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2013年9月14日土曜日

犬山・中山道御嵩宿 (K-01 / DA 21/40mm)

ちょっと前のことになるが、名古屋に行く機会があったので、名鉄の乗りつぶしを兼ねて、犬山から御嵩へと巡ってきた。

カメラはいつものK-01。
まあイロモノというか、PENTAXしかこんなことやらんよなあ、と思うカメラではあるけど、なんだかんだで体に馴染んできてる感じ。





名鉄の犬山遊園駅を降りてちょっと歩くと、木曾川だキソー。
私の住んでるところは大河がなく、しかも自治体が腐ってるせいで公害対策が行き届いてなくて、汚染状況が全国屈指に悪いところなもので、自慢できるような川がある土地にくると旅に来た気になる。

かの有名なる日本ラインの岩石もちょっと見れた。もうちょっとよく見れるとこもあるんだろか。



犬山城方面に歩いて行くと、城山の麓に鳥居。なかなか大物。
針綱神社といって、式内社。
信長のおじさんの信康が、奥さんの安産のために手掘りの狛犬一対を奉納したというエピソードがあるそう。
元々犬山の神様を祀っていた神社が、先の織田信康によってやら、後にももう一度移転をしていて、明治になって織田信康時代より前の位置であるらしい現在地に遷座。


社殿。
なんか軒とかの追加が多い造りしてるような……

犬山城への登山路には、社殿左側からショートカットして入れる。便利。
犬山の麓は他にも神社や寺が複数あって、どれも通り抜けて登山道に入れるよう。



私は体がでかすぎて重いので上り坂は辛いのだが、ともあれえっちらおっちら登って行くと、この門が入り口に。



そして国宝犬山城。偉大なる現存天守様だ。

中は例によって博物館的に整備されているが、もちろん建物はそのまま。
もともと戦国時代の山城で、江戸時代もあくまで尾張藩の付家老だった成瀬氏の城だったわけだから、そう大きくはないけれども。


天守からの眺め。
やっぱり木曾川の存在感が嬉しい。


一度解体修理されている関係か、骨組み模型なんてものが。



いかんせんコンパクトな城で、なかなか見栄えのするアングルをとって撮影できなかった。
実用重視な感じもして、そもそも「ここは絵になる!」みたいなところも少ないかも。私のセンスが悪いか、華美を嫌うもののふの心ゆえかはわからない。

それでもとにかく上段の間は撮っておこう。



どういう経緯でこうなったかはわからないが、入ってすぐのところは屋内に石垣が取り込まれているような造り。
防衛上の理由かなんかだろうか。天守のここまで侵入されたらさすがに守れてないとも思うけども。
あるいは、もう一回り小さかったのを囲うように増築したのか。



外に出てすぐのところには、犬山城ができた頃からあったという杉の老木。
落雷を代わりに受けたり、台風がくれば風よけになったりして、城を守るご神木扱いされていたらしいけれど、1965年ごろに枯れてしまったそう。


木は枯れても、巻き付いたノウゼンカズラが咲いていた。



下山していくと、三光稲荷神社が左手に見えてきた。


敷地は狭いが社殿はなかなか立派。
由緒にはあまり突っ込んだこと書いていなかったが、まあ昔から犬山城主に崇敬されていたそう。



境内末社に、銭洗稲荷神社というのがあって、池のご神水でマニーを洗うと何倍にも増殖するとのこと。
なんという直接的ご利益!



すぐとなりにも猿田彦神社があった。
まあ猿田彦神社だから交通安全なんかに霊験があると思う。
祈祷受付案内看板はあれど、由緒書きは見当たらず……



道を挟んで向かいには、犬山神社というストレートな名前の神社が。
名前から見て地元の氏神様かなー、と思ったら、犬山城内にあった成瀬氏の祖霊を祀る神社だそうで。


木が曲がって参道を塞いでいるという、ちょっと珍しい有り様。
二の鳥居にも大きな蜘蛛が堂々と巣をかけていて、参拝者はしゃがんでよけないとくぐれない。
まあ祖霊社だし、祀られてる成瀬家歴代の面々も、別に余所者がうじゃうじゃ押し寄せてくれなくてもいいと思ってるわけかな。


ここから、犬山城正面の商店街に入る。
別に昭和平成のアーケード商店街とかでなく、城下町らしい風情を残した商店街になってるそう。


いきなり甲冑工房なんてのが。入ってみると、文字通りで甲冑を作っていた。
ただまあ、別に成瀬の殿様や織田信康が有名な甲冑をつけてたなんて話も聞かず、飾られていた甲冑にもなんか真田の六文銭がついた赤塗だったりして。



犬山城三の丸武術稽古場、というところは、からくり人形の展示館になっていた。
(中の建物は別に古いものではなく、鉄筋コンクリート)

犬山では祭りにからくり人形を使うそうで、それで色々あるみたい。
ちょっと私はからくり人形の知識が全く無いので、ここのが秀作なのかどうかはわからず。作品それぞれへの解説はあるけれど、からくり人形というものへの解説はなくって。

斜向かいに市立の「城とまちミュージアム」という博物館がある。
こっちはオーソドックスな市営博物館という感じ。


城下の道を城向きに。
これはかなり城近くで、城と麓の神社の鳥居が見える。
ここからもっと南、犬山駅方面に歩いて行くが、そうするとちょっと町並みに商売っ気が出るというか、観光客を迎える体勢、という感じになってくる。

観光街っぽくなる少し手前のところに、なんだか、別にレトロ調とかでもなんでもない、昭和末か平成初期くらいに時代なりに建てた感じの四角いビルがあり、そこに食事できるとのぼりが立っていた。
みそカツ定食が出るということで、まあこういうのでいいんじゃないかな、と直感してイン。


入ってみるとおじいさんおばあさんが多分夫婦でやってる。

で、まあ……その、極めてふつうの味というか、特別さを感じさせないみそカツだった。
しかし店の中がなんというか外観通りで、レトロ風を狙ったりなんか全然してないけど、でもなぜか飾ってある昭和時代の幼児向け玩具(ピンクの服の赤ちゃん人形とか、確かマジンガーZとかのおもちゃとかそんな)とか、時間の流れがいびつになっている。
テレビでNHKがイプシロン打ち上げのニュースをやってると思ったら、おじいさんがチャンネルを変えて、大阪でもお馴染みの吉本の番組になったり、そんなマイペースさもまた。

なんだろう、ちょっと不思議な空間だったな。


その先は、レトロ調の店構えに観光客向けの飲食店や、時には若者向けのアクセサリーショップみたいなものも交じる商店街になっていた。
まっとうな意味で観光地として頑張ってるなあ、という。


犬山駅にたどり着いて、もう九月も半ばだというのにかなり暑さが盛り返していた日だったので、ここまで歩いて汗だく。
駅前のイトーヨーカドーでTシャツ一枚購入。

名古屋から犬山までは名鉄犬山線というので来て、ここからは東に広見線というのに乗る。
途中で「日本ライン今渡」なる長い名前の駅を通り過ぎ、新可児駅へ。



新可児駅は、中間駅なのに櫛形ホーム。ここで乗り換え。ここからは単線になる。
犬山方面から御嵩方面へ直通の列車もあるらしいけど、ここで前後の向きが変わることになるな。



御嵩駅到着。


駅舎はこの通りで、駅員室だったらしいスペースは無人化で浮いてしまい、代わりに観光案内所が入っていた。

身長174cm以上だったか、それくらいで鴨居に頭ぶつけると警告があったのだけど、私はもちろん油断してぶつけた。
中に居た案内のおかあさんに笑われてもうたわ。


さて御嵩宿、もらった観光地図を見ると、駅前にある程度の施設、あとはずっと中山道沿いに山の方に歩いて行ったら色々出てくる、という雰囲気。
それも一興ではあるのだけど、帰阪の都合もあるので今日はちょっとむずかしい。


駅前に、伝教大師が開いたという「蟹薬師」なるお寺がある。
815年に投獄巡賜をした折に、この辺りでできた信者に布施屋(無料の宿)を開かせて、そこに薬師瑠璃光如来像を彫って安置していったのが始まりとのこと。
蟹薬師はもちろん通称で、大寺山願興寺という。

立派だけど年季が入ってて、なかなか趣ある。良いお寺ね。


すぐ近くに中山道みたけ館、これは図書館と町立博物館のセットになったような建物。
昔は亜炭が出たとか、ラクダがやってきた時にすぐ隣りの伏見宿に逗留したとか、隠れキリシタンがいたとか、さすが宿場町だけに変わった話が色々ある。



隣には「竹屋」という商家が残っていて公開されている。


機織りの実演をやってたり、部屋の中まで入っていける。
廊下で部屋を区切る、というのは明治になってから現れ始めたそうで、ここも廊下は外周だけで、部屋はふすまだけで分けてある。


で、ちょっと物足りない感はありつつも時間もないので、気が早いけど駅に戻る。
ただ御嵩駅から帰るのも安直なので、ちょっと足を伸ばして隣の御嵩口駅まで歩いてみた。


うん。いい。
でも切符の自販機はあるよ。

広見線、特に新可児~御嵩間はやはり赤字で、廃止が囁かれているとか。
そしてそういうところでは例によって、「乗って残そう」という呼びかけが起こる。
その呼びかけ文句も「いつ乗るの? 今でしょ! どこから乗るの? 御嵩口駅からでしょ!」と、トレンディだった。


日本国民全員の一員としてささやかですが協力させていただきました。


ここから広見線で犬山に戻り、犬山から各務原線に乗り換え。
一度かかみがはら航空宇宙科学博物館に来たことがあるから、この線は初めてではないと思うんだけど、まあ再度。
岐阜まで来て、名古屋本線にちょっと乗って笠松駅から、岐阜羽島方面へ。



岐阜羽島から新幹線乗るのは初めて。
しかしなんというか、名鉄もここまで2両編成とかで走ってたし、あんまり乗客多くなさそう。
駅ナカにも、のぞみが停まるような華やかな駅と違って何もない。
うーん……。


ともあれ、一度こだまに乗ってのんびりといこうか、と思ったけど来たのはひかりだった。
またこだまに乗りそこねてしまったな。しょっちゅう「こだま乗ろう」と思って、でも乗り合わせ悪くて乗れないのだ。



あ、ソーラーアーク。

しかし、これ設立の経緯からいって、決して自慢するようなものではないんだけど、三洋をパナソニックが吸収した時にはなぜか真っ先に、ソーラーアークのSANYOロゴをPanasonicに替えてたのよね……