先日、フジフイルムの縦型デザインデジカメ・FinePix 4700Zを使ってみたわけだが、しかし残念ながらレンズ不良の個体で、万全の写りとは言えない状態だった。
しかも単三電池使用の4700Zに対して、ポルシェデザインの非常にかっこいい筐体を持つリチウムイオン電池使用の兄弟機(あるいは後継機。発売は一年後)である4800Zが存在する。
で、4800Zには、画素数が300万画素に上がった兄弟機があった。
それが今日のFinePix 6800Zである。
この後、ぱたぱたとスマートメディアからxDカードへの転換が起き、縦型モデルも、ポルシェデザインを捨てた上に2倍ズームに下がったM603に継がれる。確かそれが最後だったかな。
今回は特に行き先というのはない。
友人と映画を見に行ったついでだとか、アクシストリートの慣らし運転がてらに走り回った時に立ち寄った神社など、時間さえ同じでない。
画質の傾向としては、4700Zに同じ。飽和するギリギリまでビビッドというか。
測光モードについては、4700Zの時に「マルチ測光が私の好みに合わない」ということを学習していたので、最初からアベレージに設定してある。
ホワイトバランスも、もう補正しすぎるような世代ではなく、若干環境色が残る。
微妙に美味しくなさそうになったのは、白熱灯色の光源と外光が半端に混じった光源で、あんまり考えなしにそのまんま撮ったせい。露出を+0.9くらいはすべきだった。
ラーメンはこの後私が美味しくいただきました。
200万画素(400万画素記録)の4700Zは、感度はISO200ベースで800まで上がったが、6800ZではISO100ベースで400まで。
400に上げて撮ってみたが、さすがに薄暗いせいもあってか、日差しの下で撮る強烈なビビッドさはなく、なんとなく迷いのあるような色の出になった。
外でうっかりISO400のまま撮ってしまったが、やはりビビッドさが落ちている。
まあそもそも露出アンダーだし、この時はちょっと雲がかかってきていたが、それでもF7.0で1/1000秒のシャッターが切れる明るさではあったのだけど。
さすがにこれがアンダーになる被写体とは思えないが、ISO400だとアンダーに振るんだろうか。それとも左上隅の空のせいか。
現在、なにやら新世界100周年記念イベントでキン肉マンとのタイアップが行われている。ゆでたまごが大阪出身、片方は浪速区出身で子供時代を新世界で過ごした縁だそう。
このショップの中には、テリーマンとウォーズマンがいる。
他のところのイベントステージらしいところにキン肉マンが立っていたのも見かけた。ロビンマスクもどこかにいるらしい。
私は600万部直撃世代とはいえジャンプ育ちではないので、キン肉マンは万全に知っているとはいえないが、私の知ってる範囲では、ウォーズマンよりバッファローマンやラーメンマン、ブロッケンJr.のほうがイメージが強い。
私の知らないところでウォーズマンの活躍が広がったのだろうか。機会があれば通読してみようかしら。
松原市は、失礼ながら散策するにも目当てを見つけられず、ぜんぜん行ったことのなかったところだが、珍しく通りかかると大きめの神社をみつけた。
屯倉(みやけ)神社といい、開運松原六社詣りというので巡る神社の一つだそう。
創始は942年だから、あいにく延喜式より新しいので式内社ではない。十二分に古いけれど。
天満宮とは名乗っていないが、祭神は菅公。
元々は天穂日命を祀る社があったそうだが、菅公が九州に流される際に立ち寄って座った石があり、その縁で菅公を祀るようになったんだろう。
本殿には南北朝時代の等身大菅公像が祀られているそう。胴体は江戸時代に作りなおされており、法華経などが中に収められていた。
なんだか、露出オーバーになりにくい。ハイライトを飛ばさないように露出を調整するんだろうか。露出補正してないんだけどな。
4700Zの時はコントラストが高くて、ダイナミックレンジが広い写りではない気がしたが、6800Zはダイナミックレンジが広い。ハニカムCCDの売り文句に合致した。
ちゃんと牛もいる。
境内末社の酒屋神社。
明治になって合祀された、元々はここ三宅村の西の方にあった神社だが、こちらは屯倉神社より古く、延喜式内社。
このあたりで酒造りをして朝廷に貢納していた「中臣酒屋連」という人々があって、その祖神を祀ったのではないかという。津速魂命という祭神。
さすがにこれは露出補正した。でも-0.6EVだけ。
操作系は4700Zとかなり変わっている。
4700Zは、十字キー・SHIFTボタン+十字キー・液晶モニタ内メニューの3通りのアクセスで様々機能を速やかに呼び出せる、少し面食らうが慣れると非常に迅速に操作できる操作系だった。
6800ZはSHIFTボタンが廃され、すべて液晶モニター内のメニューになってしまった。
しかも、横並びに5項目あり、一番右の項目はメニューのページ切り替えだから、実質4項目×3ページ。単に右に行き過ぎれば次のページに変わるようにすればいいと思うのだけど……
これは、4700Zのほうが大きく優れていると言わざるをえないなあ。6800Zは言葉が悪いけど素人向けの作り方だ。
とはいえ、カーソル位置を記憶するので、頻用する露出補正はすぐ呼び出せる。せめてもの良心。
まあ、このカメラは露出補正あまりしなくてもよさそうだけど。
ところで、4700Zになかった芸として、多重露光がある。
デジタルなら連写バッファ2枚分くらいあれば実現できそうな機能だし、もっとポピュラーな機能であってもいいと思うのだが、不思議と見かけない。
何に使うの?というと、まあ、すぐ思いつくのはソフトフォーカス。
単なるピンぼけ写真とは違って、しっかり芯がある上で、全体にほわっとする。ピンぼけは芯なんかない。
普通にピントを合わせてAF撮影してから、マクロモードを切ってピンぼけした画像を同じようなフレーミングで撮影して重ねた。
人間くらい被写体が大きければ、MFモードで前ピンにするとよかろうと思う。あまり明るいと絞りこまれてボケさせにくいかもしれないが。絞り優先オートはないし、シーンモードでポートレートにしたら今度は多重露出ができなくなる。
2枚とも-0.9EVの露出補正して撮る。2枚重ねならそれでいいが、それ以上はもっとアンダーに写さなきゃいけないのに、露出補正が-1.5EVまでしかないのが惜しい。重ねること自体は何枚でもいけるようだ。どんどん真っ白になるが。
ボディはさすがに美しい仕上げ。美品で手に入ってよかった。
かなりしっかりした造りで、2001年に作られてから11年経っても、ヤレた感じはまったくない。
スマートメディアの蓋に少しだけ遊びがある程度で、他はあらゆるところがカチっとしている。
Finepixとしては異例なことに、設定保持用のキャパシタがパンクしておらず、電池を少し抜いても設定が飛ばない。Finepixはほんとにこのキャパシタがすぐ死ぬのが通例なのだが。
使った上で気づいたことはここまであれこれ書いてきたが、最大の改良点は、300万画素CCDで300万画素で記録できるようになったことだろうか。
事実上400万画素記録で使わざるを得なかった4700Zに比べて、かえって燃費はよくなった。メモリー容量がタイトなスマートメディア機にはありがたい。
そのかわり、撮影後プレビューで毎回記録するか捨てるかを選ぶことはできなくなったようだ。
悪くない機能だと思ったんだけど、やっぱり「撮ってすぐ電源オフ」をやっちゃうと消えるのは不評だったか。
また、4700Zは液晶ファインダーをオフにしても、メニューなどを出しておくために液晶はオンのままでバックライトもついていたが、6800Zは完全に消える。
4700Zより、画質は大きく良くなった。
レンズは同じで、ズーム全域で開放からちゃんと写っているが、やはりCCDが新しくなって地力が上がっているように思う。
やっぱり比べると4700Zは、露出にシビアすぎるし色もちょっと不思議な出方になっていることがある。6800Zはハイライトがぶっ飛ばないし、ビビッドでも違う色ではない。
300万画素機として、かなり高いレベルにある。派手な発色は好き好きだけど、私は好きなので。
起動も速め、連写バッファもあって撮影も軽快なのは4700Zと同じ。
設定変更が素早くできなくなったことと、感度が一段下がったことだけは4700Zより劣る部分だけれども、他はすべて同等かそれ以上を保っている。
質感・デザインは素晴らしい(今となっては巨大だけど)、動作速度も実用レベル、感度のような必要な部分の手動設定もできる。
晴れた日に、この濃厚に鮮やかな画が欲しいならば、今なお使う価値があるカメラだと思える。
実にいいカメラだわ。