2014年5月6日火曜日

関西国際空港 (C-2100 UltraZoom)

 天気も良かったし、ちょうど高倍率ズームレンズのついたカメラもあるので、関西空港に飛行機を撮りにいってみた。


 オリンパスはフィルム一眼レフ時代にオートフォーカス化に失敗し、その代わりにLシリーズという、レンズ一体型のオートフォーカス一眼レフカメラを作っていた。
 レンズが左寄りで、上から見るとL字型をしていたからLシリーズなんだろうと思われる。

 カメラ界では傍流っぽかったけれど、実用性が高くて撮りやすいちゃんとした製品。
 2003年ごろに海外に仕事で行くことになったときも、電源の不安なデジカメじゃなくて、オリンパスL-10を持っていったことがある。

 オリンパスはデジカメでもかつて、レンズ固定式一眼レフ(またはそれらしいスタイル)のものを出していた。
 C-2100Ultra Zoomはそんな中のひとつ。一眼レフではないので厳密には違うけれど、まあ形はL型なので仲間仲間。





入線してくる特急ラピート。
現在、ネオジオンカラーの赤いラピートも走っているのだけど、子供からカメラおじさんまで大勢集まっている状態。6月までやってるから、撮影はもうしばらく待ち。

乗り込んで関空へ。


関空は何度も来ているんだけど、最近あんまり。展望ホールのスカイビューにももう何年も行っていない。
飛行機を撮るならやっぱりスカイビューがいい位置なので、連絡バスに乗り込む。


スカイビューにはいくつも施設がある。
エントランスホール2階の環境センターは大したものじゃないけれど、他はなかなか楽しい。
3階はコンコルドをイメージした内装のレストラン。
4階は他所ではなかなか探しづらそうなアイテムのたくさん並んだ物販フロア。

そして最上階は展望デッキ。
風向き次第では、着陸する飛行機がデッキの真上を飛ぶこともあるという好立地になっている。

さすが380mm相当のレンズで、遠景では空気のゆらぎが写りに影響する。
あいにく離陸は向こう向き。車輪が浮くところではこの程度が精一杯。
やはり200万画素機でデジタルズームは厳しいか。
なんとなく首を曲げてこっち向いてるように見える……
対岸のゲートタワービルとスカイゲートブリッジR。

しばし飛行機を楽しんでいると、ふと離着陸が途切れた。休憩時間か何かあるのかな。


スカイビューは二棟でできていて、4階の渡り廊下からエントランスホールとメインホールを行き来できる。
メインホール側に渡って3階に降りると、スカイミュージアムという博物館がある。


空港島造成の技術的な展示や、飛行機そのものについての展示などがあるが、目を引くのはこの巨大な関空ジオラマ。
飛行機の台数がすごくて、これはかなり力入れてるなあ。

フライトシム。
ボーイング787(だったと思う)のタイヤ。ブリジストン製。


スカイビューを堪能して、バスでターミナルビルに戻る。
そして再びバスに乗り込んで、二期島のほうへ。

二期島へは、一度友人を迎えに来たことはあるのだけど、二期棟のターミナルビルはなんか、安普請の四角い箱に申し訳程度のテナントが入ってる程度で、別に面白くない。

なので、ターミナルビルの外にふらふら散策に出てみた。


あんまり近くでは見ない作業車両が、わりと近くに止まっていた。


二期島ターミナルビルを出て、左手にずっと歩いて行くと、島の端にちょっとした展望台がある。
その展望台からターミナルビル側を一枚。

この写真左手側には、広々と原野が広がっていた。何作るのかな。


展望台とは反対側に歩いて行くと、そらぱーくという公園緑地があった。

あまり人は来ないようで、花壇があるらしいんだけど鬱蒼としてしまっていて、また通路は芝生なんだと思うけど(雑草かもだけど)これも繁茂して花壇との境目がわからない。


植物には詳しくないけど、海外から持ち込まれたここにいてはいけない外来種とかも混じってたりして。
あいにくC-2100UZはマクロには強くない(というかテレマクロがあまり効かない)ので、植物への肉薄は省略。何撮ったらいいかもよくわからんし。



そらぱーくをどんどんターミナルビルから遠ざかる方へ歩いて行くと、一期島の方へと続いているらしい歩道を発見。歩いて戻れるんだ。


ピーチの篠田麻里子ジェットを発見。

歩道はあるものの、道沿いにあるのは警察やらエネルギー関係の施設やらで、特に観光するようなものはなし。本当に暇人の散歩向け。珍しいところは歩けるが、結構回り道で距離は長い。

ようやくターミナルビルに戻って、本土へ帰還。



今日のC-2100Ultra Zoomは、38-380mm F2.8-3.5という明るい十倍ズーム、しかも手ブレ補正付きのレンズを奢った品。
当時の傑作と名高かったC-2020Zのボディに、この十倍ズームレンズを合わせたような感じのもの。
このスペックをフィルムでやると、もっと巨大なものすごい代物になってただろうから、当時は飛行機とか鳥とか狙うならずいぶん楽なチョイスだったと思う。

オリンパスは後に、もう少し小型で、もっと廉価な高倍率ズーム機・C-700Ultra Zoomシリーズで人気を得るんだけど、あのシリーズは手ぶれ補正がない。
400mm級の大望遠に手ぶれ補正は必要だろうという説と、どうせ子供の運動会とか飛行機みたいな晴れた真っ昼間に使うんだから手ぶれ補正なんていらないだろう、という説と、どっちが正しかったか。

さすがにでっかいカメラで、今のミラーレス一眼より大きいくらいだけど、まあ大望遠を使うならこれくらい大きくてしっかり握れる方がいい。
手ぶれ補正も合わせて、撮ってて安心感はすごく高かった。


最短撮影距離があまり短くないのが惜しいところかな。
ワイド端10cm、テレになるとマクロモードでもせいぜい足元に合焦できる程度。

ちゃんと絞りがあって、F8までとはいえ絞り優先オートやマニュアル、シャッター優先オートが使える。
ただ、シャッター速度は1/800秒までと、少し遅い。380mmもある長さだと、もうちょっと早く切りたい気がしなくもない。実際に問題はなかったけど。


一眼レフではないので、光学ファインダーではなくEVFがついている。
画素数は11万画素あって、同時期のフジフイルムFinePix 2800Zよりは高詳細。
しかし時代が時代だから、素晴らしいってほどではない。ピント確認とかそういうレベルでもないし、色再現がいいとかでもない。一応使えるか、っていう程度。
手ぶれ補正は常時効いているので、ファインダーにも効く。

手ぶれ補正は、常時ONか常時OFFの切り替えのみ。
撮影時のみ有効、という設定はない。電池持ちに悪影響はあるかも。
もっとも、撮影時のみ有効で大望遠を使うと、手ぶれ補正の効果でフレーミングがむちゃくちゃになったりするので、設定としては正しい気もする。


CCDは1/2型200万画素。
発売は2000年で、300万画素の出始めの時期。
また、発売当時は値段が高くて売れず、価格がこなれてきたのが2002年あたりだったそう。そうなるともう200万画素だと過去のもの。

C-2100UZの場合は、200万画素としては素晴らしい画質、というほどでもなさそう。
まあスペック大欲張りのレンズだからある程度しかたないけど、ちょっとパープルフリンジが目立ったりする。
決して悪くはないから、値落ちして4万円で買ったなら十分満足すると思うけれど、15万円だとどうかな。

今回はよく晴れた真っ昼間という好条件だけど、暗所や曇天だとあんまり良くないという話も。
スカイミュージアム内では、まあホワイトバランスがやや黄色かったくらいで、それほど酷いとは思わなかったけれど……
手ぶれ補正ありでテレ端でもF3.5、ISO400固定もでき、ストロボも高性能となると、仕様上は暗所にも(当時レベルでは)相当強い機種のはずだから、あんまりとっちらかった画質にはなってほしくないところ。


操作性は上々。この頃のオリンパスの大型機はよくできたインターフェース。ボタン類もしっかりしていて、お金かかったモデルなのがわかる。

ただひとつ納得いかないのは、メニューでの設定変更をOKで確定しないといけない仕様。
例えば、常時AFをメニュー上で有効にすると、すぐ音を立てて合焦動作をし始める。だから、もう設定は有効になっているだろうと思う。
しかしメニューボタンを押して撮影に戻ろうとすると、わざわざ設定を元の値に戻してしまう。
私が触ったことのあるほとんどのデジカメは、メニューボタンでメニューを閉じてもいちいち設定を戻したりすることはない。

また、電源スイッチをONからさらに行き過ぎるところまで動かすことで、すべての設定をクリアできる。
誤ってクリアしてしまうほど浅いストロークではないので誤作動の心配はないけれど、画質設定でも何でもかんでもクリアしちゃうのは少しやり過ぎ。露出補正とか測光モードとか、そういうのだけクリアならわかるんだけど……

電源ON時は必ずEVFが有効で、背面液晶は点かない。
自分で切り替えない限り、メニューを出してもEVFの中に出る。


おおむねすごくよく出来たカメラだけど、これでスマートメディアでさえなければなあ。
デフォルトのHQモードで、今回は一枚350~500KB。
SHQにすると1MBちょっと。
64MBや128MBでは物足りないな。