房総半島も先端に近づき、いよいよ下総から安房に変わる。
大きな半島という共通点があるせいか、車窓の風景が和歌山から三重南部の雰囲気にちょっと似ている気がする。
近くの席に座っていたおばあちゃんが、駅につくたびに「あと4つ」「あと3つ」とお孫さんに話しているのだけど、どうもそのとおりにいったら行川アイランド駅に降りることになる。
あの有名な秘境駅で降りる人なのかー、と思ってたらおばあちゃんの勘定間違いだったようで、上総興津で「次」っていってたけど行川アイランドは飛ばして安房小湊で降りていった。
行川アイランド駅からは、今は廃墟となった入り口だけがぽっかり見えた。
行川アイランドはお椀型の窪地にあるそうで、この入口がお椀の壁を抜けるトンネルとの話。
そんな隔絶された地形には、かつて軍の施設があったとか。
海と陸の違いはあるが、和歌山でいえば友ヶ島みたいなものか。やはり房総と和歌山は似ている。
安房鴨川でついに外房線も終わり、乗り換えて内房線へ。
いくつか行くと、館山に到着。
駅近くのパン屋で軽く朝食をとって、さて安房国総社・鶴谷八幡宮にいくか、館山城へ行くか。
駅を挟んで反対側にかなり離れている。
結局城を取って、南へ。
道沿いにスバル360を飾っている自動車販売店を見かけたりしつつ、国道410号→県道257号と歩いて行く。
結構歩いたな、と思ったくらいのとこで城山公園に到着。
ここから上り坂を上がって、見えている天守(のようなもの)に向かっていく。
が、その前にちょっと外れて、館山市立博物館に。
街の文化であったり、地元の画家の岩崎巴人氏の作品を展示していたりなど。
岩崎巴人氏の作品は市内各地にみられるところがあるそうだが、洞窟の中にでかでかと描いてあるスポットもあるとか。
坂を再び上がっていく。
山頂というか台地の上に着くと、日本庭園やら神社やら色々ある。
神社は浅間神社といい、昔からこの山に登ると富士山が見えるからと富士信仰があるそう。
1782年には、富士山本宮の方に記録があるとのこと。
中では、館山の誇る一大コンテンツ・南総里見八犬伝がらみの展示。
電撃文庫の「聖八犬伝」とか、灘麻太郎原作の麻雀劇画「麻雀八犬伝」とかも展示しているほど手広くカバーしていた。元が講談なんだから何でもアリだよね。
四階建てで、1・2階が展示室、4階は展望台。
ちょっと湿度が高いこともあって、富士山は見えなかった。
このあたりの工芸品に房州うちわというものがある。
天守の入場カウンターで販売されていたので、里見八犬伝の絵が入った大ぶりのものを購入。
旅行の間じゅう、もう悲惨なほど暑かったのだが、このうちわがあれば乗り切れる……と思ったけど扇ぐと熱風が来る有り様だった。しかし面積が広いので日除けとして活躍。
上りとは別ルート、山道のようなところをショートカットして下山すると、麓にレストラン兼土産物屋があった。
最近どこに行ってもみかけるようになったご当地萌えグッズとして、伏姫ストラップがあった。限定200個。
勝浦などでもちらほら見かけていたが、どうもこのへんでは鯨が割と普通に出てくるようだ。
和歌山の太地町の捕鯨なんかは有名なのだけど、大阪まで流れてくることも稀で、食べるとしたら高級料理として食べるしかないものと思いきや、ここではこの竜田揚げで300円。
鯨食べるの何年振りかなあ。
ここから駅へ引き返す。
時間もあったんだしもっと歩きまわってもよさそうなもんだが、この暑さと、旅行三日目でちょっと疲労があったりして控えめに。
行った城山公園だけでもなかなか興味深いところだったけれど。
レンタサイクルでも借りてみれば、もっと見どころいろいろありそう。