2015年6月15日月曜日

Pixivで小説をよく書かれる艦娘は

 前の「PixivでR-18イラストの比率が高い艦娘は」記事の終わりの方で、「同人誌とか小説だと多分結果違うよ」と水を向けたのだけど、多分誰もやってないと思うので私がやりました。

 検索条件は前回と大体同じで、前回は「総合」に対して検索を行ったところ、今回は「小説」に対して行った。
 実施日時は、6月13日午前9時頃。



 総合検索では、全体のR-18比率は7.9%だったが、小説では8.8%
 絵描きより字書きの方が少しエロいようだ。


 前回は艦種別に切って、「イラスト総数に対するR-18イラストの比率」を見ていったのだけど、小説の場合、「そもそも書かれた総数が少なくて値が極端になる」という艦娘が少なくない。全部で5作しかなくて1作R-18だから比率は20%、とか。
 なので、切り方は変えてみる。

小説作品数


 まず、小説の作品数でソートして上位20人をピックアップ。

 イラストは当然外見を描くもので、小説は当然内面を描くものだから、傾向に差は出るのは当然。
 とはいえ、やはり目立って存在感がある艦娘でなければ書かれにくいという現実もある。
 小説作品数上位に並ぶのは、人気があり、かつ小説を書こうと思わせる内面を想像させる艦娘ということになるだろう。

特に、加賀の小説人気は頭ひとつ抜けている。
 イラスト総数でも3位につける人気キャラではありつつ、さらに小説が書かれやすい傾向があるようだ。
 一方で、イラスト総数2位の金剛は、小説がやや書かれにくく、イラスト数6位の赤城の後塵を排した。

 思うに、加賀や赤城は、人格の解釈にかなり幅があるように思う。
 加賀は無口なキャラとゲームで描かれるだけに、怜悧な武人タイプにも捉えられるし、ツンデレとか素直クールな提督Love勢にもなるし、一方で赤城にくっついて回る百合キャラにもなれば、赤城と一緒になって大飯食らってたりもするし、五航戦とのからみもある。
 赤城は大食いキャラばかり突っ走っているけれど、ゲーム中で示される人格は徹底的に訓練された戦闘マシーンみたいだし、その分新しいことがわからない無知キャラっぽいところもあり、アニメのように代表的大型艦として駆逐艦らの前を行く存在にもなれる。
 加えて、どちらも史実ネタが引き出しやすい。
 だから、小説に使うキャラクターとして融通がきく。その辺が強いのではないだろうか。


小説作品数 下位


 下位については、「単に実装間もないから書かれていない」というキャラがほとんどを占めるので、省略してもいいかなー、と思ったのだけど。

 ローマと朝雲については、6月13日時点で、まだR-18小説が一本も書かれていない。
 ローマ・朝雲にひと目でやられている提督諸氏については、急いで書けば前人未到の処女地に足を踏み入れられる。迷わず書けよ、書けばわかるさ。


 実装直後からすごい勢いでエロ絵が描かれ、あっという間にあの愛宕・高雄に次ぐR-18絵率に上り詰めた香取が、小説ではまるで書かれてもいない。どうしたことだろうか……。
 呂500もまた、書かれていない。
 つまり見た目だけですか。体だけが目当てですか。


 逆に、葛城は早々と小説数が伸びている。
 私はなにしろ、奈良の葛城地方に引っ越してきたばかりという縁もあるから注目している艦娘ではあるんだけど、どうしたんだろう。
 史実ネタで、竣工当時にただひとり生き残っていた瑞鶴とのカップリングねた(いわゆるズイカツ)と、復員船として活躍した話など、掘りどころはありそうな艦娘ではある。


 古くから居るのに小説が書かれない艦娘としては、霰、鬼怒、子日。
 まー、難しいのはわかるような顔ぶれではある。 

 ちなみに、名取はイラストが非常に少なかったのだけど、小説だとなかなか健闘している。
 外観より内面を好かれる艦娘なのだろう。


R-18小説作品数


 R-18小説の数だけでソート。比率ではないので、古くから実装されている艦が上に来やすい。
 なお、下位については、ほとんど書かれてない艦娘がずらっと並ぶだけなので省略。0作1作2作3作……という艦娘がそれぞれ何人もいるので。

 これだけ見ると、まあイラストをよく描かれていると小説もよく書かれる、というだけに見える。
 しかし実は、R-18イラストはよく描かれるのに、R-18小説は書かれない艦娘も少なくない。

 この点については後に詳しく触れるので、駆逐艦だけここで見ていこう。
 駆逐艦では、不知火と夕立は、R-18イラストの数では上位20位には入れない。不人気ではないが、不知火は40位、夕立は29位。それが上がってきた。
 R-18イラスト数順で上位の駆逐艦で、小説が少ないのは、雷の7 → 39位、潮の9 → 106位、電の 10 → 37位、浜風の16 → 57位、天津風の18 → 89位。
 胸の大きさとか、「がんばれがんばれ」みたいな一時の流行では揺らがない、字書きの業がかいま見える。

 近頃は男性のM化傾向があるというけれど、いわゆるドMホイホイなどといわれそうな艦娘は上位に上がってきていない。不知火が唯一といってよさそう。
 龍田とか香取とかそれっぽい年長組を差し置いて、不知火か。字書きは業が深い。

 小説作品数だと20位圏外だった二航戦も、R-18に限ると上がってきてしまい、古株正規空母が揃い踏み。
 イラストに比べて、小説だと空母組が強い感がある。
 でも軽空母は、鳳翔を除いてほとんど書かれない。鳳翔だけはよく書かれる。


小説作品におけるR-18比率


 さて、これが前回記事と同じ判断基準。
 艦娘ごとに、R-18小説の数を、小説の数で割って比率を出す。

 単純に比率を取ると、作品総数が少なすぎる艦が紛れ込んで順位が乱れてしまう。
 さすがに山雲、高波、リットリオはデータとしてちょっと怪しいか。

 朝霜については、もしかしてひとりが10作書いたなんてことはあるまいな、と思ったけど、そういうわけではなかった。
 何しろうちにいないのでわからないのだけど、そんなにエロ小説書きたくなるような駆逐艦なのだろうか……?

 で、次点が愛宕。ちょっと下に高雄もちゃんといる。
 このふたりのエロ担当艦っぷりは、もはや絵か小説かといった表現手法の枠を超えているようだ。

 明石は、イラストの数の割に小説がよく書かれている艦で、さらにいえばR-18絵の数の割にR-18小説がよく書かれている艦娘でもある。
 なんですかね。色々機械とか工具とか駆使しますかね。


作品総数100以下を除外


 作品数がある程度揃ってきた艦娘に絞ってみた。

 イラストで強かった愛宕・高雄が上に並んだのは同じだけど、大差で引き離していたイラストと違って、3位以下との差は小さい。

 R-18イラストは多くなかったが、小説では多いのが、野分、村雨、足柄、那智、熊野、赤城、夕張。

 野分は何事か、と思わせるが、「まいのわ」タグがついているものがほとんど。つまり舞風との百合ものばかり書かれている。
 野分のR-18作品数が19で、舞風のR-18作品数が21だから、ヘタすればまいのわ以外がないに等しいかも。

 R-18イラストでは鈴谷が熊野よりずっと多かったが、小説になると絶対数の差は縮まり、比率では熊野のほうが高くなる。
 熊野R-18小説76件中、48件まで「鈴熊」タグがついているとはいえ、熊野には鈴谷よりもなにか、絵描きより字書きをくすぐるものがあるらしい。

 イラストでは案外エロ担当とはいえなかった足柄が、小説ではしっかり担当している。
 那智も小説では妙に上がってきている。近頃流行りの「くっ殺」のターゲットであろうか。
 ちなみに「那智柄」が16件あるので、半分ほどはこのふたりのカップリング。

R-18小説比率が低い艦娘


 先述の通りで、朝雲とローマはゼロ。

 最もR-18イラストの割合が低い清純派は初霜だったが、小説では8.7%あるので人並みくらい。
 小説で見ると、清純派は長月や敷波、綾波といったところ。
 敷波はなんか、すごく入れ込んでるファンがいるイメージがあったのだけどな。R-18が一本きりしかないとは。
 長月の方は、R-18は2作あるけど小説総数が多くて比率が下がった。総数では利根とほぼ同等にとは大健闘では。

 名取は、イラストが描かれないけど小説は書かれるが、R-18小説はほとんど書かれない。
 同じ引っ込み思案キャラでも、羽黒はR-18イラストもR-18小説もよく書かれる方なのだから、密かにかなりファンの質に違いがありそうだ。
 さらに、ランク外(27位)だけど潮は、R-18イラストは多いのに小説は全年齢もR-18も少ない。これもまた有り様が違う。


 全般に、イラストでR-18を描かれないなら小説も書かれないのだが、絵では結構描かれているのに小説はさっぱり、というキャラがいる。
 潮はさっき触れたけれど、初春も少ない。
 イラストのR-18率が、初春が12.6%、潮が11.9%。そして小説のR-18率は、初春が3.1%、潮が3.9%。ずいぶん下がるものだ。

 ズイカツとかまいのわのようなカップリングネタがあると、R-18小説で強くなるようだが、初春や潮にはそういう相手がいないように思う。そこで伸びが悪いのだろうか。


イラストの数の割に小説の数が多い艦娘


 絵描きの心よりも、自書きの心をキャッチする艦娘たち。
 ちょっと「小説比率」というのはわかりにくかったが、小説の作品数を、総合作品数で割って比率を出したものだ。
 イラストが描かれず、小説が書かれる艦娘ほど上にくる。


 鳳翔が強い小説人気を持っていることは垣間見えていたけれど、それを飛び越えて由良が強かった。
 なぜそうなったかは、よくわからないのが正直なところだけど……。


 ちなみにイラスト数は、全158人のうち中央の79位にいるのが呂500で、2053枚。つまり2000枚以上あれば、イラストは多い方といえる。
 それを踏まえて見ると、「イラストが少ないけど小説なら比較的書かれる」という、ことさら字書きだけ強くキャッチしているニッチな艦娘と、「イラストも描かれているけど、小説はもっと書かれている」という、小説のほうがより魅力が際立つタイプの艦娘がいることになる。

 前者が由良・加古・名取。まったく通好みな感じ。
 後者が瑞鶴・翔鶴・青葉・熊野・不知火など。これは人気者とは思うけれど、金剛や島風のようなキャッチーな存在とは少しズレたところに思う。


イラストの数の割に小説の数が少ない艦娘


 字書きの心よりも、絵描きの心をキャッチする艦娘たち。
 先の項目の逆。イラストばかり描かれて小説が書かれない艦娘。

 イラスト総数でぶっちぎりのトップである島風が、小説がほんとに書かれない艦娘だと表れてきた。
 とにかくキャッチーな外観で、初期艦これの人気立ち上がりを支えた大功労艦ではあるのだけど、小説ではどうしたことか。
 ストーリーの中での使い方が定まらない? 他のキャラとの絡みが薄い? 速い以外のキャラ付けをどうしたものか見えにくい?

 呂500も、まあ新しい艦だし、小説が少ないというより絵の増え方が速かった感もあるが。
 ビスマルクだけはそれほどでもないが、ドイツ艦の面々は小説が書かれない傾向が強い。
 海外艦は、いかんせん史実ネタを引っ張りにくいとか、ドイツとの文化ギャップを書こうにもドイツ文化があんまりわからんとか、使いにくさはわかる。


R-18イラストの数の割にR-18小説の数が多い艦娘


 R-18小説の数を、R-18総合の数で割った値。
 すなわち、エロ絵は描かれないが、エロ小説は書かれる艦娘。
 つまり、絵で見ると清純派なのに小説で見るとそうでもない、というギャップのある艦娘が現れる。
 ちなみに、R-18総合の総数が44272、R-18小説の総数が4019なので、平均では9.1%ほどになるはず。

 小説の場合、他の艦娘とカップリングされて百合が書かれると、R-18小説が増える。
 野分は舞風とセットで百合が書かれる。
 絵ではおよそエロく扱われない古鷹もまた、加古または青葉とカップリングされることが多いため、小説はそこそこ書かれている。
 熊野には「鈴熊」があり、陽炎も「かげぬい」があり、「赤加賀」もあれば「瑞加賀」もある。
 このランキングに上がってきた艦娘は、そういう定番カップリングがある艦娘が多い。

 初風は、妙高とのカップリングと思わせて、雪風とペアになってることが多いようだ。


 キャラがひとりのエロイラスト、というのはどうとでもなるし、名無しの男を配置しても差し支えないし棒だけ描いてりゃ足りる。
 けれど、キャラがひとりのエロ小説、というのはなかなか特殊性向なものになってしまう。
 相手役の男を置くならただ棒で済ませるわけにもいかず、提督なりなんなりある程度キャラを作らなきゃしかたない。
 そうすると、カップリングできるというのが強くなるのは自然なところ。
 それでは百合になってしまうし、百合はそこまで普遍的でもないので、片方または両方ふたなりにされてるケースも多そうだし実際よく見る。

 ま、イラストだけ見てたら誰の目にも明らかな清純派の天使古鷹も、地獄の釜(小説)の蓋を開いてしまうと、ふたなりになって青葉とやってる姿が続々飛び出してくるわけですよ。全く神も仏もないわ。
 衣笠もしっかりランクインしてきてるあたり、こと小説にあっては第六戦隊はどろどろですよ。神は死んだ。


 初霜や三日月はまあ、母数となるR-18絵の数が少ないから、ちょっと小説書かれると上がっちゃうだけかな。

 熊野や赤城、足柄などの、R-18絵が意外に少ないな、と私が思ってた艦娘は、小説のほうではしっかり多くなってきた。
 まあ、意外に少ない、と思ってたのが私なわけだから、私は目線が絵描きじゃなくて字書き側なのでしょう。
 

R-18イラストの数の割にR-18小説の数が少ない艦娘


 エロ絵は描かれるのに、エロ小説は書かれない艦娘。

 潮、島風、香取、呂500、天津風、初春、プリンツ・オイゲン、伊19、雲龍と、絵では大エロ人気だった艦娘たちの少なからぬ数が、小説ではさっぱり。
 これというのはその、あれじゃないですか、体だけが目当……やめて、それ以上いけない。

 しかし潮や雲龍が主におっぱい目当てというのは割とわかる(好きな人すみません)けれど、香取というのは女教師おしえてあげるシチュエーションあってのものじゃなかろうか。だったら小説でも伸びそうなものだが……。


 おや、と思うのは利根か。
 絵では別にR-18が少なくもなかったのに、小説だとぜんぜんエロ人気がない。
 まあビジュアルはともかく、あのキャラでエロ的にそそるものは到底なかろうし。無知シチュをやりたいなら他にもいるし、筑摩に邪魔されるネタな気がする。
 カップリングがあれば強いといっても、筑摩とだと保護者と子供になっちゃう。
 しかしそれにしても、3作しか書かれてないとは少なかったな。

 伊58もねえ。でち公のエロ小説を、というのは難易度高いと思うわ。


まとめ


 せっかく前回の調査で、私が清純派の艦娘ばかり並べる処女厨提督だったと判明したというのに、今回の調査では第六戦隊がどろどろと発覚。なんということだ。

 ちなみに、那珂ちゃんは意外にR-18絵が少なかったのだけど、R-18小説も同じように少なかった。
 絵ではR-18比率が3.3%だったが、小説では353作のうちR-18が23作の6.5%。飛び抜けて低くはないけれど、十分低い。高い順に並べて98位。
 まあ、カップリング相手がいるでもなく、ネタキャラすぎてエロ方面に膨らむとも思えず、つまりアイドルの処女性は保たれた。枕営業はやってないようだ。

生データ

 今回はデータの両端しか見てないため、全く名前も挙がらない艦娘が多数でてしまった。
 嫁艦が全く触れられなかった方は、生データをチェックだ。