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2014年5月24日土曜日

住吉区など (FinePix F11)

 2005年に大ヒットしたFinePix F10の後継モデルたるF11。

 新型のスーパーCCDハニカムV HRで、他社製品では設定すらできなかったISO1600の高感度が、十分鑑賞に耐えるほどの高画質で利用できることで大ヒットしたF10に、ソフトウェアを更に改善して出してきたのがF11とあって、こいつはどれほどのもんだろうなと興味津々で試用してきた。




絶滅危惧種の鳥・ポンパ君
マクロだと結構背景はボケる。
マクロで最短5cmまで寄れる。
しかし、AFがどうも奥に合いがちで、カタログほど寄るのが大変な感じ。

ただこの個体、前のF700と同じくまたテレ端だけ妙に甘い。
今回は甘さがカットごとに違うので、AFが怪しい気がする。テレ端で、わりと近めの距離になら合焦するけど、遠景はピントがこないような……。
広角端では特に問題には見えないけど、また何らかのレンズトラブルがありそう。マクロ頼りないのもそのせいかもしれない。


JR阪和線・堺市駅からぶらぶら北に歩いて、大和川を越えて住吉区に入ろう……としてみたけれど、どこから渡るかわからない。
仕方なく、浅香駅からひと駅電車に乗る。

浅香駅ホーム北端から。川岸ギリギリくらいまである。 
テレ端開放をポートレートで使ったとしたら、大体これくらいボケると思う。
どうも、テレ端で遠景にピントを合わせようとしてもダメっぽい。故障か。
駅はテレ端で撮っちゃったカットばっかだ。これは割とまし。

ひと駅移動して杉本町駅へ。

JR阪和線の大阪市内エリアは高架工事が進んで、隣の我孫子町駅まで建て替えられてしまった。
しかし杉本町駅だけは、私が知ってる15年前の姿とあまり変わらない地上駅。

杉本町駅からさらに北へぶらぶら歩いて行く。
このへんは住宅地で、線路沿いなんかには特に何もない。

我孫子駅近くまで来て、我孫子観音に参拝。

看板の案内に沿って来たら裏手から入ってしまった。
どうも比較的オーバー気味で、パっと見華やかな写りになる。
特に、こういうオーバーになって当然なカットになると極端に白飛びが出ちゃう。

観自在楠と名付けられた、室町中期から700年弱くらいの樹齢という楠。
我孫子観音の本堂。
宗派は、観音宗という独立宗派でやっている。
創建は546年と古く、日本最古の観世音菩薩寺院。
明治時代に火災でだいぶやられて、その後復興。寺院の歴史の割には境内に古さはない。
我孫子観音の山門。

この後、自分でもなぜだか忘れたけれど北西に歩いて行ったようで、阪和線を越えて南海高野線の沢ノ町駅近くに来ていた。

すると、止止呂支比賣命神社という神社にばったり。


こんな逆光でこんな写りなら上々ではある。
祭神は素盞鳴尊と稲田姫命。
いつできたかは不明だけど、延喜式には載っている。住吉大社の奥の院とされていた。
境内に清水の湧く「轟池」があって、轟橋が掛かっていたのが名前の由来だそう。
欄間のような感じの、しかしえらく立体的な彫刻が飾ってあった。
クリックすると原寸。ISO1600の等倍切り出し。
縦縞が出るけど偽色は少ないし、2006年あたりの製品としては確かにすごい。
境内摂社の霰松原荒神。
元は延喜式にも載っている天水分豊浦命神社といって、もっと海の方の安立町にあった。
江戸時代の研究者・並河誠所が、延喜式内社の場所を特定する活動をしていた。
わかったところには碑を建てて回っていて、大阪周辺に全部で20箇所あるそう。
後鳥羽天皇が熊野行幸の折に行宮を立てたことがあり、その記念碑もある。

ここからさらに西にぶらぶら歩いて行くと、熊野街道にぶつかったので北上。

ふと東側の路地を見ると、何か木立が見えて、小さな神社でもあるかと近づいてみた。
すると神社じゃなく児童公園の植木で、外れかと思いきや看板と石碑が見える。
一休さんが応仁の乱を避けて京都から堺に来ていて、外れのこのあたりに庵を結んでいたそう。
いつにもまして漫然と歩きまわっていたが、さすがにかなり距離も来ているので、そろそろ帰ろうと住吉大社を回りこんで阪堺線に向かう。

一運寺という古寺。聖徳太子が開いて、伝教大師も立ち寄ったことがあるという。
法然上人も、讃岐に流されるときに一度船が難破して住吉に流れつき、ここに滞在した。
境内には、赤穂浪士の墓がある。
かつて住吉にあった龍海寺に四十七士全員の墓石があった。
しかし龍海寺が廃寺になってから散逸し、一運寺の住職が保護した頃に残っていたのはこの3基のみ。
中央が大石内蔵助、右が大石主税、左が寺坂吉右衛門。
一運寺の近くにある生根神社。
今となっては住吉大社の影に隠れてるけど、式内大社。


さて今回の、FinePix F11。

どうも撮ってて気になるのが、ちょいとオーバー気味にでる露出。
フジフイルムって、製品の想定客層に合わせてばっさり割り切ったようなモノづくりをする節がある。このオーバーな露出は多分、そのほうがウケのよい素人さんを狙ってのものと思う。
FinePix F10は、スペックその他を見る限りフルオートのファミリーカメラだったから、この画質も狙い通りなんだろう。F11もそれを踏襲しているだけ。

上の写真を見ても、華やかに明るい。コントラストも強め。
全体的にオーバーなところ、「こういうカットならオーバーになるだろうな」という時は、さらに大オーバーになっている。

ただ、F10はもうフルオートカメラなんだからそれでいいけど、F11は、絞り優先・シャッター優先を備えて画作りを考えて撮影できそうな気がするカメラだ。
そういうこと考えるタイプのユーザーには、このオーバー露出はちょっと気になる。


じゃあ露出補正使いたいのだけど、まさかのメニューの中。
メニュー出して下2回、右1回で補正に入り、そこから上下で露出をずらす。めんどくさい。とても頻繁に使えるインターフェースとはいえない。
露出補正をこまめに使えないようなカメラは、画作り考えるようなユーザーには適当でない。

AEブラケットがあればいいのに、ない。

どうもちぐはぐというか、「フルオートカメラに、取ってつけたように絞り優先・シャッター優先オートをただ足した」という感じがありありと。


他にも、フジ伝統の「何も設定できない完全オートのオートモード」と「露出補正やホワイトバランスが触れるマニュアルモード」という区分けに、取ってつけたようにAモード・Sモードを足している。
すると、普通のカメラ言語なら「プログラムオート」とか「Pモード」であるべきところに「M マニュアル」という異様な表現になっている。絞り・シャッター手動の、普通にいうMモードはない。
さすがにこれは、カメラメーカーとして疑問持たなきゃいけないとこじゃないかな……

また、A・SモードではISOオートが使えず手動設定になる。
そうすると、「動くものを止めて写したい」と思ってシャッター優先にして、1/1000秒に設定していざ撮ろうとすると露出が足りない、Fメニューから感度出して上げて……と、不便。

まあ、ほんとにじっくり撮るなら、Aモードにして絞りを決めて露出を確認、アンダー・オーバーになるならメニューを掘って露出補正、さらに手ブレが気になるならFメニューを掘って感度を上げて、と、できることはできる。
しかし、どうにも操作が煩雑でたまらない。
ここまで煩雑だったら、Mモードのほうがいっそ操作が簡潔になりそうなくらいだ。でもMなし。


すごく正直にいって、使って不満ばっか出てくるような操作性のカメラだった。
多分、最初からフルオートだけとわかってるF10を触ったんだったら、高感度画質の良さだけに目が行って、こりゃ良かったと思ってたんだろうなあ。
この中途半端なマニュアル撮影ができるF11の方を触っちゃったから、とっ散らかった操作性が気になって気になって。こんなん、絞り優先オートを求めるような客が許すはずがないぞ。


まあ、オートで撮るなら良い出来。
今時の完成されたデジカメと比べても、画素数以外は特に遜色がない。
起動も早いし、ボディの厚みがちょっと今時よりは大きいけど十分コンパクト。その分電池がバカでかいから、バッテリーライフも安心。液晶も大きくてきれい。
安い機種ではないこともあり、筐体もかっちりしている。

高感度画質だけでいえば、今でもローエンドモデルだとISO1600で比べたら負けるかも。
これだけソツのないカメラに、この高感度画質があれば、そりゃ評価高くなろうと思う。