2010年12月27日月曜日

柴島浄水場・水道記念館

水都・大阪がオオサカ・ウェイストランドと化すのを食い止めている極めて重要な施設、柴島浄水場にいってきた。
地下鉄御堂筋線で西中島南方駅まで行き、淀川沿いに東にしばらく歩けば到着する。

柴島浄水場には、1914年から86年までの長きに渡って大阪にきれいな水を供給してきた第一ポンプ場を改装してつくられた、水道記念館という施設がある。
補修はしているものの、大正モダン建築を取り壊さず残してある建物ということで、国の登録有形文化財にもなっている。



  西側からアプローチすると、記念館ではなく浄水場の正門側にくる。
そこから案内看板にしたがって記念館に向かっていくと、併設の淡水魚飼育研究棟に先にたどり着く。
ちょっとした水族館……というか、単に研究用に飼育している魚の水槽を見学できるようにしているだけの色気のない展示。
しかし、上水ではなく工水を使っている全国初の水族館であるとか、琵琶湖・淀川水系の生き物展示するたった3箇所のうちのひとつであるとか(他の2つは琵琶湖博物館と大阪府水生生物センター)、いくつか能書きがある。

中は一直線にさほど長くない通路があるだけで、両脇にぎっしりと水槽が詰まっている。低い水槽は膝より下だし、上の水槽は大人でも見上げる。
イタセンパラやアユモドキのような天然記念物でさえ、しれっと展示されているばかり。
このドライさも一種の味かもしれない。


飼育研究棟を出ると、すでに左手にあるのが記念館。
表に回りこむと、ハイカラなレンガ造りが現れる。

入場無料なのだが、入場料代わりに入ってすぐ右にある自動販売機で「ほんまや」を一本購入した。
今年やっていた水都大阪のイベントで売りだされていた、大阪の水道水を活性炭でさらに処理して売ってるというものなのだけども、これは意外に良い。軟水好きなら特に。
イタセンパラ

ビワコオオナマズ
順路にしたがって行くと、水時計を進化させたようなモニュメントに迎えられ、すぐ水族館的なエリアに入る。
琵琶湖・淀川水系を紹介していて、主に生物の展示、地形の解説などもある。
早速イタセンパラとアユモドキが、今度はちゃんと水族館らしい展示をされて現れる。他にもビワコオオナマズなどもいるし、放された外来魚のオオクチバスやブルーギルもいる。
アーチ状の水槽の下を歩きながら魚を見上げる、なんて、なぜか大阪ではよくある手の(なにわの海の時空館にも海遊館にもある)水槽もある。
海遊館などと比べられるものではないけれど、まずまずよくやっている展示だ。


次に「体験ツアー おいしい水のワンダーランド」と銘打って、浄水場の浄化手順を展示したエリアが現れる。
これはまあ、よくあるというか、浄水場の施設だからこうだろうなあ、というオーソドックスなもの。

柴島浄水場では太陽光発電プラントを敷地に作っているが、平成11年製とあって結構古い。どこの製品かはよくわからなかったが、シャープか京セラだろうと思う。多分三洋電機ではない。
そういえば太陽電池メーカーは関西が強いなあ。
等身大 水屋のおやじフィギュア

それから、「水屋のいた大阪」といって、江戸時代の大阪の水事情を解説するコーナー。
大阪は井戸から海水が出るような土地なので、淀川や大川から汲んだ水を売り歩く水屋があった、というような話。
井戸水をどうせ飲まないから、とトイレと隣接させてしまっていて、疫痢があったりすると一発で広まったとか。

次いで、世界の水道史を簡単に解説して、その次には子供向けの水道ゲームコーナーがある。


これで展示は一回り。
別にいい大人が観に行っておかしいものでもないし、子供向けの設備も多いしと、誰でも行きやすい施設に思えた。
まあ、大きくはないから割とすぐに一回りしてしまうし、まわりに他に何も無いのに駅から15分くらいは歩く、という点は難しいが、車で行ったらいいと思う。駐車場完備。