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2012年11月9日金曜日

PENTAX K-01 撮り始めインプレ

この記事を書く時点ではブログタイトルは「古カメラ徘徊記」なのだが、古くもなんともないPENTAX K-01を購入してしまった。


一応、古いカメラをわざわざ持ち歩くのはそういう遊びであって、旅行などに行くなら、荷物を増やして良ければPENTAX K-xを持ち出している。

私の写真技術や被写体を考えると、別にK-xに不足があるわけではない。
K-xでなければ撮れないようなものは、ほとんど撮ることはない。強いて言えば、夜間の手持ち撮影くらいのものか。
逆に、光学ファインダーで撮影するとやたらと水平を外すとか、うっかりホコリ入れたまま撮影を続けて台無しにするとか、腕や管理が悪いせいで、持て余しているようなところがあった。重いし。

レンズ資産、といっても、まあPENTAXユーザーの常でM42のふるくさいレンズは持ってるものの、資産価値が多少なりともあるといえば、DA21mmF3.2Limitedくらい。

そう考えると、次はコンパクトデジカメの高画質モデルをメインに据えるのがベターか、と思っていた。
夜間の撮影でも、最近のものならまあ耐えるし、何よりホコリが入らない。
最初はオリンパスXZ-1か、ニコンP300か、そのへんが候補だった。フジのXシリーズはちょっと肩肘張りすぎる。
しかし、微妙に目移りして決めかねているうちに、P310が出たりP7100が出たり、果てはXZ-2まで出る。LUMIXなんて線もあれば、CybershotのRX100なんかも。


そんなある日、そういえばK-01のビスケットレンズ、DA40mmF2.8XSは単品販売もしてるんだっけ、と思いだし、ふと値段を調べれば、25000円というところ。(今はもうちょっと下がった)
で、K-01の値段を見てみれば、ビスケットレンズキットで40000円。なんだそれ、カメラは15000円か。

まあホコリの問題は残ってしまうのだが、液晶ファインダーなら水平外しの問題は低減される。まあ腕が悪いからなくなりはしないのだけど。
愛用のDA21mmLtd.もそのまま使える。
気になるビスケットレンズも、さすがにデザインがばっちりマッチする。

さらに調べてみれば、上位機種であるK-5と同等クラスのセンサーを使っており、さらにローパスフィルタを削ってあるから、かなりの高画質モデルでもあるという。
Nikon D800EやPENTAX K-5IIsも出て、ローパスフィルタレスがすごくシャープに写ると話題になっているところで、レスじゃないにせよある程度近いものが見られそう。


で、K-xを友人に適価で譲る話もまとまったところで、いざamazon。



届いた。
でかい。

Kマウントである以上当たり前なのだけど、およそミラーレス一眼というもののサイズではない。
K-xと比べて、ペンタプリズムの分だけ高さが低くなったくらいのもので、あまり嵩に違いはない。
ただ、かなりシンプルな直方体なので、鞄に放り込んだ時の収まりはよさそう。
重さもまあ、軽くはない。K-xにニッケル水素電池入れたよりは軽いか。

とりあえず、DA40mmF2.8XSでちょっと試写。


曇り気味の日に日陰、ということもあってか、若干ホワイトバランスが転ぶ。
K-01のカラーモードはデフォルトが「鮮やか」。K-xも「鮮やか」がデフォルトではあった気がするが、同じ名前のモードでも、K-xよりずっと派手なセッティングに見える。
ちょっと気になったのが、明るいところの縁にかなりパープルフリンジがでる感じ。これはレンズの性質かなあ。


天神ノ森天満宮にて。
40mmでライカ判換算61mmという長さは、ちょっと使いこなしが難しい。
いつもの35~40mm程度の距離感で被写体に向くと、半分くらい画面からはみ出る。
といって、離れて全体を収めると、単に記録しようとしたかのような、芸の無い絵になってしまう。

このレンズにふさわしい画面の切り取り方は、もうちょっと吟味しないと。


2枚目は露出ミスで大オーバー。少しいじったが、JPEGでは白飛びは救出できず。
まあ、こんなのは明らかに一段以上アンダーに補正すべき被写体ではあるけれど、それにしてもちょっとオーバー寄りかもしれない。



住吉区の安立町という下町の商店街に、なぜかオリジナルの萌えキャラを取り入れた米屋さん「PERSON'S COUNTRY」があり、そこのおにぎり。
お店自体は、各地の良いお米を集めてきて積極的に薦めて(そのために萌えキャラも使っている)、店頭でこうしておにぎりなど販売したりもして、ただ米を売るだけよりももう一歩踏み込んだ前向きな商売をしているよう。
周りの雰囲気と比べると少し不思議な感覚だったが、面白い米屋さんだ。

写真1枚目、露出補正なしでアンダーっぽい露出が出た。
ラベルの白に反応して弾いた露出かと思うけれど、私の感覚ならオーバーになるところに思える。私が平均測光的感覚か、カメラが中央重点測光的なのか。



大和川を渡る阪堺電車を一枚。そして遠くを等倍切り出し。
遠景モードにしたらF11まで絞りこまれたから、回析ボケの影響もあるのだが、それでもこの写りっぷり。シャープさの点では、DA40mmF2.8XSもなかなか頑張る。
私がこのレベルの画質を活用できるか、というと、別にそういう機会はないのだけど、しかし「わざわざ等倍で見たくなる」なんてカメラは久しぶり。KD-400Z以来じゃないか。


堺鉄砲館前にて。
右から結構強く陽射しがあったため、軽くゴーストが出てる。
SMC PENTAXにしてはちょっと弱いかな、という気もするが、ビスケットレンズに性能の完璧さを求めたって始まらない。


ここでレンズをDA21mmF3.2Limitedに変えて、場所も日にちも変わる。


千日前のちょっと裏通り、なんだか最近飲食店の激戦区(なんばグランド花月の近くで、芸人の隠れ家などとテレビで紹介される店が多くなったせいと思う)になってるあたりの、「楽豚」という店。「らき☆ぶた」とか読めばいいのだろうか。
名前通りに豚の店で、ランチは炭焼き豚丼が中心。
で、ジャンボなんこつだったか、そんな名前の面白そうなものを頼んでみると、巨大な軟骨がどかんと出てきた。うっかり比較対象を入れていないが、丼に乗せたら一周しても足りないくらいの大きさ。
隣のカップルがこれを見てメニューを見直し、追加注文していた。孤独のグルメの五郎さんみたいなことをするカップルである。私もうぉォンと吠えながら爆食。

面白い店だったが、あいにく行った日が閉店の日だった。

軟骨の写真がへんなホワイトバランスだが、雨の窓際の席で室内灯と混ざりながらISO3200、という悪条件なので、まあ仕方ないか。シーンモード料理。
ISO3200ともなると、さすがにある程度ざらつく。しかしそれでも、ピント位置ではまだまだシャープと言えるレベルで、ノイズと一緒にディティール殺しまくるというようなものではない。



大阪初進出らしい、東京チカラめしの店舗。関西人はこういうの並ばないといわれているが、並んでいる。まあ、並ぶ人は並ぶよ。私は並ばないけど。
で、DA21mmLtd.で、F5.6での解像度。これがローパスフィルタ1枚の威力か。
ファインシャープネスモードなのでちょっとエッジが立ってるので、見かけの解像感が上がってる状態だけれど、私はわりとこういう絵が好き。ファインシャープネスを常用しよう。



HDR撮影もしてみた。効果は+2。
K-xのHDRは、ミラーショック激しいし撮影間隔もちょい長いので、手持ちじゃ使い物にならなかった。
K-01ではミラーショックがなくて連写が速い上、ズレの補正もある程度やってくれるようで、このとおり手持ちでばっちり。また、太陽をもろに画面に入れても、ミラーレスだから目が焼けない。センサーに悪いかもしれんけど。

シャシャシャっと連写してくれるので、AEブラケットなどの使い心地もいい。
ただ、ブラケットを使うと、撮影後のRAW保存ができなくなる。難しいところだ。


なんばパークスの屋上花壇。デフォルトの「鮮やか」モードだが、ちょっと色が派手すぎるか……? やっぱりK-xではこんな、サイケデリック直前みたいな発色は見覚えがない。
ちょっと気づいてなかったのだが、DA21mmF3.2Limited、結構ボケががちゃがちゃしたレンズのよう。そのかわり、DA40mmF2.8XSと違って、パープルフリンジはほとんど出ないようだ。
まあ広角レンズだから大きくボケさせることは少ないし、これもピクセル等倍でわざわざうるささを詳細に見ているだけではあるけれど。


K-xではマニュアルだけだったけれど、K-01では、ハイライト/シャドウ補正にオートがついた。
このカットで補正が効いてるかはわからないが、ガンマをいじっても隅々まで生きている。


なんばパークス屋上のこの物体。これはベイルだ。天界から持ちだされた神の叡智……こんなところにも転がっていたのか。


まあ、エルシャダイのステージになってもおかしくないような、異様なデザインの場所ではある。



難波の隠れた穴場、日本民藝館。
南海線のなんば駅から西にしばらく行ったところにあるが、普段はなかなか見るところも、買い物をするところもないような、都心の物陰とでもいうようなところにある。

民芸品は美術品ではない。だから、生活の中で使われるために作られた実用品であり、また、時代の求めに応じて変化していく。
ちょうど公募展が行われていて、日本全国から民芸品が多数集められていた。素朴なまでの実用品から、実用を忘れない範囲で精一杯アーティスティックな物まで、漆器陶器織物ガラス器人形おろし金に鍋、様々なものが並んでいた。
面白いのは、予約しておけば、展覧会終了後に購入することができるようになっていた。そのため、ショーケースの扉が開いていたりして、手を触れることができるようになっていた。
値段も数百円から数十万円まで様々。

民芸品販売所も併設されており、こちらは民芸館本体が展示替えなどで休館中にも利用できる。


また、どういうわけか大瓶のコレクションが山ほどあり、通路やら屋上やら館外やらに無数に並べられている。
……まあなんか、公募展に出品したものの、モノがモノだから10万円とかのプライスにせざるを得ず、しかし現代において瓶を生活に使うかというと難しくて売れ残り、そして日本民藝館に収蔵される……といった流れがあるんじゃないか、と勝手に空想したりもしたのだが。今回の公募展でも出品されてたの。


同じカットをF22に絞り込んで、ISO25600で撮ってみた。
さすがにぐずぐずの写りではあるけれど、ビルの隙間の暗い中でF22で手持ちで撮れちゃうのは、まあ今どきの大型カメラでは当たり前とはいえ、やっぱりすごい。


他に書いてないことといえば、ホールディングは、さすがに一眼レフと変わらない大きさだけあって、かなり安定して握れる。
握りやすい、ミラーショックがない、手ぶれ補正もよく効く、高感度もガンガン使える、となると、まるで手ブレとは無縁な撮影ができる。宴会で使っても全然平気だった。
K-xは、まあたいていは撮れるのだけど、それでも条件が厳しいと多少ブレることもあった。

ただ、デザインが先行したカメラであることも否定できない。
モードダイヤルは、結構固めということもあり、完全に手を離さないと回せそうにない。まあ、撮影中にくるくる回すような撮り方はしないが。
それより、グリーンボタンは明らかに遠すぎる。身長180cm以上の大男の私の手でも、握ったまま押すのは無理。親指も人差し指も届かないところにある。
露出補正とレッドボタンもまた、握ったままではギリギリ。結構苦しい。露出補正ボタンはもうちょっと近くにあってほしかったな……。
AF/AEロックボタンに露出補正を割り当てられたらよかったのだが、あいにく無理。


かなりイロモノ的なこの外見は、ビスケットレンズをつけると、今までのどういうカテゴリのカメラにも似ていない。
強いて言えば80年代末のブリッジカメラに近いか? と思ったが、別に今手元に転がってるAPEX105とかIZM400と比べても、似てはいない。ちょっと方向性が違うな。

カラーが白黒パンダなので、旧来の一眼レフレンズを付けても、意外とカメラらしくならなかった。
ブラックボディなら、普通のレンズをつければ、普通の一眼レフに近い感じにはなりそう。


AFは、やっぱり速くはないのだけど、思ったより遅くはなかった。K-xのライブビュー・コントラストAFほどゆっくりはしていない。
ただ、光学系の小さいDA40mmF2.8XSやDA21mmF3.2Ltd.ならともかく、Tokina AT-X242AF(24-200mm)のような大型レンズを使うと、しんどそうな動きになるし合焦もちょっと遅い。
まあ、カーレースをコンティニュアスAFで追っかける、とかそんな無茶はいわなければ、普通に使えるだろう。

少なくとも、価格対画質比でいえば相当パフォーマンスがいい。
まあ、良いレンズ欲しくなってコストは積み重なっていきそうだけど。