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2012年1月28日土曜日

天王寺動物園 w/ CAMEDIA C-740Ultra Zoom

近鉄百貨店阿倍野店で、カメラ市があるというので出かけてみることに。

友人と落ち合って市を冷やかし(買いたいものがあればもちろん買うのだが)、そのまま天王寺動物園でも行ってみようということになった。
そうなると、持ち出すカメラは望遠の効くやつがいいな、と、OLYMPUSおなじみの高倍率ズーム機たるC-740UZを持ちだしてみた。

C-700UZ系高倍率系は結構好きなシリーズで、まだ普通に中古価値があった時期から700と720は買って使っていた。
なんだかんだいって、高倍率ズームは楽しい。
近頃の、デジタル歪曲補正まで盛り込んだ小型10倍ズームとかは、どう見てもレンズ性能が悲惨でとても買いたいと思えないのだが、C-700UZ系はでかくて真面目なレンズだから、700も720も写りに不満なかった。




まっすぐ行くのもちょっと歩き足りないなと思い、ちょっと外して南海本線天下茶屋駅に下りてみた。

商店街を抜けて東に歩いて行くと、天下茶屋聖天(聖天山正圓寺)という寺がある。
駅から真っ直ぐにそれっぽいところにアプローチすると、聖天山の北側半分にある公園に出てしまった。正圓寺は山の南半分だ。

このj公園、数年前まではホームレスのテント村状態だったらしいのだけれど、今はすっかりなくなってしまっていた。
近辺は住宅街だから、近隣住民がその状態を嫌がって、行政が追い出したのかもしれないなあ。
ホームレスを汚らわしいとか危険だとか面と向かって言い募るようなことは私にはできんと思うが、しかし居させてやれと近隣住民に向かって訴えるようなこともまたできないだろうから、どうも何も言いがたい。


公園から、聖天山の東側へ迂回すると、正圓寺の裏手からアプローチすることになってしまった。
なので、いきなり奥の院。
どう見ても神社だが、寺の奥の院であるらしい。
この唐破風っぽく笠木の曲がった鳥居、珍しいようでたまに見かける気もするけどやっぱり稀にしか見ない気がする。

これは、八本松龍王社という。
聖武天皇がこの地を訪れて、五穀豊穣を祈って松を植えられたところ、それが八又にわかれた大樹に育った。そして元禄時代、常如という僧がその松に白龍が降臨したのを見て、社を築いて祀るようになった。
その松は太平洋戦争で社もろとも焼けてしまったそうだが、戦争まではあったのだなあ。


他にも複数のお社がある。
左写真は少し高いところにあり、神社っぽいのだが、仏教系の稲荷信仰で祀られるダーギニーを祀る。
右写真は八本松龍王社の裏手で、真ん中のは松虫塚白龍神社とあったが、他のふたつは何かわからなかった。


こちらは石切神社の分社だそう。


西側に回りこんでいくと、正圓寺。
開山は939年だそうだが、当時はもっと東のほうにあって、般若山阿倍野寺の一坊に過ぎなかった。それからあれこれあって、元和の役で兵火にかかって衰退。元禄の頃にここに移転してきて、奥の院でも名の出た常如和尚らの活躍で盛んになった。


境内はなんというか、奥の院の有様からも想像できるように、神仏習合されまくり。
この山頂の印は、「大阪五低山」というのが選定されたとき、この聖天山も入っていたので、ネタに付き合う形で立てたとかで。


猫がいたので、自慢の10倍ズームで狙ってみた。



ここから阿倍野までぶらぶら歩いて、友人と合流してカメラ市へ。

いきなりニコンS3オリンピックモデルとかコンタレックスとかの、真っ当で高価なクラシックカメラがお出迎え。
どの店も、およそクラシックなライカや舶来品、ニコンが中心。ほかのメーカーだとプレミアムな品(キヤノンF-1オリーブカラーとか)ばかりで、ちょっと私には金銭的に手が出ない。
フィルムカメラでも、PENTAXのAF一眼レフボディとかがあれば、とか思ってたのだが、わざわざこういう場に持ってきてくれたりはしないようだ。ぶっちゃけ外装がプラスチックになった世代の電子カメラは、中古市場では最も軽視される部類。

ジャンクワゴンもあるのだが、ちょっと触れば壊れてるのがわかるようなのばっかりで本当にジャンキー。
昔のゾーンフォーカス・シャッター速度固定・天気マークの絞り制御みたいなものがあったら、ちょっと撮って遊んでみてもいいかな、とも思ってたのだが、そういうものですらシャッター切れない巻き上げないと致命的に壊れてるっていう。直して遊ぶくらいの人向けっぽい。

新品デジカメの販売(これは近鉄百貨店からの出店っぽい)とか、パワーショベルのトイカメラコーナー、ポラロイドが大量にあるところなどもあったが、結局特になにも買えずに退出。
プラ外装世代のブリッジカメラやAF一眼レフ、2000年前後のデジカメとか、そんなものを好むような私の趣味がちょっと、場違いっちゃ場違いではある。
私の所得じゃそのくらいのもんでないと気軽に買えないし、真面目に撮影する気で使うカメラなら、今のデジタル一眼レフを使うしなあ。



カメラは買わなかったが、動物園にはいく。
天王寺公園の入場料150円+動物園350円でしめて500円。リーズナブル。


天王寺公園、なんかオブジェがシュール。
秋ごろにも来たはずだが、その時はオクトーバーフェストで酒を飲みにきていたから気づかなかった。


動物園に入ると、やたらとユーカリを育てている。
パンダを買うには大金が要り、コアラを飼うには土地がいるのか……。

で、入ってすぐにコアラ館。
ここは撮影禁止なので(多分やめろといってもストロボ炊く人が後を絶たないのだと思う)、無愛想に寝ているコアラを眺める。いや、愛想よく寝てたらおかしいが。
3頭いて、1頭は食事中のようで、飼育員が手ずからユーカリを食わせていた。


コアラ館から出ると、サルの檻が目に止まった。

ここで、檻に合焦してサルがピンボケする状態に陥り、どうしても檻を避けられない。
C-740UZにMFモードなんてものはないし、パンフォーカスモードもない(まあ10倍ズーム機にパンフォーカスモードあってもダメだと思うけど)。
後から考えれば、機能ボタンにAFロックを割りつけることができたから、適当に近い距離にロックしてからカメラ向ければよかったな。シャッター半押しでそれをやると、露出が全然違っちゃう。
(この2枚が露出オーバーなのは、ついうっかり黒いサルにスポット測光を使ったせい)


オリの近くにいてくれるといいのだけど。


チンパンジーは屋外展示なので、檻に苦しめられることはない。
露出オーバーだなあ。評価測光だったのだけど、アンダーに振るべき被写体か。


なぜかキジ類ばっかり並んでる鳥小屋長屋があった。
冬だからどいつもこいつもボールみたいに肥えてる。


アシカ。

アシカプールに向かって後ろ側が、動物に飽きた子供向けのアミューズメントコーナーになっているが、


うわあ……
隣のゲームコーナーも、初代リッジレーサーらしいものが残っていたりして、こんな都心の動物園でもやはりゲームコーナーの時間は停滞するものなんだな、と。



ポーラーベアの二頭連れだが、仲悪いのかじゃれてるのか、唸り声をあげてにらみ合い、噛み付いたり。


ポーラーベアの山の裏手、妙に目立たない場所に、メガネグマとマレーグマがいた。写真はないけどニホンツキノワグマもいたかな。
マレーグマは「クマとしては小型で動きが早く、よく動き回る」と説明があったが、二頭いるうち片方は同じところを延々ぐるぐる歩き回っていて、写真の一頭はじーっとこの体勢で動かない。




水鳥の小屋にはまとめて色々。
ちょうどカメラ向けてたらこっちに飛び立ってくれたので、格好よさげなカットが撮れた。


ゾウは、そろそろ室内に帰りたいような素振りで、あんまり愛想よくない。


フラミンゴ。


続いて、爬虫類館・アイファーなるところに入ってみる。


いきなりこいつがお出迎え。

反対側の壁には、カエルにまつわる体験談を色々貼り出してあったのだが、「花火で焼いた」「鉄板で焼いた」「解剖した」「薬になるっていって飲んでた」「戦前には普通に食料として取って食ってた」などなど、カエルにとってはろくでもないような話ばかり。恐ろしきは人間よ。

ここからは暗い屋内展示で、カメラにとっては苦しいシチュエーションが続くのだが、なかなか頑張る。





こんなに頑張ると全く思ってなかったくらい頑張った。



続いて、アフリカの環境を再現したようなエリアがくる。


ライオンはさすがに落ち着いた風格。あんまり動かない。


しかしトラはずーっと歩き回っていてさっぱり落ち着かない。


キリン舎。身長をわかりやすくするため、壁に目盛りが打ってある(映ってないけど)。
しかしこのアップのカット、望遠端(380mm相当)で1/30のシャッタースピード、よくこんな程度の小さなブレで収まったものだなあ。


ぴんぐ。


最後に羊を収めたところで、メモリカードが一杯。
交換しようと思ったら、うっかりカードホルダーごと家に置いてきてしまっていた。
256MBのxDカードに、151枚撮影でフルとなった。

まあ、これでほぼすべて回った後だったので、動物園を出て新世界を通り、でんでんタウンを抜けて帰路へ。


C-740UZ、やっぱりなかなかよくできてる。
C-700/720UZは、もうちょっとボディが大きかったし、ちょっとプラプラしくチープだった記憶があるけれど、740はかなり大きさが縮んで引き締まった感じ。パっと見た感じもチープに見えない。

電源は、充電後に二週間くらいは放置した、2008年製造のエネループで何の文句もいわない。まあ4本使うんだから、あまりシビアであられても困るけれども。

画質もなかなか良好。10倍ズームとはいえ、やはりレンズはでかいと有利だ。
歪曲収差も、広角でも望遠でもそれほど目立たない。望遠端でも広角端でも、開放でも十二分にきれい。いいレンズだ。

1/2.5型300万画素CCDで、ISO400で使うと偽色混じりのノイズが出るけれど、無理にノイズ消してディティール潰すようなこともなく、等倍で見たってそう見苦しくもない。

操作系も、使い慣れたこの時代のオリンパス標準。
AEロックボタンに任意の機能を割りつけられるが、ここにISO感度を入れておくと、押すたびに100/200/400と切り替わる。
PモードではISOオートがあるが、A/S/MモードではISOオートがなくなるので、すぐ切り替えられるのは嬉しい。
Pでも、絞り・シャッタースピードはファインダーに表示される。

Aモードでは、十字キー上下で絞り、左右で露出補正と素直な設定。
絞りも1/3段ずつ変えられる。

液晶モニタも悪くなくて、フレームレートは30fpsはあるようだ。
撮影バッファももちろんあるから、撮影後に書きこみ待ちはない。
ポップアップストロボが機械式で、閉じている限りストロボ禁止、というのもいい。


ホールディングがよほど私の手になじむのか、380mmの望遠端を多用したにも関わらず、かなり手ぶれを抑えきれていた。
手ぶれ補正もないのに、意外なほどブレない。
重量バランスがいい、とかあるのかも。レンズが大きい割に、フロントヘビーになって垂れ下がるような感じがないし。



使って少し不思議に思ったのが、やたらと開放に振りたがるプログラムライン。
広角端でF2.8 1/800秒とか出してくる。望遠端でそうするならわかるけれど、焦点距離見てないのかな。
まあ、開放でのレンズ描写に自信があるのなら、開放優先のプログラムラインでもいいのかもしれない。

性能的に不満を感じたのはAFで、望遠端だと特に、ズレたところにピントが来ているカットが多少あった。
マルチAFじゃなくてスポットAFにしてたのだけど、ど真ン中に被写体があるのに奥ピンだったり。
暗いとかなり迷った末にあらぬところにピンを置いたりもするし、動く被写体を追いながらピント合わせとかすると、やはりあらぬところにピンを置く。
正確に合焦出来なかったら大体近そうなところに合わせてくれればいいのに、よくわからないところに合わせて画面全体大ボケ、となっちゃう。これならEVFですらわかるから、撮影せずにやり直すだけだけど。

また、レンズがズームじゃなくバリフォーカルレンズみたいで、ズーミングするとピントが狂い、一旦おおまかに合わせ直すような挙動がある。
仕方ないことだろうけれど、ズーミングの細かい調整とかはやりづらいし時間がかかる。

で、ズーミング後のおおまかな合わせに失敗したことが一度あって、そうなると、ファインダーはボケボケで、AFを作動させてもピントをまったく合わせられなかった。
再度ズームを動かすと、またピントが再調整されて回復したし、そもそもこんなことが起こるのが、私の手元の個体の軽微な故障の可能性も高い。


スポーツ観戦にこれを持って行ってしまったら、AFあわなくてガッカリしてしまう可能性はある。
AFをゆっくりあわせられるシーンで使う分には、よく写るし大望遠も楽しめる、かなり良い感じのカメラになる。
動物園はどうだろう、動物は動きまわるからAFが辛いけど、大望遠がないと撮れないカットも多い。
私としては、AFが力不足なのはわかった上で、それでもやっぱり好感触なカメラ、という評価。