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2012年8月4日土曜日

映画「死刑弁護人」 - 新大阪界隈 w/ Xacti J4

映画「死刑弁護人」を見てきた。

それから十三から新大阪にかけて散策。
お供のカメラはSANYO Xacti J4。


今度もまた第七藝術劇場へ。
ここによく行くというとまるで映画通のようだけれど、単にここでやるような映画に興味をもつことが多いだけで、映画を見ること自体は人並みより少ない。

死刑弁護人」がどういう映画であるかについてはリンク先の公式サイトを参照のことだけれども、実に興味深い内容の映画だった。
感想としては、サイトにある大谷昭宏氏のコメントとほぼ近い。
私が死刑に賛成か否かと聞かれれば、廃止になるならそれでもいいけどあってもいいだろう、くらいの消極的賛成ではある。人には、人の死を望むほどの憎悪を持つこともあると思うし、それが正当なこともあろうと思う。
しかし、死刑を執行して冤罪でしたでは済まない。死刑賛成というなら、被告が十分に弁護されて事実が可能な限り明らかにされ、公正な裁判が行われているなら、という条件は付けないといけない。
もし安田弁護士のような人がおらず、マスコミやその向こうの世評が死刑だ死刑だと叫ぶのにあわせて、事実も曖昧なままに死刑判決が降りるような状況であれば、死刑賛成だなんて怖くて言えない。
逆説的に、安田弁護士あってこその死刑賛成だろうと思う。

公正な裁判が行われない状態がどんなものかを見たければ、今のインターネットの、一方的な正義が断定的に語られ、それに基づいて人が攻撃され、しばしば冤罪を起こし、しかし私刑の誤りが誰も誰からも罰せられることがない、そんな有様からある程度は推測できるかもしれない。



映画を終えて、十三の街。
前に三島由紀夫の映画を見に来て一回りしたことがあるので、違う方向にぶらぶら歩いて行く。
まだ昼過ぎだというのに、もう浴衣を着込んで淀川花火大会に向かう人達が大勢。この恐ろしく暑い日に、陽の高いうちから人混みに行くとは……


大阪あそ歩の新大阪コースを参考に当たりをつけておいたところへ歩く。
十三駅の東側に出て、ちょっと行くと神津神社……はこの前行ったので、阪急宝塚線の線路にそってどんどん北上していく。



新幹線の線路にもう少しで交差するくらいまで北上すると、野々宮稲荷大神という小さな神社がある。
神社自体は小さなお稲荷さんだが、昔はここらの若者は、この神社の力石を持ち上げて力がついたことを示して、大人の仲間入りをしたそう。
しかしなにやら大きな石碑があるのに気を取られて、力石は見落としてしまった。いくらなんでもこの石碑は人力で持ち上がるまい。
そしてこの石碑も、絶妙に植え込みに阻まれて内容がわからない。写真に撮ったつもりが全然撮れてない。


ここからちょっと東へ。


立森瑞神、という神社?がある。
野中の巳さん、といわれていて、大正の末頃、複数の村人が「自分を祀れば水不足にならないようにしてやる」という大蛇の夢を見て、神のお告げに違いないと建立したのがこの神社?だそう。
神社?と書いてるのは、見た感じ神社っぽいんだけど、どうも微妙に違う。水子供養の案内が出ているが、それはお寺がやるのが普通じゃなかろうか。
神社本庁に属しているわけでもないようで、地図で見ると「宗教法人立森教会」とある。その名前をぐぐってみると、和宗の仏教寺院らしい検索結果が出た。
和宗は、日本初の仏教寺院である四天王寺が名乗っている宗派で、その後の南都六宗や平安二宗・鎌倉新仏教ぜんぶひっくるめて日本の仏教の祖、というような意味合いだそう。


なんだか不思議な神社?だ。
周りは七変化が植えられていた。


さらに東に行くのだが、すぐ近くがJRの車両基地のようなので、沿って歩いてみる。


来ると柵じゃなく壁だった、とおもいきや、もう少し東に行くと壁が切れる。


地図で見ても明らかに一本だけ分岐した線があるのだが、どうやら転車台があるようだ。
写真左の方に写っている。肉眼で見てると、ちょっとした橋のようなものかと思っていたのだけど。
すると向こうに見える円筒形のタワーは給水塔か。


停車中の車両を眺めながら歩いていると、新幹線が通りかかったのであわせて一枚。
被写体のせいもあるけれど、かなり目立つ感じの糸巻き歪曲。


なんだか見慣れているようで見慣れない車両が多い。北近畿あたりを走る車両だろうか。
左のは、何度も見ているはずなのに、どこで見かけたのかいまひとつ思い出せない。調べてみると113系のようだし、いつでも見てそうなのだけど……。
右は特急こうのとり……かと思ったけど、こうのとりは側面が赤ラインのよう。青ラインはくろしおに使ってるそうだ。

私はちょっとモノの形態識別が下手なので、列車をすぐ見分けられる鉄のひとと、第二次大戦中の戦闘機をすぐ見分けられる軍事マニアのひとは尊敬するものがある。


なんか客車みたいなハコを一台だけ押して、電気機関車DE10が走ってきた。
ハコはオハネ25と書いているので、3段B寝台客車だそう。濃い緑に黄色のライン、トワイライトエクスプレスに使ってるもののよう。
DE10は構内作業用なんだろう。


もうちょっと東に行くと、光用寺というお寺に行き当たる。真宗佛光寺派。
747年に行基が開いたという実に古いお寺であり、必殺・旋風剣いやぁぁぁで知られる悪七兵衛・平景清の墓がある。
あいにく開門しているようではなかったので、中の参拝は遠慮した。



さらにちょっと東に、さいのき神社というのがある。
淀川がしばしば氾濫して水害に苦しんでいたこのあたりの村で、三人の庄屋、山口村の西尾六右衛門、北大道村・澤田久左衛門、新家村・一柳太郎兵衛が幕府に治水工事を直訴したところ、許可が出た。
しかし幕府は、費用は全額農民が持て、と無茶苦茶を言う。水害で苦しんでいる農民がそんなことできるわけがないからと、さらに資金を嘆願したら、工事許可を下げられた。
怒った三人の庄屋と農民たちは、私財を投げ打って無許可工事を敢行、一気呵成に9.5キロもの長さの堤防をわずか50日で完成させた。
そして三人の庄屋は、無許可工事の責任をとって、細目木(さいのき)といわれたこの地で、江戸を睨んで自決して果てた。


ビルの間の小さなお社であるが、相当な怨念が篭っていそうである。
関東人、特に武士の末裔というような人は気をつけるのがよろしかろう。


このすぐ東が新大阪駅。
そこから帰路へ。



今日のXacti J4は、実に使用感がよかった。
まあ今日日のカメラにすれば分厚いが、液晶の大きさが今ほど巨大でないから、上下が短い。全体として、スティック状の形になっている。ポケットでもどこでも、結構収まりよく入るので、邪魔になりにくい。
左右に長い形なので、指の持って行きどころに困るようなこともない。

液晶は1.8型だが、60fpsでぬるぬる動くし、この真夏の日差しの下でも見やすい。良い液晶。

前面にスライド式レンズバリアがあって、それがスイッチを兼ねたタイプ。私はこのタイプが好き。
小さなボタンスイッチを指で探すよりよほど迷わず操作できるし、電動式の薄いレンズバリアなんて一番壊れやすいパーツなのに対して、こういうタイプのバリアは極めて頑丈。
まあ、オリンパスのローエンド品みたいに安作りにすると、動きが渋くなったり、スイッチが壊れてしまったりもするのだが、このXacti J4は、すっきりした形状の割に、動きはなめらかでへんなガタもない、かっちりしたもの。

ボディもフルメタルで、前面はヘアライン加工。
シンプルで美しいデザインに思うし、プレミアムな高級感はないにせよ、安っぽく思わせる隙はまるでない。
強いて言えば、イルミネーションライトがいろんな色で輝きまくるのがちょっと異様だが、これはオフにできる。

スイッチを入れると、瞬時に起動する。
もともと三洋のカメラは高速動作がウリだったものだが、周りも高速化が進んだ2004年の製品ともなると、起動も撮影間隔もボタンのレスポンスも終了も再生も、何もかもが素晴らしく速い。
カメラまたは私がもたついてしまうものだったら、通りかかったDE10は撮れていなかったか、せいぜい広角端で画面に納めるのがやっと。望遠端で型式読めるほど引き寄せては撮れなかっただろう。
スライドバリアスイッチのカメラに沈胴式レンズがつくと、起動はワンテンポ遅れ、終了に至っては2アクション必要になるのが難だが、Xacti J4は屈曲光学系でレンズが出ない。組み合わせとしては好ましい。

十字キー左右ですぐ露出補正もできるし、プログラムオートのみながら、絞りとシャッタースピードは表示される。手ブレを気にするタイミングなども明確で、好ましい。
コンティニュアスAFもあり、パンフォーカス固定もできる。そしてレリーズタイムラグはないに等しい。とにかく撮りまくるスタイルのスナップにも対応できる。
ISO感度は50~400で手動設定できるし、マルチAFとスポットAFも変更可能。
操作性はまったく上々。

強いて言えば、撮影後のプレビューを見たい時は、そのままシャッターボタンを離さず押し続ける、というところが、他社のスタンダードとは異なる三洋流。慣れの問題ではあるが。
それから、前のXacti J2ではモードダイヤルに光学ファインダーモード(液晶オフ)があったが、今回はオプションメニューから切り替えるようになっている。
J4にもモードスイッチ自体はある(スチル・ムービー・再生)んだから、光学ファインダーモードも欲しかったな。


またデジカメには珍しいところでは、高輝度LEDがついていて、マクロ撮影なら真っ暗でもできる。
暗いバーで撮影してみたが、このとおり、綺麗に写せる。
携帯電話には当たり前の機能だが、Xacti J4はレンズ前2cmまで寄れるスーパーマクロレンズでもあり、これまた相性がよい。

快晴だった上に森の中などに足を踏み入れず、またバーではアシストライトを使ってしまったので、暗所がどうなるかはよくわからない。
基本感度がISO50だから、ISOオートの増感がどれくらいでどこまで行われるかによっては、雨の日などには悲惨なことになる可能性もある。まあシャッタースピード見えるし、ISO感度手動設定もできるから、どうにかできるだろうけど。

……と、本当に私にはすごく好感の持てるカメラだったのだけれど、それにしても、このレンズの悪さはあんまりにも辛い。まったく惜しい。
まあ順光で撮ってる分には色の出もよいし、まずまず解像感もある。ギラギラにこってりした色乗りじゃないにせよ、夏の暑い真昼の景色はよく出ている。

しかし、広角端は量的には酷くないけど、どうも落ち着かない樽型歪曲。望遠端の糸巻き歪曲は、明らかに量が多くてよく目立つ。なんか、アーチ状に曲がってるんじゃなく、くの字型に折れてるような感じがある。
そして悲しくなるほど逆光に弱い。なかなか見られないレベルでゴーストがバババババと。
DiMAGE X20とか使った時にも思ったのだけど、やっぱり屈曲光学系は厳しいんだろうか。ミノルタでもぐっだぐだとなると、どこがやってもダメじゃないかという気もしてくる。

実はまあ、屈曲光学系が画質的に不利ということは、昔から知っていたというか固く信じていたので、新品で買う候補からはずーっと外し続けてきた。
他に手元に、FujifilmのFinepix Z2と、NikonのCOOLPIX S8があるが、この2つを試してみて、どっちもレンズが悪いと思えるようなら、もうその思い込みは事実だと確定させちゃうことにする。