2014年5月2日金曜日

ジャンクデジカメのつまみかた (3) 電池について



この回の要約

  • 最初は単三電池モデルを狙おう
  • 手元のカメラのバッテリーを流用できるかも
  • 互換バッテリーと汎用充電器を利用


 デジタルカメラはもちろん、電源がないと動きません。
 付属品付きのジャンク品もありますが、裸の本体だけで売られているもののほうが多いでしょう。

 そのため、対応したバッテリーを自分で判断して、調達することになります。


単三電池モデル

「Ni-MH」がニッケル水素充電池を意味します

 簡単なのは、単三電池で動作するモデルです。
 最近はかなり少なくなりましたが、かつては多数ありました。


 電池は、アルカリ乾電池ではなく、充電式のニッケル水素充電池を使います。
 すでに持っている人も多いでしょう。

 コストやエコの話ではなく、古い機種にはアルカリ乾電池ではすぐに電池切れになるものが多数あるためです。
 アルカリ電池は使用するにつれて電圧が下がっていくので、デジカメの動作に耐えられない電圧まで下がると、まだ電力が残っていても早々に電池切れと判断されます。
 ニッケル水素充電池は、電池切れ近くまで一定の電圧が供給され続けます。よって、容量をきっちり使い切ることができます。

 単三充電池と充電器を新たに買わなければならないなら、充電器は4本同時に充電できるタイプが好ましい。
 デジカメの方には、2本使用のものも4本使用のものもあります。
 また、かなり希ですが、単四電池で動くデジカメ(サイバーショットUやFinePix F420など)もあるので、単四の充電もできる充電器だとより良い。

穴の形は必ずしもマルふたつではありませんが、
+/-の方向指示がある、フタ側にも電極がある、
というような特徴があります

 単三電池モデルの見分け方は、慣れが必要ですが、まずは見た目で。

 カメラが個包装されていなくて、バッテリーホルダーを開けられる場合は、開けてみるのが手っ取り早い。
 ただしこの時、アルカリ電池から液漏れした電解液がついている場合があります。これはアルカリ性なので、液や結晶に触れると怪我をします。くれぐれも注意を。
(二度目ですが、目に入ったりすると本当に危ないので、これにはよく注意してください)

このExilimに単三電池が入りますか?
おかしいと思いませんか? あなた
ニコンCOOLPIX 950は単三電池が入りそうですが、
これは専用電池モデルです
 開けられない場合は、外観からあたりをつけます。
 比較的新しい小型・薄型のカメラには、そもそも単三電池が入りそうなスペースがないのですぐわかります。
 大きめのカメラであっても、バッテリーが入る部分の蓋に注目すると、細長かったりと明らかに単三電池が入らない形のものがわかります。
 とはいえ、単三電池に少し似た形の専用バッテリーを使うものもあるので、間違えるときは間違えますが。それは仕方ないです。

オリンパスX-250。オリンパスは書いてることが多い
 あまり多くはないですが、外にちゃんと単三電池だと書いている場合もあります。
 蓋かその近くに「LR6」とか「AA」といった記載があれば、それは単三電池使用を示します。
 また、「CR-V3」というのは、単三電池2本を束ねた大きさのリチウム電池パックで、これが使えるものは単三電池も使えます。

DSC-F88のInfoLITHIUM表記

 知識があれば、品番から判断することもできます。

 カシオの場合、Exilimと銘打たれた製品に単三電池モデルはほとんどありません。しかしQVシリーズはほとんど単三電池です。
 ニコンのCOOLPIX Lシリーズ、キヤノンのPowershot Aシリーズ、フジフイルムのFinePix Aシリーズ、京セラのFinecam Lシリーズなど、単三電池モデルがシリーズ化されているものもあります。

 またソニーの場合は、専用電池を使うモデルには「InfoLITHIUM」と明記してあります。
 単三電池モデルなら、その表示がありません。
 新しい機種はその限りでもないですが、古い機種の判断には便利です。

リチウムイオン電池の場合


 専用のリチウムイオン電池を使用するカメラは、専用の電池と充電器を調達しなければなりません。
 純正品をまともに買うと、かなりいい値段になります。
 新品で買ったカメラを大切に使うなら妥当な値段ですが、数百円のジャンクカメラには高すぎます。

 よって、専用電池のジャンクカメラは、買ったものの持て余すことになりがち。
 しかし、単三電池モデルだけに絞ってしまうと、半分以上のカメラが対象外となってしまって少しさびしい。
 慣れてきたら、リチウムイオン電池と充電器をうまく安く調達するやり方を身につけると、選択肢が広がります。


持っているものを流用する


 手元に、普通に購入したデジタルカメラの一台くらいはあるかもしれません。
 それが単三電池モデルでなければ、リチウムイオン電池が入っていて、充電器もあるでしょう。

カシオのロングセラーNP-40(左)
右はNP-20の互換品。
 リチウムイオン電池は、同じ電池が複数の機種で使われるのが普通です。
 だから、手元にある電池を使いまわして動作させられる機種があります。

 特にカシオが、あまり頻繁にバッテリーを変更しません。
 例えばNP-40というバッテリーは、1000万画素のハイスピードExilim FC-150Sから、10年前の300万画素ExilimのEX-Z30まで、非常に多くの機種に使われています。
 NP-20, 40, 60, 80あたりは、かなり幅広く対応機種があります。

 とりあえず、手元のバッテリーを確認して、同じメーカーの製品に同じバッテリーを使うものがないか探してみるのが第一歩。
 同じバッテリーを使う機種なら、ジャンクワゴンで見かけてもすぐ使えます。


 なお、当然ですが、カメラ側には正常品である保証は全くないので、やってみたら電池が壊れたりしても、文句はいえません。
 カメラが故障して内部が短絡していたりすれば、入れただけで発火したとか、そういうこともありえます。
 まあ私はそんな目に遭ったことないですが、絶対に有り得ないことではありません。多少なりとも危険性のある遊びだということは踏まえてください。



他社製品に流用する


 リチウムイオン電池というのは、どのメーカーでも自社製造できるものではありません。
 国内デジカメメーカーでは、旧三洋電機、ソニー、パナソニックくらい。
 よって他のメーカーは、どこか電池メーカーに製造を依頼していることになります。

 当然、いちいち形状から仕様から新規に設計するとコストが高い。
 おそらく、電池メーカーの方で吊るしの仕様があるんじゃないかな。
 よく見ると、全く同じ電池が品番とラベルだけ変えて、複数のメーカーに供給されているケースが多々あります。


 残念ながら、他社と共通の電池をほとんど使わないメーカーもあります。
 ソニー・キヤノンが自社のみにしています。ニコン・パナソニックも他社との共通品はほとんどありません。
 これら以外のメーカーのデジカメを持っていれば、もしかしたら他社メーカーにも使いまわせる電池が手元にあるかもしれません。

 調べてみると、ほとんど汎用品と言っていいほど、幅広く各社に使いまわされている電池があったりします。
どう見たって同じ形のバッテリーで、実際互換品
 私の心当たりで特に広く使えるものとしては、フジフイルムNP-45・日立HLB-2・ニコンEN-EL10・オリンパスLI-40B / LI-42B、ペンタックスD-LI63 / D-LI108、カシオNP-80、コダックKLIC-7006がそれぞれ使いまわせるようです。
 これは私の手元にもあるので、しばしば使いまわしてます。

 こういうのをどこで調べるかというと、互換バッテリーを売っている会社のサイトを利用します。
 手元の電池の品番で検索してみると、「この電池はどれに対して使える」という情報がずらっと書いてあります。
 フジフイルムとカシオが、どちらもNP-xxという品番でバッテリーを出していて、検索するときに紛らわしいので注意してください。



互換バッテリーと汎用チャージャー


 さて、「どのカメラにはどの電池が使える」という情報があるのなら、「持ってる電池が使えるカメラを探す」というアプローチに限らず、「カメラを買ってしまってから電池を調達する」という順番でも構わないわけです。
 バッテリーを安く調達できれば、専用バッテリーを使うカメラでも困らなくなります。

 そこで互換バッテリー。
 純正品なら高くついても、互換バッテリーなら、モノによりますが数百円からの値段です。
 ROWAJTTが、古くから手がけているいわば老舗です。


 では充電器はというと、いろいろな形状のリチウムイオン充電池に対応する汎用充電器があったりします。
 私が使っているのは、JTTのMyCharger Multi Liteです。
 別に電池が破裂したとか過熱したとか、そういうトラブルはうちでは起こっていません。


 ただし、リチウムイオン充電池というのは、かなり大きなエネルギーを小さな中に貯めこんでいるものです。
 充電も非常にシビアなもので、うっかり充電しすぎるような事態になれば、すぐ発熱・発火・破裂までありえるような代物です。
 強い衝撃を与えたら、内部で金属部材がショートして発火するような事態もありえるそうです。
 だから、これまで携帯電話からノートPC、旅客機まで、かなり品質管理が厳しいはずの日本製であっても、事故が起こるときは起こってきました。

 売ってる方には申し訳ないけれど、中国製の電池なんか怖いというのも、あながち間違った考えではないように思います。
 こんな汎用充電器なんか恐ろしいというのも、絶対に的外れだとまでは言いにくい。
 怖いというなら、それは仕方ないでしょう。ちゃんと純正品を買うしかありません。

 ただまあ、それを言うなら、最近そこらじゅうで様々なものが売られている、安価なUSBモバイルバッテリーの類だって同じようなものです。むしろ大容量のバッテリーだからより怖いくらい。
 あれが平気だったら、こっちもそんなに危険性は変わらないように思います。



 私が互換電池で経験するトラブルのほとんどは、すぐダメになっちゃうことです。

 リチウムイオン充電池は、保管するなら半分くらい充電された状態にしておくのがベターといわれています。
 なので、一回りデジカメを使ってきて、まだバッテリー減少の表示も出ていないなら、そのまま外して保管する、という調子でやってました。
 しかし、純正ならこれで大丈夫なことが多いですが、互換電池はかなり死んじゃうようです。数ヶ月でもアウトな個体もありました。

 また、買った時点で劣化が進んでいて、充電しても2~3枚撮影できる程度の容量しかないものが届いたことが2回。
 そもそも違うものが届いたことが1回。
 こういう雑さは、どうしてもつきまといます。
 さすがに最初からダメなのは保証交換くらいしてくれますが、私は数百円のために手間が惜しいので泣いてます。


 ダメになっちゃった電池は端子をテープで塞いで、電器店などにたまにあるJBRCのリサイクルボックスへ。
 どうしてもゴミ入れたりアルカリ乾電池入れたりと間違う人が多いので、最近設置店が減ってる気がしますが。