2014年5月2日金曜日

ジャンクデジカメのつまみかた (4) メモリーカードについて

この回の要約

  • いろいろ種類があります
  • 同じ形でも容量によって違う場合があります
  • カードリーダーも忘れずに




 今どきのデジカメはすべてSDカードが使えますが、古いデジカメは多種多様なメモリーカードが使われています。
 メモリーカードが確保できないと、撮影できません。

 SDカード対応のカメラであっても、古いものは8GBとか16GBとか、そんな大容量のものは使用できないことが多い。
 ジャンクデジカメを漁るなら、メモリーカードを買い足していく必要に迫られます。

 できるだけ簡潔にまとめると、ジャンクデジカメに必要になりやすいものは以下のとおりです。

  • SDカードとコンパクトフラッシュの2GB以下のもの
  • xDピクチャーカードの512MB以下のもの、無理ならM+ 2GBのもの
  • メモリースティックPro Duoの2GB以下のものとサイズ変換アダプター
  • メモリースティックの128MB以下のもの
  • スマートメディア


 以下、対応するメモリーカードを判断する大まかな目安と、古いデジカメに使用するにあたっての注意点をまとめています。



SDカード

SDカードとサイズ違いのもの
比較的新しい機種で使われますが、かなり古くから対応機種は多くあります。
 ただし、できたのが2000年なので、それ以前には対応機種はありません。
 ソニー・オリンパス・フジフイルムは別のメモリーカードを使っていたので、ジャンク品になるような古い機種には、SDカードはありません。

 SDカードのバリエーションとして、御存知の通り、miniSDやmicroSDなどサイズ違いがあります。
 デジカメについては、mini専用はおそらく存在せず、micro専用もかなり最近までありません。
 ジャンクカメラであれば、ほぼ標準サイズのSDカードだけ考慮すれば大丈夫です。

 小さいものを変換アダプターで標準サイズとして使うことももちろん可能です。
 ただ経験的には、認識しないとかのトラブル源になりやすいようです。特にmicroを標準SDとして使うアダプターの相性の酷さといったら……


 また、2GBまでのSDカード、4GB~32GBのSDHCカード、64GB以上のSDXCカードの容量による区分があります。
 2006年ごろからSDHC対応機種が出てきますが、それ以前のカメラは初代のSDカード、つまり2GBまでしか対応しません。
 ジャンク遊びには、2GBのものを1枚持っておくとベターです。
 この互換性の都合もあるので、まだ2GBは売られています。そろそろ一般の電気屋では難しそうですが、電気街や通販なら大丈夫です。

 古い機種には、2GBでは大きすぎて問題が出るものもあります。
 例えば、 ニコンCOOLPIX 3700やコニカKD-200Zは動作が遅くなり、コニカミノルタDiMAGE Z3はファームウェアアップデートが必要でした。
 そういう場合は仕方ないので、難しいですが少容量のものを探しましょう。256MBくらいのものが手に入れば便利です。
 買うのはかなり困難なので、友人知人をあたったほうがベターと思います。古い携帯電話に使ってたのとかが残ってるかも。

京セラFinecam SL300R背面のSDロゴ

 対応機種の見分け方として、早い時期のSDカード対応機は、本体のどこかに「SD」のロゴマークが入っていることが多いようです。ないカメラもありますが。

 また、メーカーとブランドネームだけでSDカード対応だと判断できる例が多々あります。
 パナソニックLUMIX、カシオExilim、リコーCaplio、京セラFinecam、三洋Xacti、東芝Sora、コニカDigital Revioは、僅かな例外を除いてSDカードです。
 ペンタックスOptioの、Optioの後にアルファベットが来るものはSDカード。
 ミノルタ(コニカミノルタ)DiMAGEは、F・X・G・ZはSDカード。
 ニコンは、COOLPIXの後にアルファベットがくるものはSDカード。数字3桁は確実にSDカードではありませんが、4桁はものによります。
 日立のHDC-で始まる型番、エプソンのL-で始まる型番のものはSDカード。

 キヤノンは、品番だけからは判断困難です。

マルチメディアカード(MMC)


 SDカードとほぼ同じ形のメディアで、海外の携帯電話などで使われていました。
 少なくとも日本のデジカメで、MMCを指定している製品はないはずです。
 互換性があるので、SDカードを使うデジカメにMMCを差し込んで使うことはできるそうです。京セラのFineCam S3に、16MBのMMCが標準添付されていたようです。


メモリースティック

右上がDuo → 標準変換アダプター
右下がDuo、下中央がM2
左がM2 → Duo変換アダプター
ソニーが採用していたメモリーカードです。
 ほぼソニー独自ですが、コニカがSDカードとのデュアルスロット機を出していたことがあります。

 メモリースティックも、SDカードのように大きい方から標準・Duo・M2のサイズ区分があります。
 標準サイズは古めの機種が中心で、主流はDuoになっていきます。M2はデジカメでは特に扱う必要はないでしょう。
 サイズ変換アダプターが使えるのもSDカード同様です。経験論ですが、こちらはあまり変換でトラブルが出たことはありません。

 またSDカードと同じく、容量の区分もあります。
 ただしこちらは、初期のものが128MBまで。256MBからはメモリースティックProとなっています。
 メモリースティックProは、初期メモリースティックのみ対応のカメラには使えません。
 よって、そういう機種のためには128MB以下の初期メモリースティックを使わなければいけませんが、例によって入手難です。
 このせいで、サイバーショットの2003年以前の機種は、なかなか扱いが難しくなります。

microSD→メモリースティックDuo変換アダプター
microSDをメモリースティックPro Duoに変換するアダプターが電気街などで売られていて、これはなかなか便利。



 最近は、メモリースティックPro-HGとかMark-2とかいろいろ出ています。
 Pro-HGは古い機種だとダメな場合があるように見えるので、ジャンクで遊ぶなら避けたほうがいいかと思います。
 今買うとMark-2が出てくるようですが、これはさほど問題なさそうです。
 メーカー公式の対応表はこちら

容量については、メモリースティックProは規格上は256MB~32GBまで一貫していますが、古い機種に2GBや4GBが上限のものがあります。
 ジャンク遊びに使うなら、Pro Duoは2GB以下にしておきましょう。
 古いカメラにはDuoではないPro使用モデルもあるので、変換アダプターもあるといいでしょう。

 また、2003年より古いサイバーショットに手を出すなら、標準サイズの128MB以下が必要です。
 手に入りにくいのが難ですが、Duoの128MB + 変換アダプターでも問題ありません。


DSC-S40のメモリースティックスロット
ロゴマークと、PRO対応表記がある

 対応機種の見分け方……も何も、そもそもソニー・サイバーショットくらいしかないんですが、一応、メモリースティック対応機は外装にロゴが入ってるようです。
 また、メモリースティックProやDuoなどに対応するものは、その旨の記載があるようです。時代が進むとPro Duoだけになるので記載も略されますが、古いものには明記されているようです。




コンパクトフラッシュ

コンパクトフラッシュ

 1994年からある古いメモリーカードの規格で、90年代のデジカメ黎明期から使われています。
 現在でも一眼レフなどの大型機に使われていますが、かつてはかなりコンパクトな機種にも使われていました。
 特にニコンやペンタックスが2003年ごろ、キヤノンが2004年ごろまでと、比較的長く使っていました。


 サイズ区分は、一応タイプI/IIという厚さ違いがありますが、まあメモリーカードを買って分厚い方のタイプIIが出てくる心配はないと思うので、気にしなくて大丈夫。
 薄いタイプIのカードなら、どちらのスロットにも入ります。

 容量によって規格が変わったりもしていません。(内部的には世代があるんですが、製品として別になってしまうような差異にはなっていません)
 ただし、ソフトウェア的な取り扱いの都合で、古い機種では2GBに壁があります。これはどんなメモリーカードにもあります。

 規格自体は互換性が高く、90年代の30万画素デジカメに2GBのコンパクトフラッシュが使えちゃったりすることも。
 また、業務用の組み込み機器に多く使われていたりもして、通販を利用すれば未だにメガバイト単位の容量のものでも、さほど法外でもない値段で買えたりします。
 ジャンク遊びには、2GBを1枚買っておけば大体OK。必要になったら小さいのを買い足せばいいのでは。


 対応機種に特にロゴマークなどはないので、外見だけでは見分けにくいかもしれません。
 強いて言えば、カードスロットが大型ですが、これも電池ボックスと一体化していると判断材料にならないし……。

 キヤノンについては、コンパクトフラッシュ機とSDカード機が混在する世代には、カードスロットのカバーに「CF」と明記している場合もあるようです。
 ただし、キヤノンは品番からの判断は困難です。

 三洋は、品番がDSC-の後にMZ・AZ・SXのものはほとんどコンパクトフラッシュです。XactiとペットネームがついてからはSDカード。
 エプソンのCP-で始まる品番、コダックのDCで始まる品番、コニカのKD-で始まらない品番のものは多くがコンパクトフラッシュです。
 ニコンは、COOLPIXの後に数字3桁のものはほとんどコンパクトフラッシュ。4桁はSDカードと混在しています。アルファベットのものはSDカードです。
 ペンタックスは、Optioの後に数字が来るものの一部がSDカード。アルファベットだとSDカードです。
 ミノルタDiMAGEにも、古いものや大型機Aシリーズ・7シリーズにコンパクトフラッシュがあります。
 カシオは、Exilimではない機種(QVシリーズなど)にはコンパクトフラッシュが多いです。


フラッシュATAカード

コンパクトフラッシュ→フラッシュATA変換アタプター

 コンパクトフラッシュ以前に、ノートパソコンのPCMCIAカードサイズ(といっても最近のノートPCはPCMCIAカードスロットがないから通じないかもしれませんが)のメモリーカードがありました。
 これは、コンパクトフラッシュにアダプターを噛ませることで変換できます。
 こんなの使うのって1996年ごろの製品くらいで、なかなか必要にはならないと思いますが。




マイクロドライブ


 コンパクトフラッシュサイズのハードディスクで、コンパクトフラッシュ同様に取り扱えるというものもありました。
 今となっては、コンパクトフラッシュでも容量・速度とも不足しにくいので、ことさら手に入れる必要はないと思います。
 一時期の三洋電機のデジカメで、マイクロドライブを使用している時のみ時間無制限で動画が撮影できる、という機種がありました。



xDピクチャーカード

xDピクチャーカード(初代)

 オリンパスとフジフイルムが、2002年から採用していたメモリーカードです。
 他に採用メーカーがなかったせいで、どんどんSDカードより割高になっていき、2009年ごろに両社とも諦めてSDカードに移行しました。

 サイズのバリエーションはありません。

 容量は、初代のものが512MBまで。
 Type Mという大容量モデルが2GBまで出ましたが、Type Mの256MBと512MBもあります。
 Type HおよびType M+という大容量かつ高速タイプもありますが、オリンパスの対応機種で使った時のみ高速とのこと。
 そして例によってType M・Hが使えない機種が一部あり、また、Type Mが使えるけど512MBが上限という機種もあります。

 つぶしが利くという意味では、初代の512MBを一枚持っておくのがベスト……だけど、オリンパスの直販サイトで3000円も出すくらいしか入手方法の心当たりがありません。
 次善の策としては、Type M+の2GBがamazonなどでもう少し割安に買えます。


FinePix A202のメモリーカードスロット
外観からの見分け方は、フジフイルムはロゴマークを入れてくれることが多いようです。オリンパスはないことが多い。
 まあ、新し目のオリンパス・フジフイルムはxDカードだと決めつけて大丈夫です。

 品番からは、フジフイルムの場合、FinePixの後にアルファベットの来るものはxDカードです(A201・F401・F601が例外)。
 オリンパスは、μ・X・FE・SPシリーズはごく新しいものを除けばxDカードです。Cシリーズは、末期のモデルのみxDカードです。



スマートメディア


3.3Vスマートメディア
2002年より前のオリンパス・フジフイルムを中心に、広く利用されていたメモリーカードです。東芝・三洋電機・リコーなどでも採用されました。
 2000年以前は、ソニー以外はスマートメディアかコンパクトフラッシュのどっちかという感じでした。

 サイズのバリエーションはありません。
 著作権管理用のID機能つきのものがありますが、デジカメでは関係ありません。

 容量は、4MBから128MBまでが存在します。
 容量によって規格が異なるわけではないんですが、カメラによって、32MBまでとか64MBまでとか、上限のある場合があります。これは個別に調べるしかありません。

 また、一般的には動作電圧3.3Vですが、古い2MB・4MBのものに5V動作のものがありました。
 ごく古いもので、5V専用のカメラがあります。両対応のカメラもあります。
 カードの形が違う(角の切り欠きが左右逆)ので、非対応ならささらないことになっていると思います。


東芝PDR-M4のスマートメディアスロット
外観からの判断では、対応機種にはロゴマークが入っていることがあります。

 オリンパス・フジフイルムは、xDカードでなければスマートメディアです。
 オリンパスCシリーズの、4桁モデルで1000~4000番台、3桁モデルで700番台の740以上を除くすべて、2桁・1桁モデルはスマートメディア。
 フジフイルムは、FinePixの後に数字がくる品番のものはスマートメディア。

 他に、三洋電機のDSC-X100 / X110 / X200 / SX1Z、東芝Allegrettoシリーズの古い機種(品番がPDR-Mなんとか)、リコーのCaplio以前の機種などがスマートメディアでした。


 終焉してから10年以上経っているので、入手が難しいメディアとして有名になっています。
 まあ買うだけならオリンパスやフジフイルムの直販サイトで買えますが、高いです。

 しかしながら、ジャンクデジカメの楽しみの大きなひとつが、スマートメディアなどを使っていたような時代の、「現状の技術力に制限を受けながら、なんとか魅力的な製品になるように試行錯誤し、機能や特徴を盛り込んだ」というような、時代の雰囲気を味わうところです。
 なんとか1枚調達したいところですね。


 また、見ての通り、端子が思いっきりむき出しになっています。
 うっかり触ったら静電気でデータが壊れたとか、触ってないけどデータが壊れたとか、ちょくちょくトラブルを起こすメディアです。
 仕方ないんですが、端子に触らないように気をつけてください。


内蔵メモリー


 これはメモリーカードではないんですが、一応追記しておきます。
, 最近の「メモリーカードを入れ忘れても撮影できる」という意味合いの内蔵メモリーではなく、90年代のデジカメ黎明期には内蔵メモリーしか記録先がないカメラが多々ありました。
 どう見てもメモリーカードスロットが見当たらないものがそれです。

 メモリーカード買わなくてもよいんですが、カメラからPCに転送するのに困難が伴います。
 当時なのでUSBにはほとんど対応しておらず、RS-232Cシリアルポートからの転送になります。今どきのPCにはついてません。
 仮にポートを用意したところで、通信ソフトがWindows 95専用でどうにもこうにも、ということも。

 また、2000年ごろに流行った「おもちゃデジカメ」といわれるようなものが、しばしば内蔵メモリーのみです。
 これらはUSBくらいには対応していることもありますが、やっぱりドライバーがないとか転送ソフトがないとかでハマります。

 メモリーカードを挿せないカメラは、今使うのは茨の道になりがちです。
 それを楽しむのが目的でなければ、あまり手出ししないほうがいいと思います。



カードリーダーについて


 大抵のデジカメは、USBでPCに直結してデータを転送できます。
 が、USBケーブルのカメラ側コネクタが独自形状のものが多々あります。付属品がなければ困りがちです。

 なので、カードリーダーを用意するのがベターです。
 コンパクトフラッシュやxDピクチャーカード、スマートメディアにも対応したマルチカードリーダーが便利。わりとどこでも買えます。