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2013年3月23日土曜日

まんがタイムきららミラクの掲載状況調査(創刊号~2013年5月号)

ふと気になったことがあったので、まんがタイムきららミラクの作品掲載状況を調べてみた。

いや、何が気になったって、いつの間に「メラン・コリー」が載らなくなってしまったんだろうと。




クリックで拡大。2013年6月号の「Lisa Step!」が抜けてるけど、ちゃんと掲載あり。

掲載されていた作品には○。
表示を飾っていたら「表」、目次ページに休載だと明記してあれば「休」。「しばらく休載します」と書き残されていたものは「暫」とした。

「メラン・コリー」は、どうも単行本第1巻が出る頃に続けて休載して、そのまま立ち消えてしまったよう。
私の趣味では、ミラク掲載作の中でも上からいくつくらいのところにいたのだけど、惜しいところ。


表にして見てると、まあ感じる所がいくつかある。

ストーリーマンガ調作品と隔月掲載

ミラクは当初隔月刊で5号までやって、6号から月刊化された。
そして6号から、隔月連載になった作品がいくつもある。


ミラクは当初、「もっと、自由に四コマを。」といったコピーでもって、これまでのきららで読者が慣れているようなパターンから外れた、新しいものを載せようという意図があったように思う。
で、いつもはこれといったストーリーがない作品が多い所、かなり壮大なSF調ストーリーを広げた作品が出てきた。


大きなストーリーのない従来の萌え四コマなら、キャラと人間関係だけ大体わかっていれば読める。
しかし、ストーリーがあるとなると、舞台設定や行動目的も掴んで、かつ前回までどこまで話が進んだかをちゃんと掴んでおかなきゃならない。前どうだったか忘れる、ということが許されない。

で、こともあろうに、そういうストーリー色の強い「Seed」が隔月化になった。
これはちょっと割りを食った感があるなあ。単行本で読まないとわかりにくい作品にされてしまったかも。
「きしとおひめさま」もまたストーリー色が強いが、しかし2ヶ月に1度のペースで休載する。損してるなあ……

ゲスト原稿の扱い


きらら系には、とりあえず新作の第3話までは「ゲスト」という扱いで掲載され、人気が出るようなら4話から「新連載」といって続きが載る、というしきたりがある。

ミラクは、ゲスト原稿の割合が多い。
キャラットやMAXだと、毎月24本前後の作品が載っているが、ミラクは19本前後しかない。
(ページ数はどっちも同じ220ページだけど、ミラクは10ページ連載が多い。MAXやキャラットは8ページが多くて6ページもある)

それでいて、ミラクのゲスト原稿は少なくて3本、多いと7本、平均5本くらい載る。
キャラットやMAXは、あまりちゃんと数えてはいないけど、多く見ても同じくらいの平均5本、もうちょっと少ないかなというくらい。


キャラットやMAXの場合は、以前十分に人気がある連載をやっていた、安定した実力のある人が、慣習に従ってゲストから始めてる感じのものも多い。
ミラクの場合は、まだそういう実績を積める期間が過ぎてないので、ゲスト=ほぼ新人さんとなる。

新人だったら即ダメだというような話ではもちろんないのだけど、ゲストから連載として定着した事例が、ミラクには随分少ない。
ゲストとして掲載され始めた作品は32作。まだ連載化するかがわからない5作(「おふとんランデブー」「おゆうぎ小町」「ラブリストリズナー」「暖色タイム」「らくれすがーる。」)を除くと27作。
で、定着したのは5作しかない。
「TEI OH-!」「城下町のダンデライオン」「わたしと姉は正反対」「寄り道ファミリ」「飛ぶことを許された迷路」だけ。

実に22作も、ちょっと載ってそのまま消えていったことになる。
ちゃんと数えてないけれど、実績ある人の新連載もゲストになるキャラットやMAXでは、こんなに定着率が低いことはなかろうと思う。
(……といいつつも、3回で終わるゲスト作品ってあまり印象に残っていないことが多く、キャラットやMAXでも同じような割合で消えていても気づいていない可能性はあるけれど)

単発ゲスト

ミラクの場合、月刊化とともに5本の隔月連載が出たが、これがどういうわけか、奇数月に4本と偏っていた。
偶数月にはゲストの需要が増え、奇数月には減る。

その結果、新人さんのゲスト掲載だというのに、3ヶ月続けて載るのではなく、飛び飛びになってしまう事例が多かった。
これは新人さんには逆風だったんじゃなかろうか。

また、1回きりしか載らなかったものが8本。
最初からその予定だったか、単に本数合わせでそうなっちゃったのかはわからないけれど。
状況的には、とにかく1ヶ月の足りない分を埋めるために、という作品が増えてしまう土壌はある。
(というか、「きしとおひめさま」が休載した時に1回きりの作品が載るケースが多い。8本中5本)

まあ、1回きりの作品のあと、同じ作者が別の3回続くゲスト作品を書いてるケースが多い。
描く機会があるのに別の作品になるということは、これらは最初から1回だけだったと見てもいいかもしれない。
  • なつきゆう「けーたろいど☆コミュニケーション」(1回) → 「ゆめおいドミトリー」(3回)
  • ぼるぴっか「みかりんバイトデイズ」(1回) → 「エスパー女子高生さえか!」(1回) → 「柳暗花明」(3回) → 「ラブリストリズナー」(2回)
  • むうりあん「ナニソレコワイ」(1回) → 「おふとんランデブー」(2回)
  • さくらいす「スター☆コンプレックス」(1回) → 「メイドなボクとお嬢さま的あるじ」(3回)
  • ちょこらて「塩味Life!」(1回) → 「Eイズム」(3回)
  • 石見夕/よしだひでゆき「青空」(1回) → 「暖色タイム」(2回)

単行本化について

まんがタイムKRコミックスの単行本は、大体いつも一冊120ページで出る。
で、毎月の連載が8ページなら、単純に割ると15ヶ月分。実際は、12~4ヶ月+描きおろし+あとがきや奥付など、という構成になるよう。
ミラクの10ページで連載している作品なら、10~11ヶ月分あれば1冊になる。

私がミラクで単行本を買ったのは「Lisa Step!」「月曜日の空飛ぶオレンジ。」「幸腹グラフィティ」の3つ。
創刊当初から休みなく掲載されていた前者ふたつは、12年8月号までの11回分が1巻に収録された。「幸腹グラフィティ」は、10回分で1巻になっている。

「メラン・コリー」は連載12回で立ち消えてしまったから、おそらく単行本1巻に未収録の回ができてしまっていそう。
「Seed」は11回分で1巻が出て完結。

3巻はどうなるか

創刊以来、一度も休まずに連載している作品は3作。
「桜Trick」「夜森の国のソラニ」「月曜日の空飛ぶオレンジ。」の3作で、いずれも最新号では10ページあった。
「Good Night! Angel」「Lisa Step!」も、休みは1回だけ。
現在、通巻20号。

きらら系萌え四コマの過去の実績として、単行本2巻で終了することが多い。
8ページ連載で24~28回くらい、10ページ連載で20~22回程度というのが、終了にちょうどいいタイミングになる。

今月号のどの作品にも、「来月で最終回」という告示はない。
すると再来月、連載22回をもって終了する作品が出始めそう。

もちろん人気が高ければ、2巻の壁を超えて晴れて3巻以降に突入することもできる。
しかし「月曜日の空飛ぶオレンジ。」が人気作かといわれると、ちょっとそうとは言いにくいように思う。掲載順位も後ろが多い。
私は単行本買ってるくらいだから大好きなのだけども。シュールな発想と、それを絵にする、ちゃんとコマの中を奥行き持たせて描ける高い画力。
でも、まー、難しいのかなあ……


「桜Trick」の方は、これは尖った作品が多いミラクの中では、通常のきらら系萌え四コマの読み方で対応できるわかりやすい作品。
百合色は強いけれど、相応の人気はありそう。掲載順位も前のほうが多い。

しかし、表紙を飾った実績がない。
まあ、MAXやキャラットでも、表紙になったことがない長期連載はあるから、表紙が必要条件というわけではないけれど。
ただ、キャラットなんか、ひだまりスケッチにGAにキルミーベイベーにAチャンネルと、アニメ化された強大な既存作を押しのけて表紙になるといえば大変。だから「はるみねーしょん」と「セカイ魔王」は2巻超えてるけど表紙はない。
ミラクだったら、表紙になることがそこまできつい壁ではないように思う。実際、「幸腹グラフィティ」は単行本が出るタイミングで表紙にねじ込んで行ったわけだし。

一方で、創刊以来の連載だし、現状のミラクは連載の弾不足感もあるから、残すという判断を取ってもおかしい気はしない。
どっちに転ぶかは難しいなあ。

(追記訂正)
うっかりしていたけれど、「桜Trick」は2巻が2月27日時点でもう早々と出ていた。失敗。

(追記訂正)
ミラクだけ見てこの記事を書いた時にはわからなかった誤認などもありました。