嗚呼、麗しのTOKYOシティ!
たまに遠方の友人と東京で落ち合う機会を持っているので、久々の上京。
さすがに泊まりがけの旅行にまで実験的なデジカメ持ちだすのは辛いので、今回はPENTAX Optio RS1000で無難に。
新幹線で東京駅まで一気にいって、山手線で秋葉原まで。
東京に行くと鉄道で混乱するので、いつもは無理せず山手線だけで行動するようにしていたのだけど、少しは見聞を広めつつ乗りつぶしを進めるべく私鉄を使うようにしてみる、
東京メトロにのって三ノ輪まで。
三ノ輪で下りたら、近くに都電荒川線の末端・三ノ輪橋電停がある。
そっちに歩いて行きつつ近くの地図を見ていると、彰義隊士の墓があるという寺がある。とりあえず行ってみた。
が、どうも道を間違えてしまったようで、寺の入口と違う路地に入り込んだ上に寺の中に入れず。
あとから地図を見たら、大きな通りに面した方に大きく入り口が開いていたのに、何を思ったか手前の細い路地に入っていっていた。私たまに変なことをする。
三ノ輪橋電停近くは、昭和っぽい商店街。しばらく冷やかして荒川線へ。
戦後丸出しのキンチョールやボンカレーの看板をわざとらしく掛けたホームに、チンチン電車というよりLRTというべき車両が入ってくる。
大阪の人間にとって路面電車というと阪堺線であって、昭和40年代から走ってそうなぼろぼろの車両が未だに走り続ける、時間の止まったようなものを想像していたのに。
しかもまた、荒川線は本数が多い。10分と開けずに次々走ってくる。
宮ノ前電停で一旦下車。
電停の目の前にある、尾久八幡神社に寄ってみる。
いつ創建した神社かはわからないが、1312年に鶴岡八幡宮にここ尾久村が寄進されたというので、その頃からあるんじゃないかという話。
かつては神社を取り囲むように堀があって隅田川につながっていたそうなので、水運で賑わったりもしていたそう。
境内末社に厳島神社。
再度荒川線に戻る。
今度きた車両はちょっとレトロ。LRTというより、ある程度路面電車らしいものが来た。
すれ違った車両に、阪堺線風の塗装をしたのがあったりもした。ただ、今の阪堺線はほとんどすべての車両が広告ラッピングになっていて、最早阪堺線風塗装なんて阪堺線で見れないのだけど。
そしてそのままずーっと乗る。
宮ノ前あたりの時点では、なんとか座席が埋まるかどうか、という程度の乗車率で、果たしてこんなに運行本数多くある必要があるのか……と思いきや、王子駅前あたりまでくるとかなりの混雑。
そして、庚申塚でおじいちゃんおばあちゃんの大入れ替えが起こり、そして大塚駅前でざーっと人が降りていく。
終点、早稲田。
なんというか、きっと巣鴨に通うおばあちゃんのパワーで持ってる路線なんだろうなあ。学生さんは地下鉄使う気がするし。
早稲田電停から西へ歩いて行くと、山吹の里の碑というのがあった。
太田道灌が鷹狩に来たら雨にあい、農家に蓑を借りようとすると、山吹の枝を差し出された。
なんのこっちゃと思えば後拾遺集の和歌、「七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに 無きぞ悲しき」にかけた行為だった、と気付かなかった太田道灌、なんと私は無粋で無知であろうかと恥じて、それから和歌を学ぶようになったとか。
神田川に沿って西に歩き、オリジン電気本社を過ぎたあたりに高田総鎮守・氷川神社がある。
境内撮影禁止ということなので、参拝のみ。
学習院下電停にきて、三度荒川線に乗車。大塚駅前まで。
駅から東へ、「こんなとこにリベリア大使館があるのか」などと思いつつ歩いて行く。
シンプルな神明鳥居があって、寄ってみると子安天満宮という。
天文年間、ざっと500年くらいまえに鎮座した。仁平盛義という武士が巣鴨村をつくるとともに神社を建てた。
仁平盛義は1571年、戦国時代が天下統一に進んでいくちょっと前くらいに没し、子孫はさっさと武士をやめ、代々保坂徳右衛門を名乗って、多分まあ庄屋になったんだろうと思う(なぜか由緒書きには「徳右衛門を名乗った」としかない)。
今はこう小さいが、かつては1120坪の神領を持ってたそうな。
しばらく歩くと、山手線の巣鴨駅。木造だったりするのかと思ったが、普通の近代的な大きな駅だなあ。
駅からとげぬき地蔵尊方面に歩いて行くと、商店街の入口を守るように真性寺。
奈良県桜井の長谷寺の末寺であるそうな。
商店街に入ると、観光地らしい店も多々あり、しかし売り物が土産物なのか生活用品なのかよくわからない店もあり。
遠方のおばあちゃんは観光して帰るのだろうけど、近在のおばあちゃんは日常生活の一部としてとげぬき地蔵に参って、日常の買い物をしていくのかもしれない。
両親もそろそろさすがに壮年というより老年なので、土産物を買いまわった。
そしてとげぬき地蔵尊こと高岩寺。
とげぬき地蔵は盛況で大行列。タイミングによってはもっとすごいんだろうけれど。
商店街に、「♪かもかもすがもー」とオリジナルソングが流れているんだけども、スカのリズムで裏打ちを刻んでる。気になる。
荒川線の庚申塚電停近くに、巣鴨猿田彦大神なる神社が建物の隙間にあった。
「江戸名所図会」にも載ってるような歴史があり、かつてはもっと大きかったようだけど、戦争で焼けたりして昭和47年に再建したのが今の姿。
鎮守の森もないけれど、ビルの隙間にあるというのも案外悪くない。
ここから都営三田線の西巣鴨駅まで歩いて、なれない地下鉄を乗り継いで上野の宿へ。
Optio RS1000は、オールドカメラというほど古くもないけれど、まあせっかくの旅行なのであんまりいつも持ち歩くような骨董品持ちだしてトラブル起こしてもつまらんので。
しかしまあ、このカメラのレンズが1400万画素に相応のもんではない、というのは以前使ってしっていたから、ずっと700万画素で使ってたのだけど、それでもまだ今ひとつ。
曇り空の下では、もうケータイのおまけカメラみたいな、ノイズリダクションでエッジが潰れまくった絵になる。
コンパクトで5倍ズームレンズはいいけど、やっぱり望遠端はピントがないような甘さになるし。
歪曲収差は無理に光学的に取ろうとせず、画像処理で済ませちゃう……というのはいまどきどこでもやってるけど、このカメラはCPUパワーがないようで、液晶ファインダーも撮影後のプレビューも歪曲してる。物哀しい……
でもまあ、露出とかホワイトバランスとか破綻なく出るので、取り扱いは簡単。動作も早いし操作性もいいし。
これが1万円しないローエンド機だと思えば、進化してるなあ、とは思う。