2014年5月2日金曜日

ジャンクデジカメのつまみかた (1) はじめに


この回の要約

  • 昔欲しかったデジカメはありませんか? だったら小銭持ってジャンク屋へ
  • ジャンク品は動くものも多いです
  • 電池とメモリーカードの知識だけ得ればOK
  • 情報的なことは(2)からなので、すでにジャンク好きな方は飛ばしてください




 ジャンクデジカメを買ってきては週末にどこかをぶらつく、ということを始めて、もうずいぶん長くなりました。
 ケチな遊びではありますが、ずいぶん長く続いてるものです。

 そして長いことやっていると、ジャンクワゴンから動きそうなカメラをつまみ取るノウハウも、ずいぶん蓄積されてしまいました。
 そのノウハウを、まとめてひとつの読み物にしてみます。

 古いデジカメというのも、興味を持てる人は意外に多いんじゃないかと思います。
 デジカメという商品は、最近はもうコモディティ化とスマホに押されて、元々写真好きな人以外にはそれほど華やかなものではなくなりました。
 しかし00年代前半くらいは、電器店の花形でした。いくつものメーカーが様々な商品を競い合って並べていました。
 あの頃に買って使っていたものだったり、あるいは憧れたけど買えなかったものだったり、そういうものが、今では数百円の捨て値で売られている。
 あの時代を知る人なら……というほど古い話でもないですが、興味を持てる人は多いのでは。
 電気街のジャンクワゴンに、特にそういうマニアでもなさそうなおじさんが足を止めて、興味深げに手にとっていたり、「これって使えるの?」と周りの人に聞いていたりする様子は何度か見かけています。

 また、デジカメという商品自体、最近はもう完成度が煮詰まってしまって、特に高級なマニア向けモデルを除けば、どれもほとんど同じようなものになってしまいました。
 しかし、ジャンクワゴンにあるような古いカメラは違います。
 過去のフィルムカメラとは違うものをと斬新なコンセプトに挑んだり、限られた技術力でなんとか良い物をと様々な工夫を盛り込んだり、なんとも面白い製品が多い。
 頑張りすぎた失敗作もあれば、いい具合に力が抜けた良い製品もあります。
 そういうのが見つかるのもまた楽しい。

 あとはまあ、買ってみて動いたら、人にあげると結構喜ばれたり……というか、一時の笑いが取れたりします。
 別にそれを愛用して何年も使い続けよう、とまで思わなくても、「懐かしいなあ」とか「なにこの変なカメラ」とかいって、しばらく触って写真撮って、ああ面白かった。どうせ数百円のもんだし、別にそれで十分。



 じゃあ、ジャンクデジカメを買ってみればいいんだけど、なかなか自分で買うところまでは行きにくいようです。
 その関門になってるのはなんだろう。


 動くかどうかもわからないものを買う、というジャンク品独特の風習は、慣れていないとなかなか異様かもしれません。
 電気街などのマニアが集まるところで、故障品とわかっているものを自分で直して使う人向けに売るような、そういう特殊な売り方ですから。

 ただ、デジカメのジャンク品は、割と簡単です。
 保証なしといっても、買ってみれば案外そのまま動くようなものが多々ある。
 デジカメは進歩が早かったので、もう7~8年以上前のものなら商品価値がなくなっています。
 なので、今更動作確認をして保証をつけても1000円そこらの値しかつけられない。
 なら、動作確認も何もせず無保証で300円で売る方が、売る方も楽です。そういう商品がジャンク品になりがちです。

 液晶が割れてるとか、レンズが出たまま曲がってるとか、見た目でわかるようなものさえ避ければ、そんなにダメなものばかりではありません。
 見た目でわからない故障品もあるし、特に壊れやすい機種や時期もあったりはしますが、ま、ダメでも数百円。ダメなら諦めるか、なんとかして修理するのがルールです。


 あるいは、電池やメモリーカードをどうすればいいかわからないか。
 確かに、ああいうジャンク品は、電池やメモリーカードが入っていない状態で売られていることが大抵です。
 そこは、心配するポイントとしては正しい。

 しかし、電池だったら単三電池で済むモデルも多々ありますから、そういうものを選べばよい。
 専用のバッテリーを使うものであっても、安く調達する手段はあります。
 メモリーカードの方も、規格があるものなので、どれに何が使えるかは知識があればわかることです。

 電池と充電器、メモリーカードさえ合うものを入手できれば、他に必要な物は特にありません。
 たった2点の知識です。
 それから、ハズレを引いて少しばかり損をしても、文句を言わない広い心。
 それさえあれば、最初は2000円ほどあれば、ずいぶん楽しめる遊びができます。