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2013年2月20日水曜日

三重県鉄道乗りつぶし行・一日目 (DiMAGE Z3)

ちょっと用事で三重に遊びにいった。
(用事で遊びに行くのも変だけど実態としてそうだから仕方がない)

カメラは、コニカミノルタDiMAGE Z3で。
ミノルタ系のデジカメは、なんか昔から購入候補には挙げるけど結局落としてしまってばかりで、結局買うことがなかった。
DiMAGE F100系もDiMAGE 7系もDiMAGE Zも気になるカメラだった。これにX系を加えたらラインナップの全部になっちゃって、今から考えればだいぶ極端な品揃えだったものだけれど。

で、今回のZ3は、12倍ズームに光学手ぶれ補正、電源は単三4本、SDカード仕様でスペックの割にコンパクトな(当時)ボディと、旅行にはちょうどいいので持ち出し。
ミノルタは発色が地味と当時よく言われていたので、今回はカラーモードをビビッドにして撮影。



別にコレに乗った訳じゃないけれど。
桑名あたりで、古い街の商店街で食事を取ったり等して、近隣を散策。



桑名別院本統寺。
教如が開創、娘の長姫が開基。1596年の創立。
北勢で浄土真宗といえばやはり長島一向一揆を思い浮かべるけれど、あれは1574年に終わらされたので、もっと後の時代。


芭蕉が「野ざらし紀行」の時に無事を祈りにきたそうで、その句碑が残っている。

もともと私は、水平外しすぎるから一眼レフをやめてミラーレスに換えたような下手くそであるが、それにしても外れ方が酷い。
ファインダーが小さいせいか、迂闊に撮るとかなり外れてしまうようだ。
ただ、注意すると傾いていることはすぐ知覚できるような感じもある。最初の数カットで水平をひどく外していることが認識できて、以後気をつけるようになった。
気をつけてもまだ外してるのは、まあ、腕のせいだけれど。


東海道沿いに歩くと、桑名市役所の跡地があった。
堀川らしい川と、「京橋」という橋がかかっているすぐそばにあったから、かつての桑名城の入り口すぐか出てすぐの場所になるんだろうと思う。
1987年に埋められたタイムカプセルが、2037年のオープンを待っていた。

近くに「どら焼き」とのれんをかけた、枯れた風情の菓子屋があった。
同道の友人がそういう店が好きで、迷わず突入して「どら焼きくれ」というたのだが、持って出てきたものが明らかに回転焼きだった。
桑名では回転焼きをどら焼きと呼ぶのかと問うたが、今川焼きをどら焼きとは呼ばんとの答えだった。


友人いわく、東海道沿いに目的地があるそう。


あれ、こんなとこに模型屋の跡地が、と、この看板を指差してみると、何をか言わんや目的地はそこだという。


えええ。
看板に気づいた時点では、左半分しか見えていなかったのだが、全部見えても。


コスモスだー。

桑名近辺の人間にとっては一種の聖地だったそう。
友人いわく、昔は怖い感じの店主だったらしく、ちょっとぐぐってみても昔怖かった的な話が多数。
しかし今となっては、外でたじろいでいたらどうぞ入って、と声がかかって、世間話しながらの買い物になった。
(今から思えば、世間話の内容が昨今の模型屋経営事情など、ちょっと「買わずに帰るなよ」と牽制していた気もするけれど)

店に入ってすぐには、子供向けのスチロールのグライダーやら鼻眼鏡やら、雑多なおもちゃが積み重なって山になっている。
奥は、棚にめいっぱいプラモデルの箱箱箱。
痛車やらガンプラもタミヤの1/48ミリタリーミニチュアもあるけれど、かなり古いキットも混在している。
しかも国産の古いもののみならず、ロシアとか東欧の輸入キットまで。
鉄道模型やガレージキットなども一部に。客層がわからない……

エリア88と長谷川がタイアップして出してた「サキ・ヴァシュタール & クフィル」(サキのレジンキャストキットに1/144クフィルのプラモデルがセットになったもの。90年代半ばの品)と、ウクライナのLF MODELSというメーカーの、1/35ソ連軍T-37A軽戦車。
一応値札があったけれど、値札より少し安くしてくれていた。


店を出て、ふと前の木の下を見れば、なぜかみかん半切りの皮が落ちている。
メジロが来るからと店主が投げているそうだ。

子供の頃の馴染みの模型屋というのは私にもあったけれど、こんな強烈じゃなかったな。
強烈になっていきながら生き残ったのか、最初から強烈だったのかはちょっと余所者にはわからないけれども。


いもや本店の前の道はまだまだ東海道なので、ぶらぶら歩いて行く。
鍛冶屋がまだ残っていて、例えばこのあたりの山でタケノコ掘りをやるなら山ごとの土質まで考慮して道具を誂えてくれるとか、そういう感じでやってるそう。
あと多いのが仏具屋。寺が多いせいでもあろうけれど、それにしても多かった。


泡洲崎八幡宮。
もともと近隣の鎮守だったけれど、明治の合祀令で桑名宗社にまとめられ、1950年にまた分祀された。
今は埋め立てられているけれど、かつては町屋川によって桑名の町は3つに割れており、そのうちのひとつが泡洲崎。


すぐ横が、光徳寺。
もとは泡洲崎念仏道場と言われていた。境内に萬古焼創始者の沼波弄山の墓がある。


桑名七福神こと十念寺。
森陳明という人の墓所がある。
戊辰戦争に函館まで付き合った人で、戦後には桑名藩の戦争責任者として藩の責任を被って切腹した。
桑名藩は一旦取り潰されたものの再興を許されたのだけれど、再興の一助にもなったのかもしれない。


やはり桑名別院があるくらいだから真宗が強い土地柄のようだけど、日蓮宗の寺も少しあった。
寿量寺といって、狩野光信の墓がある。写真左手の五輪の塔がそうらしい。
江戸で仕事をして帰ってくる途中、桑名で亡くなったからここに墓が立ったとか。

日進小学校のところで、旧東海道が二車線の県道に合流。
そっちに折り返す。


折り返してすぐ、顕本寺というお寺。
日蓮大聖人像が道から見えていて、ひと目で日蓮とわかってしまう顔立ちで。

こちらの道沿いには、境内に広々と墓地を持った大きなお寺が並んでいる。
顕本寺も大きめだったが、もうちょっと北には更に巨大なのが。

それにしても寺の多いエリアだった。
まあ、今思い出したところによると、食事をとりに立ち寄った商店街が寺町商店街という名前だったから、元々そういう場所なのだろう。




もうしばらく歩いて、桑名市博物館近くの石取会館というところに入った。
この辺りでは石取祭という夏祭りがある。国指定重要無形民俗文化財。

中に入ると大きく祭車が飾られている。
山車ではなく祭車と呼び方が違うが、形態もいわゆる山車や曳山とはかなり違う。
車輪の数も3輪。人力車的な二輪車体に、前に出る2本の引き手がそのまま低めに出て車輪がついてる感じ。後ろの二輪は直径も大きい。
上には、1本の縦柱に横桟を何本か通して提灯を吊るしてある。
やはり太鼓を叩くのだけど、車の上に乗って叩くのではなく、太鼓は後ろにある。他に側面にも鉦が吊るしてあって、それらを叩きながらゆっくり町を練り歩く。
なんでも、日本一やかましい祭りだとかいわれるそうで、地元の人でも耐えかねて祭り時は避難する人もあるとか。

祭車は見た感じ、なんだかものすごくスポーティーに見える。
小型軽量な感じで、車輪に泥除けがあったり、後部の太鼓を覆うように張り出した屋根に角度がついていてリアスポイラーみたいに見えたり。
これはもう前輪を持ち上げ気味に全力疾走するようなスピードで突っ走るものだろう……と思ったが、実際はゆっくり歩く程度の速さで引くものだそう。

ちなみに、建物自体も古い銀行を再利用しているそうで、国の登録有形文化財。


その祭車は、もう少し北の桑名宗社に入って、鉦鼓の演奏を奉納する。
何か曰くがあるのだろうか、拝殿がこの通りの二軒繋がり。
調べてみると、天津彦根命(多度大社でも祀られている)と天久々斯比乃命(天津彦根命の子)を祀る桑名神社と、天日別命(伊勢国造の祖先)を祀る中臣神社のふたつを併せて桑名宗社と呼ぶ。
春日神社と呼ばれることも多いようだが、これは奈良の春日大社から春日四神を分祀してもらってからのことだそう。

それから、頼まれた用事をしつつ食事したり、温泉に行ったり。


揖斐川の河口右岸の、桑名天然温泉 元気村。
ネーミングといいネオンサインといい、80年代か90年代前半の雰囲気。

もともと単なる温泉だったのが、バブルの頃に化けて、温泉+レストランの現在の形になった。
入浴料も600円と普通の銭湯と大差なく、レストランもそんな高くもない。
徒歩では駅から遠すぎる、このためだけに来るようなところでもなさそう、ということで、地元の人の知る穴場という感じだろうか。
私は泉質の目利きがないけれど、いい湯であるそうだ。

とりあえず初日はここまで。



DiMAGE Z3は、触ってみると使い心地にソツがなくて、実に気持ちよく撮影できる。

一般に高倍率ズーム機はレンズ群が大きいこともあり、AFが遅くなる傾向がある。
しかしZシリーズは「ジェットAF」といって、最初は外光パッシブAFとコントラストAFを併用して高速なAFを実現していたのがウリだった。
Z3ではコントラストAFのみになっているが、それでも高速。デュアルAFだった先代より速いらしい。
実際、ほんとに速い。望遠端だから遅いとかそんなこともなく、太陽が出てる時間であれば、シャッター半押しから半拍以内に合焦音がする。

画質は、まあ1/2.5型だと思われる400万画素CCDなりだけれど、高倍率ズームながら、望遠が甘いとか広角が曲がるといったアラも少ない。
広角端で多少歪曲が、被写体によって気になる程度には出るくらいか。
かなりきつい逆光で撮ったりもしたけれど、影響もあまり出ない。
手ぶれ補正の効きも上々で、換算420mmで1/100秒のシャッターが、特にブレ感を持たない程度に撮れていた。(もっと速いシャッターだともっとシャープに撮れてるな、とくらべて判る程度)

操作性も上等。
ちゃんと「カメラにこだわる人がどういう操作を望むか」というのをわかって作ってある。
露出補正が十字キー一発なのは当たり前。Pモードでも絞りとシャッタースピードは表示する。
起動もまずまず速い。公称1.7秒も嘘ではない。
ストロボは物理的に持ち上げなければ光らない。(ボタンで跳ね上がるんじゃなくて持ち上げ。これは珍しい気がする)
P/A/S/Mフルモード。モードダイヤルで切り替え、十字キーで操作する常識的な造り。(なぜかモードダイヤルに「P/A/S」なんて項目があって、メニューから露出モード変えなきゃならんようなのが世にはある)
EVFと背面液晶ファインダーはスイッチ切り替えだが、その切り替えスイッチに再生モードがついている。つまり、EVFに再生モードの画像を写すような間抜けなことにはならない。(なるカメラがある)

面白いのは、ストロボモードボタンに別の機能を割り当てられる。
手ぶれ補正に自信があるからストロボ使わないでいいよね、というメッセージか。物理的に上げないと使えないのもそうだし。
私はISO感度変更に設定した。便利。

ホールディングも素晴らしく、実にきっちりつかめるグリップ。
グリップからペンタ部(相当)の間にくぼみがあって、そこに親指がかかるから、右手のすべてを使ってホールドできる形。
ほとんどすべてのカメラは、親指はせいぜい背面に添えられる程度の役目しか持たないから、かなり安定性が変わってくる印象。
まあ、私のでかい手には少しだけシャッターボタンが近いが、これは手がでかいから仕方ない。

ミノルタのデジカメは、まあ、異様なデザインの、率直に言ってしまうとぶっさいくなやつが少なくなくて、ZシリーズだってZ1/Z2は不細工だった。
しかし、Z1のひたすら機能として形状を作ったような、部分は合理的かもしれないけどそれぞれまったく繋がってないチグハグな感じは、Z3になって消えて、ひとつのまとまった形になった。
別にデザインのために機能を殺したようには見えないから、センスよく仕上げたもんだと思う。黒になって引き締まって見えるのもあるかも。


悪いところを挙げるとすれば、ちょっとズーミングが早すぎるか。
電源スイッチの位置が悪い感じもある。右手だけじゃ全く操作できない。左手でやるにしても、ホールドした状態でスイッチも操作できるようにはならんと思う。
ズーミングするとピントが移動するが、AFがちょっと作動してピントを合わせるということをしない。近くを撮って、そのまま望遠にズームして遠方に向けると、ファインダー内がモヤの中になる。AFを作動させるまでそのまま。
それから、私の手の大きさのせいもあるけれど、たまにズームレバーに親指が当たる。
ISO400じゃかなり偽色も出るが、これは時代が時代だから仕方ないか。

手ぶれ補正は、常時ONと露光時のみONとが選べる。
露光時ONのほうがバッテリー持ちで有利だろうけど、望遠端での撮影時にびっくりするほどフレーミングがズレてしまう。これはまあ、短所というより仕様の類だろうけれども。

それから露出の傾向として、「空が入ってるからプラスに補正しておこう」と思ったら大オーバーになったり、「雪景色だからプラスに補正しておこう」と思ったら大オーバーになったり。
明るい部分が多い時の調整かなにかがあるのかも。
ただ、ファインダーでちゃんと露出を再現しているよう。
モニタでの露出と実際の画像の露出がまるで違うデジカメが多いから、つい信用せずに自分のカンに頼って撮影してしまった。今回はカメラの言い分が正しい。

以上はごく細かい点で、減点にしても100点中2~3点くらいのとこだが、大きい減点というとやはりEVFと液晶モニタの質か。

EVFは11.8万画素で、やはりピントの確認までは頼りない。
背面液晶なら……と思ったら、1.5型と極小な上に画素数は7.8万。
高倍率だから仕方ないけれど、望遠するほど最短撮影距離が長くなって、テレ端で最短2メートル。マクロにしても1.2m。
で、実際の撮影では、ちょっと向こうのモノにピントが合って合焦音はしたりする。撮ると、PCで確認するとボケてる。

このモニタの弱ささえなければ、ほとんど手放しで絶賛できる出来のカメラ。
モニタが弱くてなお、「気持よく撮れる」と思いながら使っていたから相当なもの。

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