそのまま。
ODSはカラムの固定相につかうやつ。
RIDが示唆屈折率計なのはいいとして、Refractive Index Detectorだそう。
Height Equivalent to one Theoretical Plateの頭文字で理論段相当高さだとのこと。


問22 試料中における多成分の農薬類を同時に測定する方法として、「JIS K 0128用水・排水中の農薬試験方法」に規定されていないものを、次の中から一つ選べ。


公害防止管理者のレベルだったら、そもそも多成分同時測定ができないようなものがいくつも混じってたりしてくれそうなんだけどな。

農薬なら大体有機物が多かろうから、FID(水素炎イオン化検出器)でも行ける気はするけど、ちょっと用途が違う気もする。炭化水素類の検出用か。
熱イオン化検出器は、NPDともいわれて窒素・りんを検出するやつだから、使えるはず。
炎光光度検出器(FPD)も、りんに有効だそう。
GC-MSなんか大体なんでもできそう。
確かHPLCは農薬には使うんだったはず。

なので、2のGC-FIDがダメ。


問23 質量分析計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


質量分析計の装置の大まかな理屈だけは知ってるつもりだけど、しかしソレを実現するための装置の仕組みがもうひとつよくわかってなくて。

磁場偏向式分析器はわりと理屈がわかりやすいと思う。飛ばしたフラグメントイオンを磁場に通したら、イオンの価数と質量数によって軌道の変わり方が違うから区別ができる、みたいな。

しかし四重極型はポピュラーらしいんだけど、理屈聞いてももひとつわからない。
なんか長い棒の電極を4つ、◇に置いてその中央にイオンを飛ばして通す。電極の電圧やらによって、特定の電荷の質量数のイオンだけを選択的に通過させて、他のものを外に弾き出すようなことができる、と。電磁気学とか知ってたら意味わかるんだろうか。

他に飛行時間式というのもあって、イオンを同じエネルギーを与えて飛ばしてやると、やはりイオンの価数と質量数によって飛行速度が代わって、発射してから検出器に当たるまでの飛行時間を元に分析する。これもわかりやすいな。
で、そういう飛行時間式のやつで、何もなくまっすぐ飛ばすのがリニア型。電場をかけて飛んだイオンがUターンして戻ってくるようにするのがリフレクトロンというものだそう。

1はそういうわけで、四重極型じゃなくて飛行時間式にリニア型とリフレクトロン型がある。
2は、質量数とイオンの価数で分離するので、質量数だけではない。
3は、三次元四重極型、よく知らんけど、四重極を環状にしたものらしい。環状だからサイクルかもしれんけれども、サイクロトロンって加速器だし、別に四重極で加速するわけじゃないような。
4は、四重極型はそうするんじゃないか。
5は、普通ガスクロの後に質量分析計を繋ぐだろうし、その順番なら質量分析計の方式がなんだろうと繋ぐことはできると思うけれど。

そういうことで、選択肢4が正しい。

問24 用水・排水中のテトラクロロメタンの試験方法として、次の試料濃縮法と検出器の組合せの中から「JIS K 0125 用水・排水中の揮発性有機化合物試験方法」に規定されていないものを一つ選べ。


ヘッドスペースかつFIDだと、CCl4にはあんまり感度上がらないかなー、と思ったので5を選んだけど、それでいいみたい。

ヘッドスペース法は、液体試料を入れた容器の上部空間に揮発してきた成分をガスクロに入れる方法。
パージアンドトラップ法は、液体試料にパージガスを流して強制的に成分を揮発させ、一旦吸着剤にトラップしてから、それを加熱脱離してガスクロに入れる。
もちろん、感度が高いのはパージアンドトラップ法の方だろう。

水には溶けにくいCCl4だから、溶媒抽出はできそう。

電子捕獲検出器(ECD)はハロゲン化物に有効なものだから、CCl4には使いやすそう。
溶媒抽出はもちろん(選択肢4)、ECDでCCl4ならかなり高精度に測れそうなので、ヘッドスペースでもなんとかなるんじゃないか。(選択肢2)

質量分析計はまあ大体なんでもできそうなので(実に雑な考え)、パージアンドトラップ法でGC-MSならいけるでしょう。(選択肢1)

水素炎イオン化検出器(FID)は、炭化水素の検出、特にC-Hの結合に対して感度があると調べたことがある。一度パラベンとか酢酸エチルとかの有機溶剤を計ったことがあって。
なので、CCl4だと水素も含まないし、あまり高感度に計ることはできないように思った。
多少悪くても検量線引ければいいだろうけど、残ってる選択肢がFIDにヘッドスペースかパージアンドトラップかといわれれば、より感度が悪かろうヘッドスペースの方がNGと思う。


問25 「JIS B 7954 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


いくつも誤ってるように見える。どうしよう。

β線吸収方式は、ろ紙に捕集してβ線を当てて、どれくらい透過するかをもって浮遊粒子状物質の質量を計る。
水質の公害防止管理者で勉強した液体の自動計測器なら、どれも連続処理になるようにしてるものばっかりだけど、浮遊粒子状物質の場合はろ紙使うってことはバッチ処理っぽいな。
選択肢1は正しいみたい。

光散乱方式って、光が粒子に当たって遮られるのを検出器で拾うようなやつで、ごく細い光ビームを使えば遮られた回数をもって粒子数を数えられそうだなー、とは思ったのだけど。
でも、なんかもっと高精度なものらしくて、粒子系も測れるものみたい。浮遊粒子状物質は10μm以下の粒子だけが対象だけど、計ってしまってから10μmより大きいものをカウントから除外する、という形でいけるみたい。
よって選択肢2は正しかった。間違ってるかと思ったんだけど。

圧電天秤方式は、確か水晶発振子みたいな電流流したら振動する素子を使って、粒子状物質が吸着されて重くなると振動数が減るのを検出する、といった話だったはず。
あんまり山盛りに振動板に積もってたら、いわばベースラインが高い状態になるだろうから、パージする必要はあるだろう。選択肢5もよし。

粒子状物質は負電荷帯びてるだろうから、そのままじゃ素子につかないと思うので、選択肢4は正しそう……と思いきや、答えを見るとこれが間違いらしい。
そうじゃなくて、コロナ放電で荷電させることで、水晶発振子にくっつける、とのこと。

フィルタ振動方式も、ろ過フィルタを振動させておいて、そこに試料ガスを通過させて浮遊粒子状物質をフィルタに捕集し、それによって質量が増えて振動数が減るのを検知するというものだそう。
選択肢3も書いてるまま。



公害防止管理者を取った時にある程度の勉強はしたから、計量法なら多少の知識はあるつもりだったんだけど、うーむ。知識不足でずばり答えを見つけられないことがほとんど。特に大気関係のは圧倒的に足りない。
何で何をどう計る、計る方法の原理はどうだ、どういう装置だ、というのは整理しておかなきゃいけないな。